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09 一夜。(R18)
しおりを挟む口付けを交わしながら、夜は私の腕を頭の上に移動させる。
私は腕を上げたまま、甘い声を漏らす。
「あっ……あん……んっ」
夜が、私の胸に触れてきたからだ。
「声。抑えなくていい。外に聞こえたりしない」
「う、うん……あぁんっ」
夜の人差し指が、私の乳首をつついた。ただそれだけで、声を漏らしてしまう。まだ愛撫は、始まったばかりだと言うのに。
こねくり回すように両方の乳首をコリコリと刺激していく。
つい唇を噛み締めて、声を堪える。それが気に入らなかったのか、夜は鷲掴みにした。
「んっあ!」と声が抑えきれなかった。
「ひっ……ひゃあっ……ああんっ」
夜が乳首に吸い付いたものだから、震え上がる。口に含み、舌で弄ぶ。
身体の奥の奥の方が疼く。堪らなく疼いた。
しなやかな夜の髪を握り締めて、されるがままにする。
「すっげぇ……やわらかいな。美味しいし」
「夜ったら……」
恥ずかしくなることを言わないでほしい。
クスリと笑みを溢す夜は、私の腹部にたくさんの口付けが降らせてきた。
くすぐったい。それに一番疼いてしまうそこに近いから、悶えてしまう。
「よ、夜、そ、そこはっ」
「ん? なんだ? 隠すなよ」
微笑む夜が、閉じていた足を開かされた。
「濡れてる」
満足気な声を出す夜のそれが、吹きかかる。
私の羞恥心は、これ以上無理なほど膨れた。破裂してしまいそうだ。
指の腹が、敏感になったそこに触れる。電撃のような快楽が、駆け巡った。
その反応を見た夜は、躊躇なく舌を這わせる。ビクン、と腰が上がって「はぁんっ!」とはしたない声を出してしまった。
「思う存分、喘いでいいから」
吹きかかる声にすら、反応してしまう。
「聴いてると俺……ゾクゾクして興奮する」
「よ、るっ……んあっ」
夜が私の声で興奮している。そのことにまた恥ずかしさを覚えるけれども、嬉しさの方が勝ってしまった。
濡れたところを何度も撫でられて、また腰を浮かせる。
私はもっと夜を喜ばせたくって、思い付いた言葉を口にした。
「夜……もっとして?」
「っ……可愛すぎっ、だろ」
「あんっ」
夜の指が滑り込んだ。ついに中まで触れられた。
ゾクゾクと快楽が背筋に駆けて、弓なりにしなっていく。
クチュクチュと水音が鳴らされると、顔の熱さが増していった。
夜によって感じてしまっている証。
「はぁ、はぁ、あんんっ」
ベッドで乱れていく。シーツを握り締めて、身を捩らせる。
グイグイと中を掻き乱されて、レロリと舐められて吸い上げられて、快楽の波が容赦なく襲い掛かった。
「夜……夜っ……夜っあんっあっああっ!」
絶頂を迎えてしまう。身体は痙攣して、足の指先まで伸ばす。
「イッたか?」
「……はぁ、はぁ……はぁ」
「月花」
絶頂の余韻に浸ってしまい、返事が出来ない。
それでも夜はなんだかご機嫌そうな笑みを浮かべて、私を見下ろす。
どのくらい経ったのだろうか。乱れた息が整った頃に、漸く真上にいる夜が楽し気に私を傍観していることに気が付く。私の髪を撫でて微笑む。
「乱れたおまえ、綺麗だ」
「……淫らで、ごめん」
ああ、恥ずかしい。完全に身を任せて、絶頂をした。そして恍惚と余韻に浸っていた。それを眺められたのだ。
「淫らな月花をもっと見せてくれ」
夜はそう言って、ズボンを脱ぎ捨てた。覆い被さるように上にいる夜の身体をまじまじと見る。逞しく引き締まった身体。両の掌で胸を、腹筋を、撫でた。それから大きくそそりのったものを目撃してしまう。夜の全てを見た。
