上 下
89 / 142
第四章 炎砂の国アシャ

迷子のレクス

しおりを挟む
「参ったな……」

 俺は一人、バザールをウロウロしていた。
 シャクラ、エルサとはぐれてしまった。
 周りを見るが、人、人、人……商人はもちろん、大地の民、アシャワンっぽい集団、子供の集団もいれば家族連れ、そして観光客も多い。
 迷子になったらその場を動くな……って言葉があった気がしたが、その言葉を思い出した時、すでにかなり動いたあと。というか、人混みがすごくて動くなってのが無理。
 俺はなんとか人込みから出た。いつの間にか、ピラミッドが遠くに見える。

「まずいな。かなり離れちまった……よし、このさい」

 俺は周囲を見回し、あえてバザール……いや、この『シャハラ墓地』から離れる。
 距離を取り、人が少なくなったところで、ムサシを召喚した。

「ムサシ、風属性シューマッハで羽翼形態。エルサたちとはぐれちまった……上空から探してみよう」
『きゅいい~!!』
「もしかしたら、飛んでるお前の姿を見て、合図をくれるかも」

 現在地は、ピラミッドとバザールから離れたところ。
 往来もまばらだし、近くに小さなオアシスがあった。馬車っぽいのが止まっているし、休憩所なのかも。
 ムサシに命令し、風属性の羽翼形態へ変身した時だった。

「ん? おい貴様、その魔獣……お前の獣魔か?」
「げっ」

 オアシスの傍にいた兵士っぽい人が俺の方へ。
 やばいな。面倒ごとになるか? 
 でも、ムサシは小さいし姿は見られていない。俺の紋章から直接召喚したように見えるはずだし、それならただの『獣魔士』にしか見えないはず。
 兵士は、羽翼形態のムサシをジロジロ見る。

「ほう、ワイバーンか……立派なものだ」
『ぎゅるるる!!』

 ムサシが鳴く。
 「誰がワイバーンだこの野郎!!』と叫んでいるような気がしたのは気のせいじゃない。
 兵士はやや驚きつつ言う。

「まあいい。お前、仕事しないか?」
「仕事?」
「ああ。あちらにいる、貴族のお嬢様の護衛だ」

 よく見ると、オアシスに少女がいた。
 水に素足を付け涼んでいるが、どうも不機嫌なのかムスッとしている。
 ツインテールがよく揺れているのが見える。
 兵士さんは言う。

「リューグベルン帝国から遥々来たんだが、仕事がどうもうまく進んでなくてなあ……急用とかで婚約者は逃げるように帰っちまうし、一緒に来た竜滅士もみんな帰っちまった。今いるのは現地で雇ったアシャワンの護衛数人と、リューグベルン帝国から来たオレだけってわけよ」
「そ、そりゃ災難……」
「あんた、ナリを見るに観光か、冒険者だろ? あのお嬢さん、貴族だし金払いはいいぞ。どうだ?」
「あー……」

 エルサやシャクラがいれば、相談して決めるんだが。
 俺だけ受けるわけにもいかん。というか……俺、迷子なんだよな。
 
「ま、あのお嬢さんの話相手になるだけでもいい。オレみたいなオッサンと、無口で無愛想なアシャワンだけじゃ、お嬢さんも参っちまう。まだ行く村が三つもあるし、アシャ王国にも行かなきゃならんしな」
「えーと……」

 断り辛いな……でも、ちょっと気になった。
 あのムスッとした少女、どこかで見た記憶がある。

「ま、話すだけでも。な?」
「わ、わかりました……俺も用事あるんで、気分転換に話すくらいなら」

 押しに弱い俺……ムサシもジト目で見ながら、一度俺の紋章に戻るのだった。

 ◇◇◇◇◇◇

「……なにあなた。何か用?」

 近付くなり、睨まれました!!
 オアシスにあるちょうどいいサイズの岩に座り、足を浸している。
 この世界、一般的に貴族令嬢は素足を見せるのはご法度なのだが……この少女、膝上まで素足を見せ、パチャパチャと水を蹴っていた。
 早くも「関わらなきゃよかったかも」と思う俺だが、とりあえず仕事は果たす。

「えーと、きみの護衛をやらないかって頼まれてな。ちょっと用事あるから無理だけど、気分転換にきみの話聞くくらいならできると思って」
「はあ? あんた、この私が誰だか知らないの? ただの冒険者が話できるような身分とでも?」
「まあ、そうだよな……悪かった」

 依頼完了。
 さて、エルサたちを探すか。

「……婚約者と喧嘩したのよ」
「結局話すのかよ!?」

 しまった。思わず本気でツッコんでしまった。
 少女がギロッと睨むので口を閉じる。

「毎日毎日退屈なのよ。欲しかったものを手に入れたけど、それが思った以上につまらないもので、今じゃ後悔しっぱなし……」
「……後悔?」
「ええ。今思えば、なんであんなことしちゃったのかな……自分で選んだことだけど、もう馬鹿みたい」
「……何をしたんだ?」
「馬鹿なことよ。本当に……後悔しても意味のない、馬鹿なこと。過去に戻れるなら、馬鹿だった私を思いっきりブン殴ってやりたいわ」

