38 / 100
第二章
第37話 カイル……なのか……?
しおりを挟む
「色々あったし寮戻ろうよ」
「それもそうね」
私達は『まあ変態なんかどうでもいいわ』的な感じで特に気にも留めず寮に帰る事にした。
あなたも超がつくもほどの変態だけどね。
「今日は? 僕のところに帰っても良いんだよ?」
「拒否しますっ」
私はなるべくさわやかな笑顔と共に断ったはずなのだったのだが。
「帰っても良いんだょ?」
「うるせえよ」
「なるほど……ツンデレだねっ!? 素直にイエスが言えない娘だったねっ!? 強制的だったらいいんだねっ!?」
「よけいにタチ悪くなっただけじゃねぇか」
もういい。コイツが寝たらそっと部屋に帰ろう。そうしないといい加減不良並みの外泊回数になってしまう。もちろん理由があれば外泊回数が多くてもいいと思うのだが、私の場合大した理由も無いからね。
「もしお前の部屋に誰かが突撃して来たらどうすんだ……。ソイツ間違いなく変態だぞ……」
「今のところあなたが指している人物はあなたと国王とお兄ちゃんとお父さんくらいね」
まあお父さんは追及しないにしてもお兄ちゃんは『目覚めたら私の下に寝てた』っていうことがあったから変態認定するわ。
「さすが我がヒロインラミちゅわん……。変態と一般人の見分けが上手いね……」
「自覚してたのね? 大きな一歩を踏み出せたのね?」
「じ、じじじじじ自覚ッエ」
「どんな動揺のしかたしてんのよあなた。完全に故意犯じゃないの」
実は常識あったのね? そうなのね?
そうだと言って?
「……バレたらしょうがないなぁ!」
カイルは私の肩を抱き寄せ、囁く。
「今夜ベッドの上で乗馬ごっこ……じゃなくて」
私がおびただしい殺気を放ったことが効をなしたのか、カイルが前言撤回して、思いもよらないことを言い出す。
「僕と……俺と結婚を前提に付き合ってください」
か、カイルが健全な提案をした……だと……!?
「それもそうね」
私達は『まあ変態なんかどうでもいいわ』的な感じで特に気にも留めず寮に帰る事にした。
あなたも超がつくもほどの変態だけどね。
「今日は? 僕のところに帰っても良いんだよ?」
「拒否しますっ」
私はなるべくさわやかな笑顔と共に断ったはずなのだったのだが。
「帰っても良いんだょ?」
「うるせえよ」
「なるほど……ツンデレだねっ!? 素直にイエスが言えない娘だったねっ!? 強制的だったらいいんだねっ!?」
「よけいにタチ悪くなっただけじゃねぇか」
もういい。コイツが寝たらそっと部屋に帰ろう。そうしないといい加減不良並みの外泊回数になってしまう。もちろん理由があれば外泊回数が多くてもいいと思うのだが、私の場合大した理由も無いからね。
「もしお前の部屋に誰かが突撃して来たらどうすんだ……。ソイツ間違いなく変態だぞ……」
「今のところあなたが指している人物はあなたと国王とお兄ちゃんとお父さんくらいね」
まあお父さんは追及しないにしてもお兄ちゃんは『目覚めたら私の下に寝てた』っていうことがあったから変態認定するわ。
「さすが我がヒロインラミちゅわん……。変態と一般人の見分けが上手いね……」
「自覚してたのね? 大きな一歩を踏み出せたのね?」
「じ、じじじじじ自覚ッエ」
「どんな動揺のしかたしてんのよあなた。完全に故意犯じゃないの」
実は常識あったのね? そうなのね?
そうだと言って?
「……バレたらしょうがないなぁ!」
カイルは私の肩を抱き寄せ、囁く。
「今夜ベッドの上で乗馬ごっこ……じゃなくて」
私がおびただしい殺気を放ったことが効をなしたのか、カイルが前言撤回して、思いもよらないことを言い出す。
「僕と……俺と結婚を前提に付き合ってください」
か、カイルが健全な提案をした……だと……!?
0
お気に入りに追加
1,060
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
転生悪役令嬢の前途多難な没落計画
一花八華
恋愛
斬首、幽閉、没落endの悪役令嬢に転生しましたわ。
私、ヴィクトリア・アクヤック。金髪ドリルの碧眼美少女ですの。
攻略対象とヒロインには、関わりませんわ。恋愛でも逆ハーでもお好きになさって?
私は、執事攻略に勤しみますわ!!
っといいつつもなんだかんだでガッツリ攻略対象とヒロインに囲まれ、持ち前の暴走と妄想と、斜め上を行き過ぎるネジ曲がった思考回路で突き進む猪突猛進型ドリル系主人公の(読者様からの)突っ込み待ち(ラブ)コメディです。
※全話に挿絵が入る予定です。作者絵が苦手な方は、ご注意ください。ファンアートいただけると、泣いて喜びます。掲載させて下さい。お願いします。
魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!
蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」
「「……は?」」
どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。
しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。
前世での最期の記憶から、男性が苦手。
初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。
リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。
当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。
おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……?
攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。
ファンタジー要素も多めです。
※なろう様にも掲載中
※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。
悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない
おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。
どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに!
あれ、でも意外と悪くないかも!
断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。
※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています
平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。
自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。
どうやら婚約者が私と婚約したくなかったようなので婚約解消させて頂きます。後、うちを金蔓にしようとした事はゆるしません
しげむろ ゆうき
恋愛
ある日、婚約者アルバン様が私の事を悪く言ってる場面に遭遇してしまい、ショックで落ち込んでしまう。
しかもアルバン様が悪口を言っている時に側にいたのは、美しき銀狼、又は冷酷な牙とあだ名が付けられ恐れられている、この国の第三王子ランドール・ウルフイット様だったのだ。
だから、問い詰めようにもきっと関わってくるであろう第三王子が怖くて、私は誰にも相談できずにいたのだがなぜか第三王子が……。
○○sideあり
全20話
乙女ゲーのモブデブ令嬢に転生したので平和に過ごしたい
ゆの
恋愛
私は日比谷夏那、18歳。特に優れた所もなく平々凡々で、波風立てずに過ごしたかった私は、特に興味のない乙女ゲームを友人に強引に薦められるがままにプレイした。
だが、その乙女ゲームの各ルートをクリアした翌日に事故にあって亡くなってしまった。
気がつくと、乙女ゲームに1度だけ登場したモブデブ令嬢に転生していた!!特にゲームの影響がない人に転生したことに安堵した私は、ヒロインや攻略対象に関わらず平和に過ごしたいと思います。
だけど、肉やお菓子より断然大好きなフルーツばっかりを食べていたらいつの間にか痩せて、絶世の美女に…?!
平和に過ごしたい令嬢とそれを放って置かない攻略対象達の平和だったり平和じゃなかったりする日々が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる