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第1章
トリートorトリート
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「君は何者だい、シュン=サカグチ」
「は?いや、失礼 俺はシュン=サカグチ
スポーツドライバーを目指している平民です」
「あなたこそどちら様で?」
「ワハハ、名乗り忘れていたね すまない
私はエツコ=テンバー ここの所長をしている」
「どうも」
「ところでこれは本当かね?」
俺の書いた紙を見せてくる
「嘘な訳ないjy「21秒のロマンを持っているというのは本当かい」
この言い方全盛期の車好きだ
R33のキャッチコピーを言ってきやがった
「テンバーさん、スカイラインを知っているのですか?」
「あぁ、勿論だ 持ってなかったが、一緒に走ってたダチが乗ってた」
男勝りなおばさんだ
「サカグチ君、君のスカイラインを私に見せてくれないか
個人的に真偽の程を確かめたいのだ」
「自慢の愛車ですから、いくらでも見せますよ」
「私のガレージがセンターの裏にあるのだ そこまで持ってきてくれ」
「裏のガレージですね 分かりました」
「お前のこと見たいんだってさ」
裏のガレージまでの間GT-Rに話しかける
「変なおばさんだけど、お前が生まれた頃の話聞けるかもしれないな」
ガレージにつくとシャッターが空いていた
ゆっくりとガレージの中に車を入れる
テンバーさんが停車位置まで誘導してくれる
キィーン
金属的な音を出して止まるGT‐R
「ここまで持ってきてくれてありがとう」
「いえいえ、これくらいは」
俺は返事をしながら車から降りる
どうやらこのガレージは5台車が止められるらしいが、
GT-Rを除いて1台はすでに埋まっている
その1台はカバーがかけられており、カクカクしたシルエットをしている
(テンバーさんの車かな)
「お前さんの言ってることは本当なんだな」
こうテンバーさんが感慨深そうに言った
「まさか今どきの若いもんがスカイラインなんぞに乗っとるとは
なんでスカイラインを知ったのだ」
「俺が小さいころに親からR33 GT-R 400Rのミニカーをもらいました
子供ながらもわかりましたよ、 戦う為に生まれた車だと
その好戦的な雰囲気に圧倒されました
それ以降からずっとスカイラインとりわけR33の虜です」
「ほう、いい趣味をした親だな」
「同感です 感謝の気持ちで溢れています」
久しぶりに思い出す400Rとの出会いに俺は頬が緩む
「それにしてもきれいに作ってあるな、本物は見てないのだろ?」
「はい、もしかすると王族が1台は保管しているかもしれませんが
完全にコピーするのではなく俺のアレンジを加えて作りました」
「ぶっちゃけ幾らかかった?」
「ボディ補修で600万、エンジン500万、エアロ100万、内装200万、その他100万
合計で1500万くらいかかりました あっ、購入価格は別です」
「支払いは済んだのか?」
「ローンで...」
「ライセンスを取ってからも維持費が大変だの」
「正直...」
「オイルやタイヤは走行毎に変えるの~」
「必要なことですから...」
「支払いの目途は立っているのか?」
「いや、結構ギリギリだ」
「そこで提案じゃ、条件付きでライセンス取得までの学費を只にするか、
あたしがお前さんのローンを支払うかしてやってもいいぞ?」
「は?なんで会ってすぐの俺にそんなことを提案するんだ」
うまい話には裏がある、鉄則だ
「お前さんに興味が湧いたのじゃ、
若いながらもこのスカイラインにかける情熱
何がそうさせているのじゃと」
「そんな理由で?」
「興味が湧いて悪いか?」
「悪くはない、でも...」
「そうか、残念だな 素直に聞けば、
学費とローン両方を只にしてやろうと思ったんじゃが」
この先を考えると魅力しかない提案だ
ローン地獄から抜け出すいい機会だ
「学費とローンの提案ありがたく乗らせて貰うが、条件とは何だ?」
「何、お前さん アタック・ニコラを知っているか」
「当たり前だ 国で1番のタイムアタックイベントだ」
「そうじゃ そこのタイムアタックコースで1分を切れ」
「いっ、1分!
