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戦場
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翌日。
朝食を食べ、ろくな準備もないまま、私は荷物と一緒に戦場へ向かわされた。
国境まで約十日。それまでは野営をしながら進む。
野営なんて、私は経験がない。
それに、お風呂だって入れないし、着替えだってろくにない。
でも、それは当たり前……貴族だったから毎日お風呂に入れたし、着替えだってした。
クレッセント男爵家は、あまり裕福ではない。でも、リリアンヌがお父様にお願いし、毎日お風呂に入ったり、何度も着替えをしたりと、ぜいたく三昧だった。
私は、馬車の中で膝を抱えて丸くなっていた。
「このまま十日は、キツいわね……」
救援物資と一緒に運ばれる衛生兵は、私だけのようだ。
外を見ると、馬に乗った兵士さんたちが、荷物を守るように並走している。よく見ると、兵士さんの中には若い女性もいた。
「あんな若い女性が駆り出されてるなんて……」
ラグナ帝国の進行は、思った以上に深刻なのかもしれない。
今は国境での小競り合い程度だが、もしラスタリア王国が狙われたら……そう考えるだけで、私は身体が震えてしまう。
「……戦争」
そう、戦争。
おとぎ話や、噂話程度のことしか知らない。
でも、私が向かっているのは、戦地。
「…………こ、怖い」
国境沿いにある、医療施設。
そこで、私は怪我人の手当てをする。
医師の指示に従うだけだが……手に持つのは、命なのだ。
私の知識は本だけ。ちゃんとできるかな……。
「止まれ!! 今日はここで野営をする!! 各隊員、準備開始!!」
「「「「「はいっ!!」」」」」
若い兵士さんたちが、てきぱきと準備を始める。
テントを張り、かまどを準備し、大鍋を準備し……わ、私も何かした方がいいのかしら?
私は馬車から降り、近くにいた兵士さんに聞いた。
「あ、あの……私も、何か」
「いえ。衛生兵さんは休んでいてください。これらは新兵の仕事なので」
「で、でも」
「大丈夫。食事の時間になったら呼びますので。では」
そう言って、兵士さんは新兵さんたちに指示を出しに向かった。
「…………」
不思議な気分だった。
こんな風に、気を遣われることなんて初めてかもしれない。
あの兵士さんが、私を気遣ってくれた。それだけで心が温まった。
「……頑張ろう」
せめて、ここにいる人たちが怪我をしたら……できる限りの手当てはしたいな。
◇◇◇◇◇◇
十日後。
兵士さんたちにはそうでもないだろうけど……ずっと馬車の中にいた私にとって、かなりの苦痛だった。
ようやく到着したのは、修道院みたいな建物。
馬車から降りると、兵士さんたちが補給品のチェックを始める。
「えっと……あそこの修道院? に行けばいいのかな」
私は、荷物を持って修道院へ。
立派な造りの修道院だ。重そうな煉瓦がいくつも積み重なって建築されている。
修道院の奥へ進むと……ゾワリとした。
「なに、この匂い……」
血生臭い。
そして、生肉が焼けるような匂いもした。
ものすごく、嫌な予感がした。
「おい!! そこの、手ぇ貸せ!!」
「え、あ、え?」
「お前だ!! 怪我人の治療をする!!」
「は、はい!!」
いきなり背後から怒鳴られ、びくりとしてしまう。
振り返ると、そこには私と同じ服を着た男性がいた。違うのは白衣を着ているところ……たぶん、医師さんかな。
私は、荷物を通路の壁において、医師さんに付いて行く。
修道院の奥に進むと、ようやくわかった。
「うぁぁ~……」「い、いてぇ……」「助けてくれぇ……」
「あぁぁ……」「み、水……」「かあさ、ん……」
私は、どれだけ平和な世界にいたのだろう。
馬車で十日揺られた程度が地獄なら、ここは地獄以上の世界だ。
全身血濡れ、包帯まみれの人しかいない。それと、衛生兵と医師。
手足がない人もいる。
「おい!! こっちに手ぇ貸せ!!」
「…………」
「おい!! ああもう、新兵かよ!! おい!!」
「あうっ!?」
頬を張られ、ようやく覚醒した。
医師さんが、私の頬を張ったのだ。
「いいか!? お前が新兵だろうと何だろうと、お前がやることは一つ。怪我人の治療だ!! 勉強してきたんだろ? だったら、手ぇ動かせ!!」
「は……は、い」
私は、いつのまにか目に涙を浮かべていた。
頬を張られた痛み? それとも、叩かれた悲しみ? そんな感情が混ざりあい、涙が流れた。
周りを見る余裕なんてない。
「消毒液!! それと、包帯持ってこい!!」
「は、はい……あの、どこに」
「薬品庫だ!! ここ出てすぐ隣の部屋!! 急げ!!」
「は、はい!!」
私は走った。
今更だが、私と同じ衛生兵もたくさんいた。互いに、忙しくて挨拶どころじゃない。
これから数時間……私は、衛生兵としての仕事に追われた。
◇◇◇◇◇◇
怪我人の治療があらかた終わると、ようやく一息付けた。
へたり込む私に、ずっと怒鳴っていた医師さんが手を差し伸べる。
「衛生兵は、これから交代で負傷兵たちの看病だ。お前さんはここに来たばかりだな?」
「は、はい……」
「なら、まずは手を洗ってメシだ。付いてこい」
「……」
私は立ち上がり、医師さんの後に続く。
医師さんは、どうでもよさそうに言った。
「ああ、一応名乗っておく。ワシはエドガーだ」
「ら、ラプンツェルです」
「短い付き合いだが、よろしくな」
エドガーさんは、笑いもせず何の感情も込めない挨拶をした。
食堂に向かい、給仕のおばさんに「メシ、二つ」とだけ言う。すると、プレートが出てきた。
パンにスープ、炒め物にミルクだけの食事……わかっていたけど、質素ね。
私は、エドガーさんの真向かいに座る。
「アドバイスだ。喰える時に喰っとけ、んで、寝れるときに寝とけ。その生活を続けてれば、いずれ解放される」
「いずれ、とは……?」
「そりゃ、戦争が終わったあとさ」
「……終わるのですか?」
「いつかはな。まぁ……解放っつっても、家に帰れるってことじゃねぇが」
「……それは、どういう」
「おまえさん、貴族か? なら知らないのも当然だろう……この戦争、負けるぜ」
エドガーさんは、パンをかじる。
私は、スープに入れようとしていたスプーンの動きを止めた。
「……それは、どういうことですか?」
「そりゃ決まってんだろ。小国とはいえ二十以上の国を潰したラグナ帝国に、大国とはいえ大きな戦争をしていないラスタリア王国が勝てるわけねぇ。ラグナ帝国が小国を潰した理由は、先に小国を屈服させることで「我が国に下るならそれなりの待遇で迎える」とか言われてるからに決まってんだろ。現に、この国境に向かってくる兵士はラグナ帝国だけじゃねぇ、ラグナ帝国が屈服させた国の兵士も相当混じってる。ラグナ帝国は、本気で大陸統一をしようとしてる。覚悟もないまま、消耗戦しかできねぇラスタリア王国が勝てるわけねぇんだよ」
エドガーさんは、かなり饒舌だった。
きっと、思うところがあるのだろう。
「なら、その考えを軍上層部に伝えるなり……」
「一介の軍医であるワシが言ったところで一蹴されるだろうよ。それでもこの戦いから引かない理由は……貴族や王族のメンツだ。もう、引くに引けねぇのさ」
「そんな……」
「ははは。軍上層部や王族は、それでもこの戦いに勝てると思ってる。命賭けてるのは現場の兵士なのによ……今頃お偉いさんは、あったかい部屋で肉を齧りながらワインでも飲んでるんだろうさ」
「…………」
「それでも、ワシらは怪我人を治療しなきゃならねぇ。この戦いが終わるまでな」
「……はい」
私はここで、ようやくスープを掬い、口に運ぶ。
スープは、今まで食べた中で一番、薄い味がした。
朝食を食べ、ろくな準備もないまま、私は荷物と一緒に戦場へ向かわされた。
国境まで約十日。それまでは野営をしながら進む。
野営なんて、私は経験がない。
それに、お風呂だって入れないし、着替えだってろくにない。
でも、それは当たり前……貴族だったから毎日お風呂に入れたし、着替えだってした。
クレッセント男爵家は、あまり裕福ではない。でも、リリアンヌがお父様にお願いし、毎日お風呂に入ったり、何度も着替えをしたりと、ぜいたく三昧だった。
私は、馬車の中で膝を抱えて丸くなっていた。
「このまま十日は、キツいわね……」
救援物資と一緒に運ばれる衛生兵は、私だけのようだ。
外を見ると、馬に乗った兵士さんたちが、荷物を守るように並走している。よく見ると、兵士さんの中には若い女性もいた。
「あんな若い女性が駆り出されてるなんて……」
ラグナ帝国の進行は、思った以上に深刻なのかもしれない。
今は国境での小競り合い程度だが、もしラスタリア王国が狙われたら……そう考えるだけで、私は身体が震えてしまう。
「……戦争」
そう、戦争。
おとぎ話や、噂話程度のことしか知らない。
でも、私が向かっているのは、戦地。
「…………こ、怖い」
国境沿いにある、医療施設。
そこで、私は怪我人の手当てをする。
医師の指示に従うだけだが……手に持つのは、命なのだ。
私の知識は本だけ。ちゃんとできるかな……。
「止まれ!! 今日はここで野営をする!! 各隊員、準備開始!!」
「「「「「はいっ!!」」」」」
若い兵士さんたちが、てきぱきと準備を始める。
テントを張り、かまどを準備し、大鍋を準備し……わ、私も何かした方がいいのかしら?
私は馬車から降り、近くにいた兵士さんに聞いた。
「あ、あの……私も、何か」
「いえ。衛生兵さんは休んでいてください。これらは新兵の仕事なので」
「で、でも」
「大丈夫。食事の時間になったら呼びますので。では」
そう言って、兵士さんは新兵さんたちに指示を出しに向かった。
「…………」
不思議な気分だった。
こんな風に、気を遣われることなんて初めてかもしれない。
あの兵士さんが、私を気遣ってくれた。それだけで心が温まった。
「……頑張ろう」
せめて、ここにいる人たちが怪我をしたら……できる限りの手当てはしたいな。
◇◇◇◇◇◇
十日後。
兵士さんたちにはそうでもないだろうけど……ずっと馬車の中にいた私にとって、かなりの苦痛だった。
ようやく到着したのは、修道院みたいな建物。
馬車から降りると、兵士さんたちが補給品のチェックを始める。
「えっと……あそこの修道院? に行けばいいのかな」
私は、荷物を持って修道院へ。
立派な造りの修道院だ。重そうな煉瓦がいくつも積み重なって建築されている。
修道院の奥へ進むと……ゾワリとした。
「なに、この匂い……」
血生臭い。
そして、生肉が焼けるような匂いもした。
ものすごく、嫌な予感がした。
「おい!! そこの、手ぇ貸せ!!」
「え、あ、え?」
「お前だ!! 怪我人の治療をする!!」
「は、はい!!」
いきなり背後から怒鳴られ、びくりとしてしまう。
振り返ると、そこには私と同じ服を着た男性がいた。違うのは白衣を着ているところ……たぶん、医師さんかな。
私は、荷物を通路の壁において、医師さんに付いて行く。
修道院の奥に進むと、ようやくわかった。
「うぁぁ~……」「い、いてぇ……」「助けてくれぇ……」
「あぁぁ……」「み、水……」「かあさ、ん……」
私は、どれだけ平和な世界にいたのだろう。
馬車で十日揺られた程度が地獄なら、ここは地獄以上の世界だ。
全身血濡れ、包帯まみれの人しかいない。それと、衛生兵と医師。
手足がない人もいる。
「おい!! こっちに手ぇ貸せ!!」
「…………」
「おい!! ああもう、新兵かよ!! おい!!」
「あうっ!?」
頬を張られ、ようやく覚醒した。
医師さんが、私の頬を張ったのだ。
「いいか!? お前が新兵だろうと何だろうと、お前がやることは一つ。怪我人の治療だ!! 勉強してきたんだろ? だったら、手ぇ動かせ!!」
「は……は、い」
私は、いつのまにか目に涙を浮かべていた。
頬を張られた痛み? それとも、叩かれた悲しみ? そんな感情が混ざりあい、涙が流れた。
周りを見る余裕なんてない。
「消毒液!! それと、包帯持ってこい!!」
「は、はい……あの、どこに」
「薬品庫だ!! ここ出てすぐ隣の部屋!! 急げ!!」
「は、はい!!」
私は走った。
今更だが、私と同じ衛生兵もたくさんいた。互いに、忙しくて挨拶どころじゃない。
これから数時間……私は、衛生兵としての仕事に追われた。
◇◇◇◇◇◇
怪我人の治療があらかた終わると、ようやく一息付けた。
へたり込む私に、ずっと怒鳴っていた医師さんが手を差し伸べる。
「衛生兵は、これから交代で負傷兵たちの看病だ。お前さんはここに来たばかりだな?」
「は、はい……」
「なら、まずは手を洗ってメシだ。付いてこい」
「……」
私は立ち上がり、医師さんの後に続く。
医師さんは、どうでもよさそうに言った。
「ああ、一応名乗っておく。ワシはエドガーだ」
「ら、ラプンツェルです」
「短い付き合いだが、よろしくな」
エドガーさんは、笑いもせず何の感情も込めない挨拶をした。
食堂に向かい、給仕のおばさんに「メシ、二つ」とだけ言う。すると、プレートが出てきた。
パンにスープ、炒め物にミルクだけの食事……わかっていたけど、質素ね。
私は、エドガーさんの真向かいに座る。
「アドバイスだ。喰える時に喰っとけ、んで、寝れるときに寝とけ。その生活を続けてれば、いずれ解放される」
「いずれ、とは……?」
「そりゃ、戦争が終わったあとさ」
「……終わるのですか?」
「いつかはな。まぁ……解放っつっても、家に帰れるってことじゃねぇが」
「……それは、どういう」
「おまえさん、貴族か? なら知らないのも当然だろう……この戦争、負けるぜ」
エドガーさんは、パンをかじる。
私は、スープに入れようとしていたスプーンの動きを止めた。
「……それは、どういうことですか?」
「そりゃ決まってんだろ。小国とはいえ二十以上の国を潰したラグナ帝国に、大国とはいえ大きな戦争をしていないラスタリア王国が勝てるわけねぇ。ラグナ帝国が小国を潰した理由は、先に小国を屈服させることで「我が国に下るならそれなりの待遇で迎える」とか言われてるからに決まってんだろ。現に、この国境に向かってくる兵士はラグナ帝国だけじゃねぇ、ラグナ帝国が屈服させた国の兵士も相当混じってる。ラグナ帝国は、本気で大陸統一をしようとしてる。覚悟もないまま、消耗戦しかできねぇラスタリア王国が勝てるわけねぇんだよ」
エドガーさんは、かなり饒舌だった。
きっと、思うところがあるのだろう。
「なら、その考えを軍上層部に伝えるなり……」
「一介の軍医であるワシが言ったところで一蹴されるだろうよ。それでもこの戦いから引かない理由は……貴族や王族のメンツだ。もう、引くに引けねぇのさ」
「そんな……」
「ははは。軍上層部や王族は、それでもこの戦いに勝てると思ってる。命賭けてるのは現場の兵士なのによ……今頃お偉いさんは、あったかい部屋で肉を齧りながらワインでも飲んでるんだろうさ」
「…………」
「それでも、ワシらは怪我人を治療しなきゃならねぇ。この戦いが終わるまでな」
「……はい」
私はここで、ようやくスープを掬い、口に運ぶ。
スープは、今まで食べた中で一番、薄い味がした。
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