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動き出すササライ
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魔界。
忘却の魔王ササライが統治する国にある城、その玉座前に、七人の少年少女たちが跪いていた。
そして、玉座の裏にある扉が開き、一人の少年が鼻歌を歌いながら歩いてくる。
「ふんふんふ~ん♪」
ひどく機嫌がいい。
そのままくるっと回転し、玉座にドカッと座る。
脚を組み、大きく伸びをし───……手に持った、黄色の魔王宝珠を手で弄んでいた。
「全員、楽にしていいよ」
七人の部下たちは顔を上げる。
『炎魔剣イフリート』を振るう少女、ヴェスタは小さく息を吐く。堅苦しいのが苦手なこの魔族の少女は、跪いたまま足をモジモジさせた。
そして、ササライをチラッと見る。
「え……」
手にあるのは、黄色の魔王宝珠。
魔王宝珠とは? 魔族の王である四人の魔王が、核とは別に体内に持つ結晶。
それが、なぜササライの手に?
「ん? ああこれ? パレットアイズの魔王宝珠だよ」
七人はギョッとする。
魔王ササライが、魔王パレットアイズを、始末したということか。
「あ、殺してないよ。あの子、ボクの手番だってのに、七聖剣士を殺しに行こうとしてたからさ……ちょいとお仕置きしただけ。デスゲイズの存在も教えてあげたら真っ蒼になってさー」
「主……デスゲイズって?」
ヴェスタは首を傾げる。他の六人はヴェスタのように質問したり、態度には一切出さない。
ササライは「あ、そうだよねー」と気楽に言う。
「んー、今の魔族で彼女を知ってる子はいないかぁ。そうだなー……デスゲイズは最強の魔王だよ。四大魔王じゃなくて、五大魔王って呼ばれていたころの魔王さ」
「え……」
「いやぁ、ほんとに強かったよ。当時のボク、パレットアイズ、バビスチェ、トリステッツァが束になってかかっても、傷一つ付けられないくらいね。ま、封印されたけど……あーんっ」
ササライは、パレットアイズの魔王宝珠を飲み込んだ。
そして、ニヤリと笑い、指をパチンと鳴らす。
「うん、いい感じ……くくくっ、やぁ~っとッボクの目的を達することができそうだ。でも、まだ馴染むまで時間かかりそうだ。人間たちも準備が必要だし、もう少し待つかな」
「……主?」
「さて、ここに宣言しようかな」
ササライは指を鳴らすと、空中に四つの鏡が浮かび上がる。
それぞれ、森林、砂漠、雪原、そして大都市と映る……これは、四大魔王が統治している領地と、そこに住む魔族たちがいる地域だ。
「えー、魔界に住む全ての魔族たち。ボクは忘却の魔王ササライ……今、この時を持って、四大魔王は無くなり、このボクが魔界を統治する魔王となりました」
七人の部下たちがギョッとする。同時に、何人かは顔を喜びに染めた。
ササライは続ける。
「えー、知っての通り、トリステッツァとバビスチェは死んで、パレットアイズもたった今、ボクが殺しました。つまり……みんなの力を取り込んだボクが最強ってワケ。部下だった魔界貴族たち、今この時を持って、キミたちの爵位を剥奪する。同時に、ボクの元へ下るなら新たな爵位と領地を授けるよ。それまで……魔界は、ボクが管理する」
ササライは、左手の拳を握り、右手の平を拳に添えた。
「『魔王聖域』展開」
それは───……魔界全土を覆う、ササライの『聖域』だった。
ササライの領地、パレットアイズの領地、バビスチェの領地、トリステッツァの領地の中心に建つ、巨大なる十字杭。その杭から発せられる魔力が、魔界を覆い尽くした。
「『大魔境統治圏』……ふぅ、魔界全土を覆うの、けっこうキツイなぁ」
たった一人で、魔界全土を覆う《聖域》を展開しつつも、ササライは余裕だった。
ヴェスタは眼をキラキラさせる。
「主、すごい……!!」
「あはは、ありがとね」
「でもでも、主の《聖域》ってこんなのだったっけ?」
「ま、ボクの本来の『魔王聖域』じゃないよ。これは、この時のために開発してた『聖域』でね。魔族はボクの許可なしじゃ能力も、魔力も使えない。それと暴力もできない。魔王が三人もいなくなれば混乱は眼に見えてるからね。先手を打ったってわけ」
「おおー」
「とりあえず、一か月くらいは魔界の整理しなきゃね。七聖剣士たちも鍛えるだろうし、みんなの相手をするのはもう少し先」
「えー……」
「ごめんね。ちゃーんとみんなが楽しめるようにするからさ」
「むぅ」
「そうだなー……サスケ」
「はっ!!」
サスケと呼ばれ立ち上がったのは、濃い緑色の『ニンジャ装束』を来た十七歳ほどの少年だった。
マスクをしており口元が見えず、バンダナのように額宛てをしている。深緑色の瞳が、ササライをじっと見ていた。
「キミに偵察任務を与える。人間界に行って、七聖剣士の様子を見て来てよ。あー……一度だけ、一人だけなら戦いを許可する。もちろん、様子見でね」
「御意」
「……主、わたしは?」
「ヴェスタはボクの手伝いね」
「え~……」
「サスケ、セレネと協力して───……あれ、行っちゃったか」
サスケは、すでにいなかった。
◇◇◇◇◇
ズルズルと、ズタボロにされたパレットアイズが、地面を這っていた。
胸に大きな穴が空き、魔王宝珠が奪われた。
「さ、サラい……」
弱体化したパレットアイズと、トリステッツァとバビスチェの力を取り込んだササライ。戦うまでもなく、パレットアイズは敗北した。
ササライの狙いは、最初からコレだった。
いつか、人間が魔王を倒す……その時に、倒された魔王の力を吸収する。
「ゥ、ぅ……」
幸いなことに、核は無事。
だが、かなり弱体化した。公爵級程度まで弱くなり、傷の治療に全力を注いでいるため力が殆ど使えない。さらに、ササライが展開した『聖域』で、ササライは準備をしていたことを知る。
魔界の統治。そもそもササライは、魔王ですら味方と思っていなかったようだ。
だが───パレットアイズは、一つだけササライが気付いていないことを知っていた。
「…………記憶、戻ったわ」
かつて、核が損傷した時。
七聖剣士にやられたと偽りの記憶を埋め込まれたパレットアイズ。だが……その改ざんされた記憶が戻った。
「です、ゲイズ……」
もう、彼女しかいない。
パレットアイズは、記憶を改ざんされた時に残ったデスゲイズの僅かな魔力を導として、人間界のどこかにいる八咫烏を探すべく、魔界をあとにした。
忘却の魔王ササライが統治する国にある城、その玉座前に、七人の少年少女たちが跪いていた。
そして、玉座の裏にある扉が開き、一人の少年が鼻歌を歌いながら歩いてくる。
「ふんふんふ~ん♪」
ひどく機嫌がいい。
そのままくるっと回転し、玉座にドカッと座る。
脚を組み、大きく伸びをし───……手に持った、黄色の魔王宝珠を手で弄んでいた。
「全員、楽にしていいよ」
七人の部下たちは顔を上げる。
『炎魔剣イフリート』を振るう少女、ヴェスタは小さく息を吐く。堅苦しいのが苦手なこの魔族の少女は、跪いたまま足をモジモジさせた。
そして、ササライをチラッと見る。
「え……」
手にあるのは、黄色の魔王宝珠。
魔王宝珠とは? 魔族の王である四人の魔王が、核とは別に体内に持つ結晶。
それが、なぜササライの手に?
「ん? ああこれ? パレットアイズの魔王宝珠だよ」
七人はギョッとする。
魔王ササライが、魔王パレットアイズを、始末したということか。
「あ、殺してないよ。あの子、ボクの手番だってのに、七聖剣士を殺しに行こうとしてたからさ……ちょいとお仕置きしただけ。デスゲイズの存在も教えてあげたら真っ蒼になってさー」
「主……デスゲイズって?」
ヴェスタは首を傾げる。他の六人はヴェスタのように質問したり、態度には一切出さない。
ササライは「あ、そうだよねー」と気楽に言う。
「んー、今の魔族で彼女を知ってる子はいないかぁ。そうだなー……デスゲイズは最強の魔王だよ。四大魔王じゃなくて、五大魔王って呼ばれていたころの魔王さ」
「え……」
「いやぁ、ほんとに強かったよ。当時のボク、パレットアイズ、バビスチェ、トリステッツァが束になってかかっても、傷一つ付けられないくらいね。ま、封印されたけど……あーんっ」
ササライは、パレットアイズの魔王宝珠を飲み込んだ。
そして、ニヤリと笑い、指をパチンと鳴らす。
「うん、いい感じ……くくくっ、やぁ~っとッボクの目的を達することができそうだ。でも、まだ馴染むまで時間かかりそうだ。人間たちも準備が必要だし、もう少し待つかな」
「……主?」
「さて、ここに宣言しようかな」
ササライは指を鳴らすと、空中に四つの鏡が浮かび上がる。
それぞれ、森林、砂漠、雪原、そして大都市と映る……これは、四大魔王が統治している領地と、そこに住む魔族たちがいる地域だ。
「えー、魔界に住む全ての魔族たち。ボクは忘却の魔王ササライ……今、この時を持って、四大魔王は無くなり、このボクが魔界を統治する魔王となりました」
七人の部下たちがギョッとする。同時に、何人かは顔を喜びに染めた。
ササライは続ける。
「えー、知っての通り、トリステッツァとバビスチェは死んで、パレットアイズもたった今、ボクが殺しました。つまり……みんなの力を取り込んだボクが最強ってワケ。部下だった魔界貴族たち、今この時を持って、キミたちの爵位を剥奪する。同時に、ボクの元へ下るなら新たな爵位と領地を授けるよ。それまで……魔界は、ボクが管理する」
ササライは、左手の拳を握り、右手の平を拳に添えた。
「『魔王聖域』展開」
それは───……魔界全土を覆う、ササライの『聖域』だった。
ササライの領地、パレットアイズの領地、バビスチェの領地、トリステッツァの領地の中心に建つ、巨大なる十字杭。その杭から発せられる魔力が、魔界を覆い尽くした。
「『大魔境統治圏』……ふぅ、魔界全土を覆うの、けっこうキツイなぁ」
たった一人で、魔界全土を覆う《聖域》を展開しつつも、ササライは余裕だった。
ヴェスタは眼をキラキラさせる。
「主、すごい……!!」
「あはは、ありがとね」
「でもでも、主の《聖域》ってこんなのだったっけ?」
「ま、ボクの本来の『魔王聖域』じゃないよ。これは、この時のために開発してた『聖域』でね。魔族はボクの許可なしじゃ能力も、魔力も使えない。それと暴力もできない。魔王が三人もいなくなれば混乱は眼に見えてるからね。先手を打ったってわけ」
「おおー」
「とりあえず、一か月くらいは魔界の整理しなきゃね。七聖剣士たちも鍛えるだろうし、みんなの相手をするのはもう少し先」
「えー……」
「ごめんね。ちゃーんとみんなが楽しめるようにするからさ」
「むぅ」
「そうだなー……サスケ」
「はっ!!」
サスケと呼ばれ立ち上がったのは、濃い緑色の『ニンジャ装束』を来た十七歳ほどの少年だった。
マスクをしており口元が見えず、バンダナのように額宛てをしている。深緑色の瞳が、ササライをじっと見ていた。
「キミに偵察任務を与える。人間界に行って、七聖剣士の様子を見て来てよ。あー……一度だけ、一人だけなら戦いを許可する。もちろん、様子見でね」
「御意」
「……主、わたしは?」
「ヴェスタはボクの手伝いね」
「え~……」
「サスケ、セレネと協力して───……あれ、行っちゃったか」
サスケは、すでにいなかった。
◇◇◇◇◇
ズルズルと、ズタボロにされたパレットアイズが、地面を這っていた。
胸に大きな穴が空き、魔王宝珠が奪われた。
「さ、サラい……」
弱体化したパレットアイズと、トリステッツァとバビスチェの力を取り込んだササライ。戦うまでもなく、パレットアイズは敗北した。
ササライの狙いは、最初からコレだった。
いつか、人間が魔王を倒す……その時に、倒された魔王の力を吸収する。
「ゥ、ぅ……」
幸いなことに、核は無事。
だが、かなり弱体化した。公爵級程度まで弱くなり、傷の治療に全力を注いでいるため力が殆ど使えない。さらに、ササライが展開した『聖域』で、ササライは準備をしていたことを知る。
魔界の統治。そもそもササライは、魔王ですら味方と思っていなかったようだ。
だが───パレットアイズは、一つだけササライが気付いていないことを知っていた。
「…………記憶、戻ったわ」
かつて、核が損傷した時。
七聖剣士にやられたと偽りの記憶を埋め込まれたパレットアイズ。だが……その改ざんされた記憶が戻った。
「です、ゲイズ……」
もう、彼女しかいない。
パレットアイズは、記憶を改ざんされた時に残ったデスゲイズの僅かな魔力を導として、人間界のどこかにいる八咫烏を探すべく、魔界をあとにした。
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