分切りをできるドライバーは国でも限られているぞ」
「何か問題があるか?」
「あるどころか大有りすぎるぞ
大体そこまでいくのにどんだけ時間と走り込みが必要だと」
「お前さんのGT-Rなら分切りできるスペックを持っている
あとはお前さんの腕だけだ ライセンス講習で猛特訓しろ
そうすれば必ず分切りを成し遂げられる」
「確かに講習では車の事しかしないからな
走り込む時間ならある
テンバーさん、俺はやるよ」
「うむ、お前さんの為にも頑張ってくれ
講習は明後日から始まるぞ、準備をしておいてくれ」
「分かりました、では帰らせていただきます」
「わざわざ呼んですまなかった、ありがとう」
※アタック・ニコラはニコラサーキットにある1周2000mのコースで行われるタイムアタックイベント
「は?いや、失礼 俺はシュン=サカグチ
スポーツドライバーを目指している平民です」
「あなたこそどちら様で?」
「ワハハ、名乗り忘れていたね すまない
私はエツコ=テンバー ここの所長をしている」
「どうも」
「ところでこれは本当かね?」
俺の書いた紙を見せてくる
「嘘な訳ないjy「21秒のロマンを持っているというのは本当かい」
この言い方全盛期の車好きだ
R33のキャッチコピーを言ってきやがった
「テンバーさん、スカイラインを知っているのですか?」
「あぁ、勿論だ 持ってなかったが、一緒に走ってたダチが乗ってた」
男勝りなおばさんだ
「サカグチ君、君のスカイラインを私に見せてくれないか
個人的に真偽の程を確かめたいのだ」
「自慢の愛車ですから、いくらでも見せますよ」
「私のガレージがセンターの裏にあるのだ そこまで持ってきてくれ」
「裏のガレージですね 分かりました」
「お前のこと見たいんだってさ」
裏のガレージまでの間GT-Rに話しかける
「変なおばさんだけど、お前が生まれた頃の話聞けるかもしれないな」
ガレージにつくとシャッターが空いていた
ゆっくりとガレージの中に車を入れる
テンバーさんが停車位置まで誘導してくれる
キィーン
金属的な音を出して止まるGT‐R
「ここまで持ってきてくれてありがとう」
「いえいえ、これくらいは」
俺は返事をしながら車から降りる
どうやらこのガレージは5台車が止められるらしいが、
GT-Rを除いて1台はすでに埋まっている
その1台はカバーがかけられており、カクカクしたシルエットをしている
(テンバーさんの車かな)
「お前さんの言ってることは本当なんだな」
こうテンバーさんが感慨深そうに言った
「まさか今どきの若いもんがスカイラインなんぞに乗っとるとは
なんでスカイラインを知ったのだ」
「俺が小さいころに親からR33 GT-R 400Rのミニカーをもらいました
子供ながらもわかりましたよ、 戦う為に生まれた車だと
その好戦的な雰囲気に圧倒されました
それ以降からずっとスカイラインとりわけR33の虜です」
「ほう、いい趣味をした親だな」
「同感です 感謝の気持ちで溢れています」
久しぶりに思い出す400Rとの出会いに俺は頬が緩む
「それにしてもきれいに作ってあるな、本物は見てないのだろ?」
「はい、もしかすると王族が1台は保管しているかもしれませんが
完全にコピーするのではなく俺のアレンジを加えて作りました」
「ぶっちゃけ幾らかかった?」
「ボディ補修で600万、エンジン500万、エアロ100万、内装200万、その他100万
合計で1500万くらいかかりました あっ、購入価格は別です」
「支払いは済んだのか?」
「ローンで...」
「ライセンスを取ってからも維持費が大変だの」
「正直...」
「オイルやタイヤは走行毎に変えるの~」
「必要なことですから...」
「支払いの目途は立っているのか?」
「いや、結構ギリギリだ」
「そこで提案じゃ、条件付きでライセンス取得までの学費を只にするか、
あたしがお前さんのローンを支払うかしてやってもいいぞ?」
「は?なんで会ってすぐの俺にそんなことを提案するんだ」
うまい話には裏がある、鉄則だ
「お前さんに興味が湧いたのじゃ、
若いながらもこのスカイラインにかける情熱
何がそうさせているのじゃと」
「そんな理由で?」
「興味が湧いて悪いか?」
「悪くはない、でも...」
「そうか、残念だな 素直に聞けば、
学費とローン両方を只にしてやろうと思ったんじゃが」
この先を考えると魅力しかない提案だ
ローン地獄から抜け出すいい機会だ
「学費とローンの提案ありがたく乗らせて貰うが、条件とは何だ?」
「何、お前さん アタック・ニコラを知っているか」
「当たり前だ 国で1番のタイムアタックイベントだ」
「そうじゃ そこのタイムアタックコースで1分を切れ」
「いっ、1分!
分切りをできるドライバーは国でも限られているぞ」
「何か問題があるか?」
「あるどころか大有りすぎるぞ
大体そこまでいくのにどんだけ時間と走り込みが必要だと」
「お前さんのGT-Rなら分切りできるスペックを持っている
あとはお前さんの腕だけだ ライセンス講習で猛特訓しろ
そうすれば必ず分切りを成し遂げられる」
「確かに講習では車の事しかしないからな
走り込む時間ならある
テンバーさん、俺はやるよ」
「うむ、お前さんの為にも頑張ってくれ
講習は明後日から始まるぞ、準備をしておいてくれ」
「分かりました、では帰らせていただきます」
「わざわざ呼んですまなかった、ありがとう」
※アタック・ニコラはニコラサーキットにある1周2000mのコースで行われるタイムアタックイベント
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