 過激だな……いいとこのお嬢様なんだろうけど『ブン殴る』なんて言うとは思わなかった。
 少女は汗を拭うと、思い切りため息を吐く。

「あんた、冒険者なのよね? どこから来たの?」
「お前と同じ、リューグベルン帝国だ」
「ええ? どういうルートでここまで来たの?」
「クシャスラ王国、ハルワタート王国、アールマティ王国を観光しながら来たんだ。世界を見て回る旅をしてるんだ」
「……いいなあ。ね、話を聞かせてよ。どうせラキューダ馬車出るまでヒマだし」
「いいぞ。何が聞きたい?」
「あのさ、ハルワタート王国って海の国なんだよね?」
「ああ。すごかったぞ……」

 俺は、少女がキラキラした目をしながらウンウン頷くので、話すのが楽しかった。
 
 ◇◇◇◇◇◇

 三十分ほど話をしていると、兵士さんが来た。

「休憩は終わりです。そろそろ、次の村に行きませんと」
「え、もう? ……わかった」

 少女は立ち上がる。
 俺も立ち上がり、少女をジッと見た。
 ……やっぱり、どこかで見たことある。というか……この既視感。

「なに? あなた、私に惚れたの? 悪いけど、冒険者と恋なんてしないからね」
「そりゃどうも。なあ、お前……」

 確認しようと声をかけた時だった。

「──……ドルグワント!!」

 近くにいたアシャワンの戦士が叫び、近くの藪から人間が飛び出してきた。
 
「アシャワン!! 森の贄となれ!!」
「「「「贄となれ!!」」」」」

 こっわ、贄となれって……って、そんな場合じゃない。
 アシャワンたちが骨の剣を抜いて戦闘態勢に。ドルグワントは石の槍や木の弓を手に襲い掛かってくる。あっちは木や石で作った装備がメインで、アシャワンは骨……鉄の装備はないみたいだ。
 兵士さんは、剣を抜いて少女に叫ぶ。

「お嬢様、馬車へ!! 冒険者、今だけ守ってやってくれ!!」
「あ、ああ!!」

 俺は少女の手を掴み、水を飲んで一休みしているラキューダ馬車へ。
 少女は怯えていた。俺は少女を馬車に押し込み──……見た。

「──……やべえ!!」

 ドルグワントが、こちらに弓を向けていた。
 俺は双剣を抜き、飛んで来る矢を弾き落とす。
 だが、一本の矢がラキューダの足に刺さる。

『ブギィィィィ!!』
「しまっ」

 驚いてラキューダが跳ねあがり、なんと全力で走り出した。
 俺は瞬間的に馬車に飛び乗り、御者席へ。

「おい止まれ!! 落ち着け、どうどう、どうどう!!」
『ギィィィィィ!!』

 この馬車、高級仕様なのかラキューダが三匹も繋がれている。
 一頭のラキューダが痛みで驚き走り出し、他の二頭も釣られて走り出した感じだ。
 
「ってか……は、速すぎだろ!?」

 砂漠、砂地なのに時速六十、七十キロ以上出ている気がした。
 あっという間に遠ざかっていくピラミッド。やばい、マジでヤバいぞ。
 すると──……ラキューダは、近くの森に突っ込み、大木に激突しながら走る。

「きゃああああああああ!!」
「くっ……!!」

 俺は手綱を握って操作する……ってか、御者なんてやったことねえ!!
 荷車の屋根が吹っ飛び、俺はもう決めた。
 手綱を離し、屋根の吹っ飛んだ荷車へ。少女が怯えて蹲っているのを見て、少女を抱き寄せる。

「へ!? あんた、何を──……」
「掴まってろ!!」

 目の前にあるのは大木。
 激突する前に、俺は思い切り飛んだ。
 同時に、馬車が砕け散り、ラキューダたちも手綱から解放され、一目散に逃げる。
 俺と少女は華麗に着地──……。

「「え」」

 するかと思ったが。
 なんと、飛んだ先にあったのは、横幅がめちゃくちゃ広い『川』だった。
 ドボンと水にダイブし、そのまま流される。

「うっぶぉぉぉ!? なな、なんで、こんな、かわ」
「がぼぼぼ!?」

 やばい、少女が溺れそうだ。
 そして、ようやく俺は思い出した。

「──……ムサシ!! 水属性アニマ、陸走形態!!」

 紋章から飛び出したムサシが『シャチ』となり、俺と少女を乗せて激流を逆らって泳ぎ……なんとか、川の対岸にやってきた。
 川から上がり、ムサシは手乗りサイズへ。
 俺と少女はずぶ濡れになり、なんとか陸へ。
 へとへとになりながら、その場に倒れ込んだ。