これからそれで繋がるのだと思うと、ゴクリと息を飲んだ。
「挿れるぞ? 月花……」
はぁ、と息を漏らして、夜は徐に私の腰を持ち上げて重ねる。そして私の中に入ってきた。感じる圧迫。仰け反ってしまう。
「やべー……月花の中……あったかくて、気持ちいい……」
夜は笑いを漏らす。
「気持ちよすぎて、やばいな」
キュン、と胸が締め付けられる。
「あ、今、俺のこと締め付けたっ」
無意識だ。
ゆっくりと夜のものが引き抜かれる。ゾワゾワと快楽にくすぐられた。
「あっ」
切なく息を溢す。
でもすぐにまた中に入ってきた。ズチュン、と奥までくる衝撃。
それが堪らなくて、私は甘い声を漏らす。
夜だって同じようで、息を乱しなら、私の腰を抱えて揺さぶる。
僅かにベッドが軋む。
「夜……夜っ、んあ、夜、ああんっ」
「つき、かっ。はぁ、はぁ」
揺さぶられる度に、喘いでしまう。私も腰を、上下に揺らしてしまった。
「はっ……淫ら」
「っう」
夜に笑われるけれども、止められない。
揺さぶられる動きに合わせて、喘ぎながら腰を動かす。
「あんっ、はあんっ、夜っ」
「うっ、ん、っ」
「夜……あっ、きもち、いいっ」
「月花……俺もだっ」
うわ言のように夜の名前を口にする。喘ぎながら何度も、何度でも。
夜は綺麗な顔を紅潮させながら、私の腰を揺さぶる。
ぬちゅぬちゅ、といやらしい音が繋がっている部分からした。
「気持ちいいっ、よ、夜っ」
シーツを握っていた手を、夜の首に回す。そして背中に爪を立てる。少し夜の顔が痛みで歪んだけれども、何も言わなかった。ただ私の中を掻き乱す。どんどん濡れていく。水音は、激しくなる一方だった。
「夜っ、はあんっ、もう、だ、だめ……」
「ん? また、イくのか?」
「うんっ、また、きちゃうっ、あっ」
「そうか……」
夜は切なそうな表情をする。
「なんか、ずっと、こうしていたい……。気持ちよすぎる」
「ふあっ、ああんっ、うんっ」
出来ることなら、ずっとこうしていたい。
気持ちいい。このままずっと快楽に溺れていたい。
「でも、俺も限界……」
甘く囁いて、夜はまた私の耳に舌を這わせた。
「愛してる、月花」
「うんっ、私、あっ、も。愛してるっ」
「愛してるっ、んっ」
夜の腰の動きが少し強くなる。ズンズンと迫り来る絶頂。
ギュッと夜の肩を握り締める。
「月花っ、あっ、出るっ!」
「っ、ああんっ!」
中で夜のものが弾けた。私も絶頂を迎える。熱いものがほとばしった。
熱い。熱い。とろけてしまいそうなほど熱い。
くたっと夜の身体が、私の上に倒れる。絶頂の余韻で惚けながらも、私は愛おしい彼を抱き締めた。
「少し……このままで……はぁ」
「うん……」
夜も余韻に浸っている。構わないと私は頷く。
繋がったまま、ベッドに沈む。
「……なぁ。忘れられない一夜になったか?」
やがて起きがった夜が、私の瞳を覗き込んだ。
美しい漆黒の瞳。
「うん」
私は微笑む。とても素敵な一夜となった。
「そうか、誕生日おめでとう」
「ありがとう。愛してる、夜」
「俺も愛してる、月花」
夜は私に口付けをしたから、それに応える。
何度目の言葉だろうか。何度伝えただろうか。
愛してる。何度言っても足りない。
抱き締めて合って密着する。そうすると満たされる気分になった。
「ずっと、愛してる」
夜の言葉が、温かさを増していく。
私の右腕に口付けを落とした。
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感想ありがとうございました!