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第三章 地歴の国アールマティ
悠久の岩、怒り
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タローマティ戦から三日が経過した。
タローマティの消滅により、アールマティ王国を覆い尽くしかけたスライムは消滅。
若き『真星退魔士』の活躍により脅威は去ったと王国内で噂になり、愛沙やリーンベルの人気が上昇……今回の件で玄徳も、正式な『真星退魔士』の一員として迎え入れられたとか。
タローマティは、ヘレイアの研究所から逃げ出した実験生物……ということにはならなかった。
証拠がないし、そもそもヘレイアもいない。
どこかに身を隠しているのか……と思ったが、リーンベルが「あいつはそんなこと気にしない。きっと新しい実験場で実験してる」という。
あいつは、竜滅士じゃない。
俺からすれば、ただの犯罪者だ。
現在、俺とエルサは、アールマティ王国の宿屋でモヤモヤしていた。
「……はあ」
「レクス、もう十回目です。ため息ばかりしていると疲れちゃいますよ」
「……うん。でも、ヘレイアのこと考えるとな」
このままアシャ王国に行っていいのか、少し悩んでいた。
ヘレイアは放置すれば、きっとまたどこかで災いを運んで来る。
すると、宿屋にリーンベルが来た。
「二人とも、やっと会えた」
「リーンベル、まだアールマティ王国にいたんだな」
「うん。タローマティのことでアールマティ王国とお話してた。ヘレイアのせいってアールマティ王国に証言したけど、私とヘレイアの仲が悪いから、あまり信じてもらえないみたい……」
「……そうか」
「いちおう、リューグベルン帝国にも報告する。レクスくん、エルサ……ヘレイアのことは心配しないで、二人はゆっくり旅を続けてね」
「ありがとうございます、リーンベル」
エルサは微笑む。
リーンベルは俺の隣に座ると、俺の腕を取る。
「明日、リューグベルン帝国に帰るね。今度こそ、しばらく会えないね……」
「ああ……寂しいな」
「……レクスくん。邪竜って知ってる?」
「え?」
「……ごめん、なんでもない」
リーンベルは首を振る。
「レクスくんたちは、楽しく旅をして欲しいから。こっちのことは私に任せて」
「あ、ああ」
「……リーンベル。わたしたちも明日出発なんです。今日は一緒にいれますか?」
「うん。荷造り終わったし、あとは出発するだけ」
「そっか。じゃあ、今日は三人で一緒に過ごすか」
「うん」
玄徳、愛沙は『真星退魔士』の仕事で忙しいし、別れはもう済ませた。
リーンベルに任せておけば、必ずまた会えるだろう。
すると、エルサがリーンベルを手招きし、二人で部屋の隅っこへ。
「……で、……なんです。リーンベルも」
「え、ええ!?」
『ふふ、いいじゃない。リーンベル、あなたもそろそろ大人になるべきね』
「………………う、うん。レクスくんなら」
何か喋ってるな……なんだろうか。
そんな風に、気を抜いたときだった。
「こんにちは~!! おお、いたいた」
宿屋のドアが開き、ヘレイアが入ってきた。
◇◇◇◇◇◇
ギョッとした。
いきなり、いつも通り、白衣を着た女……ヘレイアが現れたから。
俺は目を見開き、エルサは唖然と、リーンベルは日傘を一瞬で抜く。
だが、俺が手で制した。
「あんた……何しに来た」
「え? 約束、まだ果たしてなかったからねぇ」
「……は?」
「きみのドラゴン、まだちゃんと調べてなかったからね。ここを離れる前に、ちょっとだけ血と、鱗をもらいたいんだよねぇ」
ヘレイアの視線は、テーブルで丸くなるムサシへ向く。
俺はムサシを掴み肩に載せ、精いっぱいの表情でヘレイアを睨んだ。
「あんた……よく顔出せたな」
「そう? まあ、こっちもけっこう頭にきてるし、お互い様じゃない? せっかく成長していたタローマティちゃんを壊してくれてさぁ? あの子、ちゃんと教育すれば、最高の素材になったのにね」
