104 / 227
涙が奏でる哀歌・嘆きの魔王トリステッツァ②/リベンジ
しおりを挟む
八咫烏が部屋を出て数分……スヴァルトは、ユノの家を出た。
それを追い、ロセも家を出る。
「どうするの?」
「殺す」
シンプルすぎる返答だった。
もちろん、殺すのは魔王と、疫病のネルガル。
顔に思いっきり出ている。スヴァルトは、親しくもない、挨拶したばかりの『氷聖剣』の使い手が泣いているのを見て、本気で頭にきている。
ぶっきらぼうだが優しい。そんなスヴァルトがロセは好きだった。
「まずは、この疫病を収束させましょう。ワクチンサンプルはもう四つ集まっているし、残りは一つ。魔界貴族公爵『疫病』のネルガル……彼女を倒す」
「ああ。行くぞ」
「ええ。って……サリオスくんたちは?」
「泣き虫の『氷聖剣』置いて行くわけにいかねーだろ。オレとお前でブチ殺しに行く」
「わ、私と二人で?」
「なんだ、自信ねぇのか? 妙な期待してんなら全部終わってからにしな。ベッドの空きくらいオレが用意してやるからよ」
「ば、馬鹿なこと言わないで!! まったくもう……」
「へっ」
スヴァルトは歩きだす。
ロセも、後に続く。
すると、ユノの家からサリオスが飛び出してきた。
「先輩!! オレも行きます」
「おめーは『氷聖剣』の傍にいな」
「で、でも」
「サリオスくん。ユノちゃんを、エレノアちゃんを守ってあげて」
「……っ、オレは」
「?」
サリオスは、ロセをジッと見る。
ロセは首を傾げた。縋るような、名を呼んで欲しいような、そんな目をしている。
だが、ロセは言った。
「サリオスくん。前を向いて歩くだけじゃダメ。泣いている女の子を置いて行くのは、もっとダメよ?」
「───っ、オレは……」
「サリオスくん。おねがい」
「…………っ」
サリオスは、小さく頷いた。
ロセは微笑み、スヴァルトの隣に並んで歩きだす。
二人が見えなくなり、サリオスはポツリと呟いた。
「オレは……あなたを、守りたいんです……ロセ先輩」
初恋の苦しさに胸を押さえ、好きな人の信頼に応えるためにサリオスは家の中に戻った。
◇◇◇◇◇
「…………エレノア、ありがと」
「ユノ……」
ユノはようやく泣き止み、目元をこする。
すると、サリオスが部屋に入ってきた。手にはスコップを持っている。
「……埋葬、してやろう」
「……うん。ありがと、サリオス」
「あたしも手伝う」
三人で協力し、家の隣に穴を掘ってベアルドを埋葬。
エレノアは、近くの岩場から大きな墓石代わりの岩石を担いで運び、サリオスが聖剣で形を整え、ユノが墓石に文字を掘った。
お供えに、家にあった酒瓶を置いた。
「ごめんね、お花……今度、持ってくる」
ユノは墓石を撫で、再び涙を流す。
今度は泣き叫ばず、目を閉じて静かに涙を流していた。
エレノア、サリオスは無言。右手を胸に当て、故人を送る黙祷を捧げる。
「……二人とも、ありがと」
「……ユノ、無理をするな。オレとエレノアは行くけど、お前はここに」
「やだ。いつまでも泣いてたら、おとうさんに怒られる。わたしは、『氷聖剣』の使い手だから……この国を守るために、戦う」
フリズスキャルヴを抜き、掲げる。
エレノアもフェニキアを掲げ、サリオスもサザーランドを掲げた。
「ベアルド殿に誓う。必ず、レイピアーゼ王国を守り抜くと」
「あたしも誓う……ユノと一緒に、最後まで戦う」
「わたしも、誓う……おとうさんに恥じない娘として、戦い抜くことを」
三人は剣を合わせた。
同い年、同期の三人の誓いが、ベアルドの墓前で交わされた。
剣をしまい、サリオスは言う。
「ロセ先輩たちは、まずこの疫病騒ぎを収束させるみたいだ」
「じゃあ、狙いは……最後のワクチンサンプルね!」
「公爵?」
「ああ。スヴァルト先輩は気配探知に優れている。きっと、公爵級を───「危ない!!」
エレノアが聖剣を抜き、飛んできた何かを叩き落した。
それは、透き通った骨。
サリオスめがけて飛んできたのは、鳥の骨格標本だった。
「び、ビックリした……え、エレノア、ありがとう」
「お礼は後で。見て……おでましよ」
森から現れたのは、透き通った骨の軍団。
ヒト、犬、猫、クマ、虎、ウサギ、鷹、ワシ……動物の骨格標本だ。
骨は白くない。透き通った水色の骨。
それが、まるで生きているかのように動き、エレノアたちの前に立ちはだかる。
『流す涙のない骨人』が、エレノアたちに向かって来た。
「悪いけど、マジでイラついてるから」
エレノアがバーナーブレードを展開。
「構っている暇はない!!」
サリオスが双剣を構える。
「…………」
ユノは無言で鞭剣を展開。
向かってくる『流す涙のない骨人』を相手に、戦いが始まった。
◇◇◇◇◇
破裂音が、何度も響き渡る。
ロイの手にある『怒りの散弾銃』から放たれる『散弾』が、向かって来る『流す涙のない骨人』をまとめて吹き飛ばしていた。
『オォォォォォォォ───……』
「邪魔」
骨だけなので声が出ないのか、巨大なゾウ魔獣の骨格標本が、骨を鳴らして向かってくる。
「大罪権能『憤怒』装填」
ロイの右手に、銃弾が現れた。
現れたのは、大口径の散弾。
「『怒りの短弾』」
それを、ショットガンに込めてスライドを引き、ゾウの骨めがけて引金を引く。
両手で構えたショットガンから放たれた短発の弾丸がゾウを貫通し、粉々に砕いた。
『素晴らしい……!! まさか、これほどの威力とは。これなら、ネルガルの核も撃ちぬけるかもしれんぞ』
「かもしれん、じゃない……ブチ抜くんだよ」
スライドを弾くと、薬莢が排出される。
落ちた薬莢は、粒子となって消えた。
ロイは、上空を飛びまわる鷹を見る。
万象眼で視界を共有し、数キロ後ろにスヴァルト、ロセを確認……そして。
「───……!!」
『む、どうした?』
「いる……ロセ先輩たちの後ろに、ネルガルが!!」
『何!?』
スヴァルトたちの真後ろに、ネルガルがいた。
二人は気付いていない。
「……クソっ!! 先輩たち、気付け!!」
二人は気付いていない。
ロセ、スヴァルトの二人に、魔界貴族公爵『疫病』のネルガルが迫っていた。
それを追い、ロセも家を出る。
「どうするの?」
「殺す」
シンプルすぎる返答だった。
もちろん、殺すのは魔王と、疫病のネルガル。
顔に思いっきり出ている。スヴァルトは、親しくもない、挨拶したばかりの『氷聖剣』の使い手が泣いているのを見て、本気で頭にきている。
ぶっきらぼうだが優しい。そんなスヴァルトがロセは好きだった。
「まずは、この疫病を収束させましょう。ワクチンサンプルはもう四つ集まっているし、残りは一つ。魔界貴族公爵『疫病』のネルガル……彼女を倒す」
「ああ。行くぞ」
「ええ。って……サリオスくんたちは?」
「泣き虫の『氷聖剣』置いて行くわけにいかねーだろ。オレとお前でブチ殺しに行く」
「わ、私と二人で?」
「なんだ、自信ねぇのか? 妙な期待してんなら全部終わってからにしな。ベッドの空きくらいオレが用意してやるからよ」
「ば、馬鹿なこと言わないで!! まったくもう……」
「へっ」
スヴァルトは歩きだす。
ロセも、後に続く。
すると、ユノの家からサリオスが飛び出してきた。
「先輩!! オレも行きます」
「おめーは『氷聖剣』の傍にいな」
「で、でも」
「サリオスくん。ユノちゃんを、エレノアちゃんを守ってあげて」
「……っ、オレは」
「?」
サリオスは、ロセをジッと見る。
ロセは首を傾げた。縋るような、名を呼んで欲しいような、そんな目をしている。
だが、ロセは言った。
「サリオスくん。前を向いて歩くだけじゃダメ。泣いている女の子を置いて行くのは、もっとダメよ?」
「───っ、オレは……」
「サリオスくん。おねがい」
「…………っ」
サリオスは、小さく頷いた。
ロセは微笑み、スヴァルトの隣に並んで歩きだす。
二人が見えなくなり、サリオスはポツリと呟いた。
「オレは……あなたを、守りたいんです……ロセ先輩」
初恋の苦しさに胸を押さえ、好きな人の信頼に応えるためにサリオスは家の中に戻った。
◇◇◇◇◇
「…………エレノア、ありがと」
「ユノ……」
ユノはようやく泣き止み、目元をこする。
すると、サリオスが部屋に入ってきた。手にはスコップを持っている。
「……埋葬、してやろう」
「……うん。ありがと、サリオス」
「あたしも手伝う」
三人で協力し、家の隣に穴を掘ってベアルドを埋葬。
エレノアは、近くの岩場から大きな墓石代わりの岩石を担いで運び、サリオスが聖剣で形を整え、ユノが墓石に文字を掘った。
お供えに、家にあった酒瓶を置いた。
「ごめんね、お花……今度、持ってくる」
ユノは墓石を撫で、再び涙を流す。
今度は泣き叫ばず、目を閉じて静かに涙を流していた。
エレノア、サリオスは無言。右手を胸に当て、故人を送る黙祷を捧げる。
「……二人とも、ありがと」
「……ユノ、無理をするな。オレとエレノアは行くけど、お前はここに」
「やだ。いつまでも泣いてたら、おとうさんに怒られる。わたしは、『氷聖剣』の使い手だから……この国を守るために、戦う」
フリズスキャルヴを抜き、掲げる。
エレノアもフェニキアを掲げ、サリオスもサザーランドを掲げた。
「ベアルド殿に誓う。必ず、レイピアーゼ王国を守り抜くと」
「あたしも誓う……ユノと一緒に、最後まで戦う」
「わたしも、誓う……おとうさんに恥じない娘として、戦い抜くことを」
三人は剣を合わせた。
同い年、同期の三人の誓いが、ベアルドの墓前で交わされた。
剣をしまい、サリオスは言う。
「ロセ先輩たちは、まずこの疫病騒ぎを収束させるみたいだ」
「じゃあ、狙いは……最後のワクチンサンプルね!」
「公爵?」
「ああ。スヴァルト先輩は気配探知に優れている。きっと、公爵級を───「危ない!!」
エレノアが聖剣を抜き、飛んできた何かを叩き落した。
それは、透き通った骨。
サリオスめがけて飛んできたのは、鳥の骨格標本だった。
「び、ビックリした……え、エレノア、ありがとう」
「お礼は後で。見て……おでましよ」
森から現れたのは、透き通った骨の軍団。
ヒト、犬、猫、クマ、虎、ウサギ、鷹、ワシ……動物の骨格標本だ。
骨は白くない。透き通った水色の骨。
それが、まるで生きているかのように動き、エレノアたちの前に立ちはだかる。
『流す涙のない骨人』が、エレノアたちに向かって来た。
「悪いけど、マジでイラついてるから」
エレノアがバーナーブレードを展開。
「構っている暇はない!!」
サリオスが双剣を構える。
「…………」
ユノは無言で鞭剣を展開。
向かってくる『流す涙のない骨人』を相手に、戦いが始まった。
◇◇◇◇◇
破裂音が、何度も響き渡る。
ロイの手にある『怒りの散弾銃』から放たれる『散弾』が、向かって来る『流す涙のない骨人』をまとめて吹き飛ばしていた。
『オォォォォォォォ───……』
「邪魔」
骨だけなので声が出ないのか、巨大なゾウ魔獣の骨格標本が、骨を鳴らして向かってくる。
「大罪権能『憤怒』装填」
ロイの右手に、銃弾が現れた。
現れたのは、大口径の散弾。
「『怒りの短弾』」
それを、ショットガンに込めてスライドを引き、ゾウの骨めがけて引金を引く。
両手で構えたショットガンから放たれた短発の弾丸がゾウを貫通し、粉々に砕いた。
『素晴らしい……!! まさか、これほどの威力とは。これなら、ネルガルの核も撃ちぬけるかもしれんぞ』
「かもしれん、じゃない……ブチ抜くんだよ」
スライドを弾くと、薬莢が排出される。
落ちた薬莢は、粒子となって消えた。
ロイは、上空を飛びまわる鷹を見る。
万象眼で視界を共有し、数キロ後ろにスヴァルト、ロセを確認……そして。
「───……!!」
『む、どうした?』
「いる……ロセ先輩たちの後ろに、ネルガルが!!」
『何!?』
スヴァルトたちの真後ろに、ネルガルがいた。
二人は気付いていない。
「……クソっ!! 先輩たち、気付け!!」
二人は気付いていない。
ロセ、スヴァルトの二人に、魔界貴族公爵『疫病』のネルガルが迫っていた。
10
お気に入りに追加
382
あなたにおすすめの小説
Look like? オークそっくりだと言われる少女は女神の生まれ変わりだった
優陽 yûhi
ファンタジー
頭脳明晰、剣を持てば、学園はじまって以来の天才。
しかし魔法が使えずオークそっくりと言われる容姿で、周りから疎まれ、居ない者扱いされている少女エルフィナ。
しかしその容姿は悪神の呪いで、本当は醜いどころか王国中探しても、肩を並べる者がいない位、美しい少女だった。
魔法が使えないはずのエルフィナが妹の危機に無意識で放つ規格外の魔法。
エルフィナの前世は女神だった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる