87 / 132
商業科発表会、もう間もなく
しおりを挟む
商業科発表会の日が近づいていた。
スキル学科では通常授業が行われていたが、商業科では発表会に向けての準備が進められていた。
一年生だけの行事だが、一年生が短い期間で何を考え、何を作るのか。才能や努力を見るための行事であり、多くの商人たちが『才能』を確かめに来る。
エルクの寮では、ニッケスとエマが商業科だ。二人はリビングでソワソワしていた。
「いや~……あと三日だぜ。ワクワクとドキドキがヤバいぜ」
「う、うぅぅ……わたしも、今から緊張してます」
貧乏揺すりをするニッケスを、メリーが冷たい目で見る。
「兄さん、その貧乏揺すりやめてくださる?」
「し、仕方ないだろ。出ちまうんだよ……」
「もう、鬱陶しいですね」
妹なりに心配しているのだが、それを素直に言えないのがメリーだ。
フィーネは、食後の紅茶と一緒に出されたクッキーをモグモグ食べながら言う。
「ね、商業科の発表会って、アタシら授業お休みでしょ? みんなでニッケスとエマの作品見に行くからさー」
「は、はい。えっと……そんなに大したものじゃないですけど」
「お、オレも」
「あはは。二人ともガチガチじゃん。だいじょぶー?」
すると、ソフィアがクスっと笑った。
「二人とも、そこまで緊張しなくても大丈夫ですよ。自分の教室に作品が展示されるのと、商業博物館に一点だけ展示されるだけですから」
商業博物館。
ガラティーン王立学園内にある、商業科の生徒が作った作品が展示される専用の博物館。エルクたちスキル学科でいう闘技場、訓練場のような場所である。
現在、商業博物館には有名商人となった卒業生の作品などが展示されている。発表会の日だけ全ての作品が撤去され、新入生が作った作品で一番自信のある作品が展示されるのだ。
この博物館に、各国の商人が押し寄せ生徒の作品を見る。もし商人に認められれば……スカウトが来るかもしれない。
ガンボはニッケスに言う。
「お前んち、デカい商家じゃねぇか。別にスカウト狙ってるわけじゃねぇだろ」
「そ、そういう問題じゃないんだよ。誰かに見られるのが問題なんだ……え、エマちゃんならわかるだろ?」
「わ、わかります。恥ずかしいような、見てほしいような、見せたくないような……見てもいいけど、作品の感想を言って欲しいような、欲しくないような」
「……わけわからん」
ガンボは首を傾げてしまう。
エマも緊張しすぎて何を言っているのかわからない。
エルクは紅茶を飲みながら言った。
「会場の警備は任せとけ。女神聖教が来たら、すぐに潰してやるからさ」
「は、はい」
「お、おう」
「それと……ヤト、カヤ。お前たちマジで手伝うの?」
エルクは、リビングの隅でボードゲームをしているヤトとカヤに聞く。
二人は同時に顔を向けて言う。
「何? 駄目なの?」
「駄目というか……そもそも、戦闘許可出てるの俺だけだぞ? 意味もなく戦闘服着て武器持ってたら、いくら学園の生徒でも不審者扱いになるぞ。そもそも、女神聖教の使徒は学園の生徒なんだし」
「なら、あなたが許可を取って」
「えー……」
「エルク、あなた……ヤトさんの言うこと聞けないの?」
「あーもうわかったよ。明日、警備の集会あるし、聞いてみる」
エルクはため息を吐き、なぜかニコニコしているヤトとカヤを見た。
◇◇◇◇◇◇
翌日。
授業を終え、エルクは学園内にある大会議場へ。
今日は警備部門による会議が行われる。
会議場に入ると、冒険者組合長のカリオストロ、騎士団長のデミウルゴス、学園三年生のエミリアがいた。他にも、それぞれの組織の幹部らしき人たちが集まっている。
エルクが一番最後のようだ。
「すみません、遅れました」
「いいのよ。授業だったんでしょ?」
エミリアがニッコリ笑う。
エルクは一礼し、空いている隅っこの席に座った。
騎士団長のデミウルゴスが教壇に立ち、ごほんと咳ばらいをする。
「では、商業科発表会の警備体制について確認をする」
警備のトップは、王国騎士団のデミウルゴスだ。
デミウルゴスは、一枚の羊皮紙を手に取って確認をする。
「まず、警備人数から。騎士団からは120名、冒険者組合からはA級冒険者30名、B級冒険者100名。学園三年生は200名……合計450人による警備体制となる。
「お、多っ……そんなに」
エルクがボソッと呟くと、デミウルゴスがエルクを見た。
「女神聖教はS級危険組織。少なくとも、学園全体をカバーするために300名以上の人数は必要だと思っている。狙いは、商業科だけではない、学園全体と考えて動くべきだ」
「す、すみません」
デミウルゴスは笑って頷いた。
「それぞれ混合で5名ずつ。計90チームを作り、ルートを決めて学園内を見回る。そのさい必ず3名以上に『チャンネルリング』を持たせておくように」
「チャンネル、リング……?」
エルクの知らないリングだ。
ウェポンボックス、アイテムボックスとは違うリングなのは違いない。
デミウルゴスは、小声なのにちゃんと聞いていた。
「チャンネルリングは、装備すると連絡が取り合えるリングだ。ダンジョン内では使用できないという弱点はあるがな」
「へぇ~」
エルクはウンウン頷き……気付く。
「そんなことも知らないのか」という視線が、あちこちから感じられた。
「チーム編成は私、デミウルゴス、エミリアの三人で決める。そしてエルクくん」
「あ、は、はい!」
「きみは自由に動いて構わない。当日、戦闘服と武器を装備できるのは警備員だけだ。それと、警備員の腕章を付けた者だけ……それ以外は、いかなる場合も敵とみなして構わない」
「は、はい。あ、あの……」
「何かな?」
「俺の友達が、警備員に参加したいそうなんですけど……」
「誰かね?」
「え……」
「参加したい子の名前を」
「ヤト・シキバと、カヤ・シガラキですけど……」
「駄目だな。あの程度では、足手まといだ」
「…………」
「ふふ、腑に落ちんか? その二人の実力なら知っている。個人戦、そしてダンジョン内での戦いは『確認』したからね。その上で言っている。あの程度では、足手まといだ」
「…………」
本気で言っているようだった。
カヤとヤトは、間違いなく強い。
だがそれはあくまで、『新入生』の中で、だ。
エルクはカリオストロ、エミリアを見るが……二人とも苦笑していた。
否定はない。つまり、二人もそう思っている。
その後も、確認と警備体制についての話をして、最後にデミウルゴスは言う。
「警備の腕章は、偽造複製防止のため、当日にスキルで作成する。何度も言うが、絶対に外さないように。では……今日はここまでだ」
ようやく会議が終わった。
外はすっかり暗くなっている。
すると、カリオストロがクネクネしながらエルクに寄ってきた。
「はぁ~いエルクちゃん!」
「ど、どうも……」
カリオストロ。
浅黒い肌、筋骨隆々の肉体、豪華なドレスに整った化粧。男でありながら女性の心を持つ、ガラティン王国冒険者組合長……つまり、この国最強の冒険者だ。
そんなカリオストロが、エルクにすり寄ってきた。
「ふふ♪ エルクちゃん、納得してないと思って、お姉さんがフォローに来たの」
「お、お姉さん……?」
「あのね、エルクちゃん。ヤトちゃんとカヤちゃん……あの子たちは確かに強い。でもね、冒険者レベルで言うならBの上ってところ。わかる?」
「……つまり」
「ふふ。16歳でBの上よ? 間違いなく強い。でも、冒険者ではBの上なの。あと十年もしたらS級認定されてもおかしくない。でもね、今はまだダメなのよ」
「…………」
「エルクちゃんは、間違いなくS級。非の打ち所がないくらい最強なの」
「……わかりました」
「どうせ、その二人にお願いされたんでしょうけど、ちゃんと伝えてね? もし無視して当日に武器を持って警備の真似事するようなら───……」
一瞬だけ……ほんの一瞬だけ、殺意が見えた。
「逮捕しちゃうからネ!」
カリオストロは、可愛らしく(本人はそう思っている)微笑んだ。
◇◇◇◇◇◇
カリオストロが去った後、エミリアが赤い髪をなびかせてやってきた。
「カリオストロさんに全部言われちゃったな……」
「エミリア先輩……」
「ごめんね、あたしも同じ意見。あの子たち、血の匂いもするし相当な修羅場をくぐってるみたいだけど、あたしたち3年生から言わせれば、まだまだ薄い血の匂いね」
「…………」
「修羅場なんて、学園に三年もいれば嫌でも経験する。知ってる? 入学生は毎年2000人以上いるけど、3年生になれるの、半分いればいい方なのよ? あたしたち3年生の総数、400人しかいないんだから。300人が冒険者志望で、残り100人は商業科なの」
「え……」
「ふふ。冒険者やってるとね、ダンジョン内で財宝を見つけた時や希少な魔獣、希少な素材を見つけた時の喜びは大きい。でも……それ以上に、仲間の死は辛いの。辞めたクラスメイトの顔は思い出せないけど、死んだ子の顔はよく思い出せるわ」
「…………」
「半端な気持ち、実力での警備はいらない。何かあった時に辛い思いをするのは、あなたよ」
エミリアはきっぱり言った。
そのまま、デミウルゴスの元へ行こうとするが。
「不思議。エルクくん……血の匂いなんて全然しないのに、それ以上に修羅場をくぐった戦士みたいな雰囲気を感じる」
そう言って、エミリアはカリオストロ、デミウルゴスの元へ行った。
エルクの出番はもうない。
エルクは会議室を出て、ヤトとカヤにどう言おうか悩み始めた。
スキル学科では通常授業が行われていたが、商業科では発表会に向けての準備が進められていた。
一年生だけの行事だが、一年生が短い期間で何を考え、何を作るのか。才能や努力を見るための行事であり、多くの商人たちが『才能』を確かめに来る。
エルクの寮では、ニッケスとエマが商業科だ。二人はリビングでソワソワしていた。
「いや~……あと三日だぜ。ワクワクとドキドキがヤバいぜ」
「う、うぅぅ……わたしも、今から緊張してます」
貧乏揺すりをするニッケスを、メリーが冷たい目で見る。
「兄さん、その貧乏揺すりやめてくださる?」
「し、仕方ないだろ。出ちまうんだよ……」
「もう、鬱陶しいですね」
妹なりに心配しているのだが、それを素直に言えないのがメリーだ。
フィーネは、食後の紅茶と一緒に出されたクッキーをモグモグ食べながら言う。
「ね、商業科の発表会って、アタシら授業お休みでしょ? みんなでニッケスとエマの作品見に行くからさー」
「は、はい。えっと……そんなに大したものじゃないですけど」
「お、オレも」
「あはは。二人ともガチガチじゃん。だいじょぶー?」
すると、ソフィアがクスっと笑った。
「二人とも、そこまで緊張しなくても大丈夫ですよ。自分の教室に作品が展示されるのと、商業博物館に一点だけ展示されるだけですから」
商業博物館。
ガラティーン王立学園内にある、商業科の生徒が作った作品が展示される専用の博物館。エルクたちスキル学科でいう闘技場、訓練場のような場所である。
現在、商業博物館には有名商人となった卒業生の作品などが展示されている。発表会の日だけ全ての作品が撤去され、新入生が作った作品で一番自信のある作品が展示されるのだ。
この博物館に、各国の商人が押し寄せ生徒の作品を見る。もし商人に認められれば……スカウトが来るかもしれない。
ガンボはニッケスに言う。
「お前んち、デカい商家じゃねぇか。別にスカウト狙ってるわけじゃねぇだろ」
「そ、そういう問題じゃないんだよ。誰かに見られるのが問題なんだ……え、エマちゃんならわかるだろ?」
「わ、わかります。恥ずかしいような、見てほしいような、見せたくないような……見てもいいけど、作品の感想を言って欲しいような、欲しくないような」
「……わけわからん」
ガンボは首を傾げてしまう。
エマも緊張しすぎて何を言っているのかわからない。
エルクは紅茶を飲みながら言った。
「会場の警備は任せとけ。女神聖教が来たら、すぐに潰してやるからさ」
「は、はい」
「お、おう」
「それと……ヤト、カヤ。お前たちマジで手伝うの?」
エルクは、リビングの隅でボードゲームをしているヤトとカヤに聞く。
二人は同時に顔を向けて言う。
「何? 駄目なの?」
「駄目というか……そもそも、戦闘許可出てるの俺だけだぞ? 意味もなく戦闘服着て武器持ってたら、いくら学園の生徒でも不審者扱いになるぞ。そもそも、女神聖教の使徒は学園の生徒なんだし」
「なら、あなたが許可を取って」
「えー……」
「エルク、あなた……ヤトさんの言うこと聞けないの?」
「あーもうわかったよ。明日、警備の集会あるし、聞いてみる」
エルクはため息を吐き、なぜかニコニコしているヤトとカヤを見た。
◇◇◇◇◇◇
翌日。
授業を終え、エルクは学園内にある大会議場へ。
今日は警備部門による会議が行われる。
会議場に入ると、冒険者組合長のカリオストロ、騎士団長のデミウルゴス、学園三年生のエミリアがいた。他にも、それぞれの組織の幹部らしき人たちが集まっている。
エルクが一番最後のようだ。
「すみません、遅れました」
「いいのよ。授業だったんでしょ?」
エミリアがニッコリ笑う。
エルクは一礼し、空いている隅っこの席に座った。
騎士団長のデミウルゴスが教壇に立ち、ごほんと咳ばらいをする。
「では、商業科発表会の警備体制について確認をする」
警備のトップは、王国騎士団のデミウルゴスだ。
デミウルゴスは、一枚の羊皮紙を手に取って確認をする。
「まず、警備人数から。騎士団からは120名、冒険者組合からはA級冒険者30名、B級冒険者100名。学園三年生は200名……合計450人による警備体制となる。
「お、多っ……そんなに」
エルクがボソッと呟くと、デミウルゴスがエルクを見た。
「女神聖教はS級危険組織。少なくとも、学園全体をカバーするために300名以上の人数は必要だと思っている。狙いは、商業科だけではない、学園全体と考えて動くべきだ」
「す、すみません」
デミウルゴスは笑って頷いた。
「それぞれ混合で5名ずつ。計90チームを作り、ルートを決めて学園内を見回る。そのさい必ず3名以上に『チャンネルリング』を持たせておくように」
「チャンネル、リング……?」
エルクの知らないリングだ。
ウェポンボックス、アイテムボックスとは違うリングなのは違いない。
デミウルゴスは、小声なのにちゃんと聞いていた。
「チャンネルリングは、装備すると連絡が取り合えるリングだ。ダンジョン内では使用できないという弱点はあるがな」
「へぇ~」
エルクはウンウン頷き……気付く。
「そんなことも知らないのか」という視線が、あちこちから感じられた。
「チーム編成は私、デミウルゴス、エミリアの三人で決める。そしてエルクくん」
「あ、は、はい!」
「きみは自由に動いて構わない。当日、戦闘服と武器を装備できるのは警備員だけだ。それと、警備員の腕章を付けた者だけ……それ以外は、いかなる場合も敵とみなして構わない」
「は、はい。あ、あの……」
「何かな?」
「俺の友達が、警備員に参加したいそうなんですけど……」
「誰かね?」
「え……」
「参加したい子の名前を」
「ヤト・シキバと、カヤ・シガラキですけど……」
「駄目だな。あの程度では、足手まといだ」
「…………」
「ふふ、腑に落ちんか? その二人の実力なら知っている。個人戦、そしてダンジョン内での戦いは『確認』したからね。その上で言っている。あの程度では、足手まといだ」
「…………」
本気で言っているようだった。
カヤとヤトは、間違いなく強い。
だがそれはあくまで、『新入生』の中で、だ。
エルクはカリオストロ、エミリアを見るが……二人とも苦笑していた。
否定はない。つまり、二人もそう思っている。
その後も、確認と警備体制についての話をして、最後にデミウルゴスは言う。
「警備の腕章は、偽造複製防止のため、当日にスキルで作成する。何度も言うが、絶対に外さないように。では……今日はここまでだ」
ようやく会議が終わった。
外はすっかり暗くなっている。
すると、カリオストロがクネクネしながらエルクに寄ってきた。
「はぁ~いエルクちゃん!」
「ど、どうも……」
カリオストロ。
浅黒い肌、筋骨隆々の肉体、豪華なドレスに整った化粧。男でありながら女性の心を持つ、ガラティン王国冒険者組合長……つまり、この国最強の冒険者だ。
そんなカリオストロが、エルクにすり寄ってきた。
「ふふ♪ エルクちゃん、納得してないと思って、お姉さんがフォローに来たの」
「お、お姉さん……?」
「あのね、エルクちゃん。ヤトちゃんとカヤちゃん……あの子たちは確かに強い。でもね、冒険者レベルで言うならBの上ってところ。わかる?」
「……つまり」
「ふふ。16歳でBの上よ? 間違いなく強い。でも、冒険者ではBの上なの。あと十年もしたらS級認定されてもおかしくない。でもね、今はまだダメなのよ」
「…………」
「エルクちゃんは、間違いなくS級。非の打ち所がないくらい最強なの」
「……わかりました」
「どうせ、その二人にお願いされたんでしょうけど、ちゃんと伝えてね? もし無視して当日に武器を持って警備の真似事するようなら───……」
一瞬だけ……ほんの一瞬だけ、殺意が見えた。
「逮捕しちゃうからネ!」
カリオストロは、可愛らしく(本人はそう思っている)微笑んだ。
◇◇◇◇◇◇
カリオストロが去った後、エミリアが赤い髪をなびかせてやってきた。
「カリオストロさんに全部言われちゃったな……」
「エミリア先輩……」
「ごめんね、あたしも同じ意見。あの子たち、血の匂いもするし相当な修羅場をくぐってるみたいだけど、あたしたち3年生から言わせれば、まだまだ薄い血の匂いね」
「…………」
「修羅場なんて、学園に三年もいれば嫌でも経験する。知ってる? 入学生は毎年2000人以上いるけど、3年生になれるの、半分いればいい方なのよ? あたしたち3年生の総数、400人しかいないんだから。300人が冒険者志望で、残り100人は商業科なの」
「え……」
「ふふ。冒険者やってるとね、ダンジョン内で財宝を見つけた時や希少な魔獣、希少な素材を見つけた時の喜びは大きい。でも……それ以上に、仲間の死は辛いの。辞めたクラスメイトの顔は思い出せないけど、死んだ子の顔はよく思い出せるわ」
「…………」
「半端な気持ち、実力での警備はいらない。何かあった時に辛い思いをするのは、あなたよ」
エミリアはきっぱり言った。
そのまま、デミウルゴスの元へ行こうとするが。
「不思議。エルクくん……血の匂いなんて全然しないのに、それ以上に修羅場をくぐった戦士みたいな雰囲気を感じる」
そう言って、エミリアはカリオストロ、デミウルゴスの元へ行った。
エルクの出番はもうない。
エルクは会議室を出て、ヤトとカヤにどう言おうか悩み始めた。
10
お気に入りに追加
268
あなたにおすすめの小説
スローライフとは何なのか? のんびり建国記
久遠 れんり
ファンタジー
突然の異世界転移。
ちょっとした事故により、もう世界の命運は、一緒に来た勇者くんに任せることにして、いきなり告白された彼女と、日本へ帰る事を少し思いながら、どこでもキャンプのできる異世界で、のんびり暮らそうと密かに心に決める。
だけどまあ、そんな事は夢の夢。
現実は、そんな考えを許してくれなかった。
三日と置かず、騒動は降ってくる。
基本は、いちゃこらファンタジーの予定。
そんな感じで、進みます。
元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる