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ある公爵令嬢の話
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「僕という存在はそれはそれは崇高なモノであり、崇め奉られるのが当然なわけで――」
「ねえ、何で宗教みたいな感じになってるの?」
「え、そこ訊いちゃう?」
右手を口に当て、ニヤニヤしながら私を挑発するカイル。
何だコイツ超ムカつくな。
「えっ? ウェッウェッ? 訊いちゃうの? ホントにホントに? ウォゥウォゥ?」
「マジでウゼェなコイツ」
思わず本音がポロリと出てしまったが、これは致し方ないものだろう。
「フェ? フェフェフェフェフェフォォォォォォォォォォォォ!」
「なんで急にバグった。キ〇ガイみたいになってますけど!?」
とうとうこうなったか……。
「あ、訊く? 訊くんだねウォゥウォゥ?」
「うるさい早く言え」
「まったく、そんなに言って欲しいなら早く言えばいいのに……♡ ツ・ン・デ・ルェェェェェ!」
思わず股間を思いっきり蹴ってやったが多分大丈夫だろう。変態だから。
まあ元々の壊れ具合に戻ってよかった。できればもっと直ってくれたらよかった。
「ま、マゾに目覚めりゅぅ……♡」
「えっ、目覚めてなかったの?」
「ちょっと酷ない?」
アンタの性癖のほうが酷いだろう。
「ていうか、さっきから家政婦の人が驚愕した表情でこちらを見てることに気がついた?」
「なんで先に言わないんですか」
私は恐る恐る扉の方に視線を動かす。
本当にいた。いたけどあれって……。
「ねぇ、あれ国王じゃないの?」
「ああ、昨日から家政婦ごっこしてるらしいから」
なんで一国の主が家政婦ごっこしてんのよ。いい歳で子どもいるでしょあなた。
「あれぇっ? ラミちゃん? 脱いでなくない?」
「誰が脱ぐか」
変態って何言っても通じないの……?
よくよく考えたら会うたびにそう思ってるわよね……?
「マ? 脱がないとかマ?」
「うるさいし略しすぎでしょ。もうちょっとマシな日本語使いなさいよ」
「えっ? 僕が使ってるの日本語以外に思えちゃったの? 嘘でしょ?」
もう公爵侯爵レベルから人材引っ張ってきた方が良いレベルじゃないの、コレ?
っていうか、何でヨーロッパ風な世界なのに日本語なのよ。製作陣おかしいでしょ。
「ドンペリ行っちゃう?」
「行かないわよ。王子が堂々と法律破ろうとしてんじゃないわよ」
「余の辞書に法律の文字はない」
「なら追加しなさい」
「するぅ!」
こっちの世界(前世)の名言パクってんじゃないわよ。というか、これって本当に後世にまで伝えれられるのかしら。
『余の辞書に法律の文字はない』カイル・シュバルツ・エンペラー(2003~)
いや、語り継いだらダメなヤツだコレ。このままではこの時代の我が国が『実は独裁国家だった』みたいな感じに思われてしまう。それはなんとかして避けねば。
「追加したからデートしよっ!」
「するかバカ王子」
「俺とデートしないとか‥…マジあり得ないからNA☆」
せっかくイケボで一枚絵あるところなのに……。残念ッ……!
「して?」
こ、断り辛い……!
「くれないと国家の偉い人に頼んでラミちゅわんの性癖を割り出したあと国内最大手である『王国情報新聞』に『レースフェルト公爵家のラミ・レースフェルト嬢、実は特殊性癖の持ち主』っていう見出しで8割くらいの国民に認知されるから」
「行きます」
コイツなら本当にしかねないのが一番怖いところである。隣国に移住しようかな。
「ねえ、何で宗教みたいな感じになってるの?」
「え、そこ訊いちゃう?」
右手を口に当て、ニヤニヤしながら私を挑発するカイル。
何だコイツ超ムカつくな。
「えっ? ウェッウェッ? 訊いちゃうの? ホントにホントに? ウォゥウォゥ?」
「マジでウゼェなコイツ」
思わず本音がポロリと出てしまったが、これは致し方ないものだろう。
「フェ? フェフェフェフェフェフォォォォォォォォォォォォ!」
「なんで急にバグった。キ〇ガイみたいになってますけど!?」
とうとうこうなったか……。
「あ、訊く? 訊くんだねウォゥウォゥ?」
「うるさい早く言え」
「まったく、そんなに言って欲しいなら早く言えばいいのに……♡ ツ・ン・デ・ルェェェェェ!」
思わず股間を思いっきり蹴ってやったが多分大丈夫だろう。変態だから。
まあ元々の壊れ具合に戻ってよかった。できればもっと直ってくれたらよかった。
「ま、マゾに目覚めりゅぅ……♡」
「えっ、目覚めてなかったの?」
「ちょっと酷ない?」
アンタの性癖のほうが酷いだろう。
「ていうか、さっきから家政婦の人が驚愕した表情でこちらを見てることに気がついた?」
「なんで先に言わないんですか」
私は恐る恐る扉の方に視線を動かす。
本当にいた。いたけどあれって……。
「ねぇ、あれ国王じゃないの?」
「ああ、昨日から家政婦ごっこしてるらしいから」
なんで一国の主が家政婦ごっこしてんのよ。いい歳で子どもいるでしょあなた。
「あれぇっ? ラミちゃん? 脱いでなくない?」
「誰が脱ぐか」
変態って何言っても通じないの……?
よくよく考えたら会うたびにそう思ってるわよね……?
「マ? 脱がないとかマ?」
「うるさいし略しすぎでしょ。もうちょっとマシな日本語使いなさいよ」
「えっ? 僕が使ってるの日本語以外に思えちゃったの? 嘘でしょ?」
もう公爵侯爵レベルから人材引っ張ってきた方が良いレベルじゃないの、コレ?
っていうか、何でヨーロッパ風な世界なのに日本語なのよ。製作陣おかしいでしょ。
「ドンペリ行っちゃう?」
「行かないわよ。王子が堂々と法律破ろうとしてんじゃないわよ」
「余の辞書に法律の文字はない」
「なら追加しなさい」
「するぅ!」
こっちの世界(前世)の名言パクってんじゃないわよ。というか、これって本当に後世にまで伝えれられるのかしら。
『余の辞書に法律の文字はない』カイル・シュバルツ・エンペラー(2003~)
いや、語り継いだらダメなヤツだコレ。このままではこの時代の我が国が『実は独裁国家だった』みたいな感じに思われてしまう。それはなんとかして避けねば。
「追加したからデートしよっ!」
「するかバカ王子」
「俺とデートしないとか‥…マジあり得ないからNA☆」
せっかくイケボで一枚絵あるところなのに……。残念ッ……!
「して?」
こ、断り辛い……!
「くれないと国家の偉い人に頼んでラミちゅわんの性癖を割り出したあと国内最大手である『王国情報新聞』に『レースフェルト公爵家のラミ・レースフェルト嬢、実は特殊性癖の持ち主』っていう見出しで8割くらいの国民に認知されるから」
「行きます」
コイツなら本当にしかねないのが一番怖いところである。隣国に移住しようかな。
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