「……アールマティ王国で、どれほど被害出たか知ってるのか?」
「さぁ? 興味ないしね。ま、この国では研究できそうにないし、とりあえずハルワタート王国あたりで研究再開って考えてるけどね。あはは」
ヘレイアは笑った。
タローマティとは違う、自分のためだけに笑うような、空っぽな笑みを。
俺は、この女が心底嫌いになった。
「あんた……それでも六滅竜の、竜滅士かよ!!」
「だから、興味ないって」
ヘレイアは、虫でも払うかのように手を振り、ため息を吐いた。
「ま、いっか」
この言葉、何度聞いたかな。
ヘレイアはもう、俺に興味を持っていないように見えた。
そして、軽く伸びをしてリーンベルに言う。
「リーンベルちゃん。私、ハルワタート王国にいるから。オーサマには適当に言っておいてねぇ」
「……ふざけんな。あんた、本気で殺されたいの? アールマティ王国で何人死んだか」
「だーかーらー、興味ないって。何人死んでも、関係ないし。じゃねー」
そう言い、ヘレイアは出て行った。
きっと、何食わぬ顔で城下町を歩き、そのままハルワタート王国に行くのだろう。
なんとなくテンションが下がってしまう……出かける気にもなれなかった。
「……とりあえず、部屋で話でもするか。でかける気分じゃなくなったし」
「……うん」
「そうですね……」
俺たちは部屋に向かい、これからの冒険や、アシャ王国について話をするのだった。
ヘレイアのことはもう忘れよう。あいつはきっと、いつか罰を受けるだろうし。
でも、ほんの少しだけ気になったことがあった。
『…………』
ムサシはずっと、黙り込んだままだった。
◇◇◇◇◇◇
◆◆◆◆◆◆
その日の夜。
ヘレイアは、研究所跡地で、ミドガルズオルムの頭に座り大きな欠伸をした。
「ね、ミドガルズオルム。アールマティ王国では水棲亜人を素体に実験を考えているんだけど~」
『好きにせい。やれやれ……』
「あはは。ね、せっかくだしさ、このまま世界中を回って、いろんな種族の素体を集めない? タローマティちゃんは四凶っていういい素材を組み合わせたことで、自我を形成したっぽいし……人間だけじゃない、様々な素体を組み合わせて作った素体なら面白いことになるかも」
『……やれやれ』
どこまでも子供っぽい。
新しいオモチャをもらった子供のように、ヘレイアは目を輝かせていた。
竜滅士ではない……その言葉に、間違いはない。
彼女は、子供なのだ。
「あ~、世界は広いねぇ。ミドガルズオルム」
『うむ。ふふ、儂も、お前のような馬鹿を主に持つのは恐らく初めてだろうな。不思議と心躍る』
「あっはっは。じゃ、アールマティ王国でもたくさん──……」
と、ヘレイアは最後まで言えなかった。
なぜなら、彼女の目の前に『現れた』のだ。
『きゅい~』
「あれ? きみ、レクスくんのところの」
ムサシが、ヘレイアとミドガルズオルムの前に現れた。
パタパタと、手のひらサイズのドラゴンは可愛らしい声で鳴く。
それを見て、ヘレイアはにんまりと笑みを浮かべた。
「あはは、最後にいいご褒美だね!! ささ、おいで。おいしいご飯──……」
ヘレイアが手を伸ばした瞬間、ミドガルズオルムが叫んだ。
『待て!! そやつ──……』
◆◆◆◆◆◆
◇◇◇◇◇◇
翌日、俺はベッドから起き、リーンベルを起こす。
昨夜、部屋に来たリーンベルといろいろあり……まあ、いろいろあった。
リーンベルに別れを告げ、宿の一階で朝食。
エルサと食事をしながら、テーブルにあった新聞を読んだ。
「……なになに、王都郊外で謎の『光』が目撃。現場にあったのは白いボロキレだけ……ふーん」
「昨日の夜ですか?」
「らしいな。場所は……ん、ここヘレイアの研究所あたりだな。何かあったのかな」
「行ってみますか?」
「……いや。今日はアシャ王国に向かおう。国境の町まで行って準備をして、砂漠の王国へ出発だ」
「はい。暑さが厳しいようですし、しっかり準備しなくちゃですね」
「ああ。よし、楽しみにしておけよ、ムサシ!!」
『きゅるる!!』
俺の相棒であるムサシは、とてもスッキリした声で鳴いた。
タローマティの消滅により、アールマティ王国を覆い尽くしかけたスライムは消滅。
若き『真星退魔士』の活躍により脅威は去ったと王国内で噂になり、愛沙やリーンベルの人気が上昇……今回の件で玄徳も、正式な『真星退魔士』の一員として迎え入れられたとか。
タローマティは、ヘレイアの研究所から逃げ出した実験生物……ということにはならなかった。
証拠がないし、そもそもヘレイアもいない。
どこかに身を隠しているのか……と思ったが、リーンベルが「あいつはそんなこと気にしない。きっと新しい実験場で実験してる」という。
あいつは、竜滅士じゃない。
俺からすれば、ただの犯罪者だ。
現在、俺とエルサは、アールマティ王国の宿屋でモヤモヤしていた。
「……はあ」
「レクス、もう十回目です。ため息ばかりしていると疲れちゃいますよ」
「……うん。でも、ヘレイアのこと考えるとな」
このままアシャ王国に行っていいのか、少し悩んでいた。
ヘレイアは放置すれば、きっとまたどこかで災いを運んで来る。
すると、宿屋にリーンベルが来た。
「二人とも、やっと会えた」
「リーンベル、まだアールマティ王国にいたんだな」
「うん。タローマティのことでアールマティ王国とお話してた。ヘレイアのせいってアールマティ王国に証言したけど、私とヘレイアの仲が悪いから、あまり信じてもらえないみたい……」
「……そうか」
「いちおう、リューグベルン帝国にも報告する。レクスくん、エルサ……ヘレイアのことは心配しないで、二人はゆっくり旅を続けてね」
「ありがとうございます、リーンベル」
エルサは微笑む。
リーンベルは俺の隣に座ると、俺の腕を取る。
「明日、リューグベルン帝国に帰るね。今度こそ、しばらく会えないね……」
「ああ……寂しいな」
「……レクスくん。邪竜って知ってる?」
「え?」
「……ごめん、なんでもない」
リーンベルは首を振る。
「レクスくんたちは、楽しく旅をして欲しいから。こっちのことは私に任せて」
「あ、ああ」
「……リーンベル。わたしたちも明日出発なんです。今日は一緒にいれますか?」
「うん。荷造り終わったし、あとは出発するだけ」
「そっか。じゃあ、今日は三人で一緒に過ごすか」
「うん」
玄徳、愛沙は『真星退魔士』の仕事で忙しいし、別れはもう済ませた。
リーンベルに任せておけば、必ずまた会えるだろう。
すると、エルサがリーンベルを手招きし、二人で部屋の隅っこへ。
「……で、……なんです。リーンベルも」
「え、ええ!?」
『ふふ、いいじゃない。リーンベル、あなたもそろそろ大人になるべきね』
「………………う、うん。レクスくんなら」
何か喋ってるな……なんだろうか。
そんな風に、気を抜いたときだった。
「こんにちは~!! おお、いたいた」
宿屋のドアが開き、ヘレイアが入ってきた。
◇◇◇◇◇◇
ギョッとした。
いきなり、いつも通り、白衣を着た女……ヘレイアが現れたから。
俺は目を見開き、エルサは唖然と、リーンベルは日傘を一瞬で抜く。
だが、俺が手で制した。
「あんた……何しに来た」
「え? 約束、まだ果たしてなかったからねぇ」
「……は?」
「きみのドラゴン、まだちゃんと調べてなかったからね。ここを離れる前に、ちょっとだけ血と、鱗をもらいたいんだよねぇ」
ヘレイアの視線は、テーブルで丸くなるムサシへ向く。
俺はムサシを掴み肩に載せ、精いっぱいの表情でヘレイアを睨んだ。
「あんた……よく顔出せたな」
「そう? まあ、こっちもけっこう頭にきてるし、お互い様じゃない? せっかく成長していたタローマティちゃんを壊してくれてさぁ? あの子、ちゃんと教育すれば、最高の素材になったのにね」
「……アールマティ王国で、どれほど被害出たか知ってるのか?」
「さぁ? 興味ないしね。ま、この国では研究できそうにないし、とりあえずハルワタート王国あたりで研究再開って考えてるけどね。あはは」
ヘレイアは笑った。
タローマティとは違う、自分のためだけに笑うような、空っぽな笑みを。
俺は、この女が心底嫌いになった。
「あんた……それでも六滅竜の、竜滅士かよ!!」
「だから、興味ないって」
ヘレイアは、虫でも払うかのように手を振り、ため息を吐いた。
「ま、いっか」
この言葉、何度聞いたかな。
ヘレイアはもう、俺に興味を持っていないように見えた。
そして、軽く伸びをしてリーンベルに言う。
「リーンベルちゃん。私、ハルワタート王国にいるから。オーサマには適当に言っておいてねぇ」
「……ふざけんな。あんた、本気で殺されたいの? アールマティ王国で何人死んだか」
「だーかーらー、興味ないって。何人死んでも、関係ないし。じゃねー」
そう言い、ヘレイアは出て行った。
きっと、何食わぬ顔で城下町を歩き、そのままハルワタート王国に行くのだろう。
なんとなくテンションが下がってしまう……出かける気にもなれなかった。
「……とりあえず、部屋で話でもするか。でかける気分じゃなくなったし」
「……うん」
「そうですね……」
俺たちは部屋に向かい、これからの冒険や、アシャ王国について話をするのだった。
ヘレイアのことはもう忘れよう。あいつはきっと、いつか罰を受けるだろうし。
でも、ほんの少しだけ気になったことがあった。
『…………』
ムサシはずっと、黙り込んだままだった。
◇◇◇◇◇◇
◆◆◆◆◆◆
その日の夜。
ヘレイアは、研究所跡地で、ミドガルズオルムの頭に座り大きな欠伸をした。
「ね、ミドガルズオルム。アールマティ王国では水棲亜人を素体に実験を考えているんだけど~」
『好きにせい。やれやれ……』
「あはは。ね、せっかくだしさ、このまま世界中を回って、いろんな種族の素体を集めない? タローマティちゃんは四凶っていういい素材を組み合わせたことで、自我を形成したっぽいし……人間だけじゃない、様々な素体を組み合わせて作った素体なら面白いことになるかも」
『……やれやれ』
どこまでも子供っぽい。
新しいオモチャをもらった子供のように、ヘレイアは目を輝かせていた。
竜滅士ではない……その言葉に、間違いはない。
彼女は、子供なのだ。
「あ~、世界は広いねぇ。ミドガルズオルム」
『うむ。ふふ、儂も、お前のような馬鹿を主に持つのは恐らく初めてだろうな。不思議と心躍る』
「あっはっは。じゃ、アールマティ王国でもたくさん──……」
と、ヘレイアは最後まで言えなかった。
なぜなら、彼女の目の前に『現れた』のだ。
『きゅい~』
「あれ? きみ、レクスくんのところの」
ムサシが、ヘレイアとミドガルズオルムの前に現れた。
パタパタと、手のひらサイズのドラゴンは可愛らしい声で鳴く。
それを見て、ヘレイアはにんまりと笑みを浮かべた。
「あはは、最後にいいご褒美だね!! ささ、おいで。おいしいご飯──……」
ヘレイアが手を伸ばした瞬間、ミドガルズオルムが叫んだ。
『待て!! そやつ──……』
◆◆◆◆◆◆
◇◇◇◇◇◇
翌日、俺はベッドから起き、リーンベルを起こす。
昨夜、部屋に来たリーンベルといろいろあり……まあ、いろいろあった。
リーンベルに別れを告げ、宿の一階で朝食。
エルサと食事をしながら、テーブルにあった新聞を読んだ。
「……なになに、王都郊外で謎の『光』が目撃。現場にあったのは白いボロキレだけ……ふーん」
「昨日の夜ですか?」
「らしいな。場所は……ん、ここヘレイアの研究所あたりだな。何かあったのかな」
「行ってみますか?」
「……いや。今日はアシャ王国に向かおう。国境の町まで行って準備をして、砂漠の王国へ出発だ」
「はい。暑さが厳しいようですし、しっかり準備しなくちゃですね」
「ああ。よし、楽しみにしておけよ、ムサシ!!」
『きゅるる!!』
俺の相棒であるムサシは、とてもスッキリした声で鳴いた。
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