「ぶは……ぁ、な、何がどう、なってんだ」
「こ、ここ……なに?」

 そして気付いた。
 周りは森。そして、目の前にあるのは横幅がかなりある川。
 やけに蒸す……まるでジャングルだ。
 ジャングル? まて、砂漠から森って、まさか。

「……まさかここ、ドルグワントの縄張りじゃないだろうな」
「……うそ」

 少女と顔を見合わせ、顔を青くする俺たち二人。
 俺は周囲を警戒するが、何も感じない。
 すると、ムサシが少女の胸に飛び込んだ。

『きゅるる~』
「きゃあ!? なな、なにこの子」
「命の恩人」
「はあ?」
「とにかく、えっと……そういや、お前の名前は? 俺はレクス、冒険者だ。そっちはムサシで俺の相棒」

 今更だが、少女の名前を聞いた。
 少女はムサシを追い払いながら、嫌々言う。

「フリーナ。フリーナ・セレコックス。リューグベルン帝国、セレコックス伯爵家の『聖女』様よ!! 覚えておきなさい、冒険者!!」
「……せ、セレコックス?」
「なによ。文句ある?」

 セレコックス。
 セレコックス伯爵家。
 うそだろ。まさかこの子……せ、セレコックス伯爵家の『聖女』?
 つまり、エルサの妹。

『妹と婚約者、二人で共謀し……私に無実の罪を着せて、婚約破棄に追い込み……勘当されました』

 俺の眼の前にいたのは、エルサを嵌めて婚約破棄に追い込み、家を追放されることになった元凶だった。
 マジか……もう、展開に追いつけないんだが。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

いらないと言ったのはあなたの方なのに

水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。 セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。 エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。 ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。 しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。 ◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬 ◇いいね、エールありがとうございます!

よくある婚約破棄なので

おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。 その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。 言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。 「よくある婚約破棄なので」 ・すれ違う二人をめぐる短い話 ・前編は各自の証言になります ・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド ・全25話完結

異世界転移!?~俺だけかと思ったら廃村寸前の俺の田舎の村ごとだったやつ

真義あさひ
ファンタジー
俺、会社員の御米田ユウキは、ライバルに社内コンペの優勝も彼女も奪われ人生に絶望した。 夕焼けの歩道橋の上から道路に飛び降りかけたとき、田舎のばあちゃんからスマホに電話が入る。 「ユキちゃん? たまには帰(けぇ)ってこい?」 久しぶりに聞いたばあちゃんの優しい声に泣きそうになった。思えばもう何年田舎に帰ってなかったか…… それから会社を辞めて田舎の村役場のバイトになった。給料は安いが空気は良いし野菜も米も美味いし温泉もある。そもそも限界集落で無駄使いできる場所も遊ぶ場所もなく住人はご老人ばかり。 「あとは嫁さんさえ見つかればなあ~ここじゃ無理かなあ~」 村営温泉に入って退勤しようとしたとき、ひなびた村を光の魔法陣が包み込み、村はまるごと異世界へと転移した―― 🍙🍙🍙🍙🍙🌾♨️🐟 ラノベ好きもラノベを知らないご年配の方々でも楽しめる異世界ものを考えて……なぜ……こうなった……みたいなお話。 ※この物語はフィクションです。特に村関係にモデルは一切ありません ※他サイトでも併載中

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

溺愛?何それ美味しいの?と婚約者に聞いたところ、食べに連れて行ってもらえることになりました

廻り
恋愛
勉強にしか興味がない男爵令嬢は、『溺愛』がどのような食べ物か気になるらしい。

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ
ファンタジー
辺境伯爵家の次男シオンは八歳の頃から伯爵令嬢のサンドラと婚約していた。 我儘で少し夢見がちのサンドラは隣国の皇太子殿下に憧れていた。 その為事あるごとに… 「ライルハルト様だったらもっと美しいのに」 「どうして貴方はライルハルト様じゃないの」 隣国の皇太子殿下と比べて罵倒した。 そんな中隣国からライルハルトが留学に来たことで関係は悪化した。 そして社交界では二人が恋仲で悲恋だと噂をされ爪はじきに合うシオンは二人を思って身を引き、騎士団を辞めて国を出ようとするが王命により病弱な第二王女殿下の婚約を望まれる。 生まれつき体が弱く他国に嫁ぐこともできないハズレ姫と呼ばれるリディア王女を献身的に支え続ける中王はシオンを婿養子に望む。 一方サンドラは皇太子殿下に近づくも既に婚約者がいる事に気づき、シオンと復縁を望むのだが… HOT一位となりました! 皆様ありがとうございます!

婚約破棄はまだですか?─豊穣をもたらす伝説の公爵令嬢に転生したけど、王太子がなかなか婚約破棄してこない

nanahi
恋愛
火事のあと、私は王太子の婚約者:シンシア・ウォーレンに転生した。王国に豊穣をもたらすという伝説の黒髪黒眼の公爵令嬢だ。王太子は婚約者の私がいながら、男爵令嬢ケリーを愛していた。「王太子から婚約破棄されるパターンね」…私はつらい前世から解放された喜びから、破棄を進んで受け入れようと自由に振る舞っていた。ところが王太子はなかなか破棄を告げてこなくて…?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。