初恋の人が『初恋の女の子』に夢中で婚約破棄までしたので、彼の真の『初恋の女の子』である私は受け入れて、辺境伯令息の甘い優しさに癒されます。

 幼い頃に婚約した殿下が、私の初恋である。
 しかし、殿下は殿下で『初恋の女の子』に夢中。婚約直後に高熱を出したせいで記憶があやふやではあるが、出会った女の子が忘れられないと語る。
 『初恋の女の子』と比べて貶してくる殿下に、私の初恋はしぼみ、ついに『初恋の女の子』が隣国の王女だと突き止めた殿下は「婚約破棄」を突き付けた。もう私の初恋は終わったので、受け入れた。
 そんな私の元に駆け付けた学園のクラスメイト、辺境伯令息が婚約を申し込む。

「僕は苦しみからも、君を連れ去るよ」

 その後、無事、隣国の王女と婚約が成立して、祝いのパーティーの隅っこでお酒をたしなんでいた私は、ついうっかり「殿下が話している『初恋の女の子』は、かなり美化されているけれど、私のことよ」と友人達に口にしてしまった。
「元々、政略結婚は建前で、婚約も彼の気持ちが先走ってちょっと強引に結ばれたもの。そのあと高熱が出てすっかり忘れてしまったのよね」
 嘘をついてまで嫁ぐ隣国の王女への怒り。それに騙されている初恋の王子への情けなさ。うっぷんを晴らすために酔いの勢いで明かしてしまったのだった。
24h.ポイント 56pt
3,596
小説 15,428 位 / 193,680件 恋愛 7,211 位 / 58,466件

あなたにおすすめの小説

【完結】可愛くない、私ですので。

たまこ
恋愛
 華やかな装いを苦手としているアニエスは、周りから陰口を叩かれようと着飾ることはしなかった。地味なアニエスを疎ましく思っている様子の婚約者リシャールの隣には、アニエスではない別の女性が立つようになっていて……。

婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい

矢口愛留
恋愛
【全11話】 学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。 しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。 クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。 スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。 ※一話あたり短めです。 ※ベリーズカフェにも投稿しております。

言葉にしなくても愛情は伝わる

ハチ助
恋愛
二週間前に婚約者のウィルフレッドより「王女殿下の誕生パーティーでのエスコートは出来なくなった」と謝罪と共に同伴の断りを受けた子爵令嬢のセシリアは、妊娠中の義姉に代わって兄サミュエルと共にその夜会に参加していた。すると自分よりも年下らしき令嬢をエスコートする婚約者のウィルフレッドの姿を見つける。だが何故かエスコートをされている令嬢フランチェスカの方が先に気付き、セシリアに声を掛けてきた。王女と同じく本日デビュタントである彼女は、従兄でもあるウィルフレッドにエスコートを頼んだそうだ。だがその際、かなりウィルフレッドから褒めちぎるような言葉を貰ったらしい。その事から、自分はウィルフレッドより好意を抱かれていると、やんわりと主張して来たフランチェスカの対応にセシリアが困り始めていると……。 ※全6話(一話6000文字以内)の短いお話です。

三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します

冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」 結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。 私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。 そうして毎回同じように言われてきた。 逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。 だから今回は。

伯爵令嬢は、愛する二人を引き裂く女は悪女だと叫ぶ

基本二度寝
恋愛
「フリージア様、あなたの婚約者のロマンセ様と侯爵令嬢ベルガモ様は愛し合っているのです。 わかりませんか? 貴女は二人を引き裂く悪女なのです!」 伯爵家の令嬢カリーナは、報われぬ恋に嘆く二人をどうにか添い遂げさせてやりたい気持ちで、公爵令嬢フリージアに訴えた。 彼らは互いに家のために結ばれた婚約者を持つ。 だが、気持ちは、心だけは、あなただけだと、周囲の目のある場所で互いの境遇を嘆いていた二人だった。 フリージアは、首を傾げてみせた。 「私にどうしろと」 「愛し合っている二人の為に、身を引いてください」 カリーナの言葉に、フリージアは黙り込み、やがて答えた。 「貴女はそれで構わないの?」 「ええ、結婚は愛し合うもの同士がすべきなのです!」 カリーナにも婚約者は居る。 想い合っている相手が。 だからこそ、悲恋に嘆く彼らに同情したのだった。

「ババアはいらねぇんだよ」と追放されたアラサー聖女はイケメン王子に溺愛されます〜今更私の力が必要だと土下座してももう遅い〜

平山和人
恋愛
聖女として働いていたクレアはある日、新しく着任してきた若い聖女が来たことで追放される。 途方に暮れるクレアは隣国の王子を治療したことがきっかけで、王子からプロポーズされる。 自分より若いイケメンの告白に最初は戸惑うクレアだったが、王子の献身的な態度に絆され、二人は結婚する。 一方、クレアを追放した王子と聖女はクレアがいなくなったことで破滅の道を歩んでいく。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。

鶯埜 餡
恋愛
 ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。  しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

【完結】婚約破棄した王子と男爵令嬢のその後……は幸せ?……な訳ない!

たろ
恋愛
「エリザベス、君との婚約を破棄する」 「どうしてそんな事を言うのですか?わたしが何をしたと言うのでしょう」 「君は僕の愛するイライザに対して嫌がらせをしただろう、そんな意地の悪い君のことは愛せないし結婚など出来ない」 「……愛せない……わかりました。殿下……の言葉を……受け入れます」 なんで君がそんな悲しそうな顔をするんだ? この話は婚約破棄をして、父親である陛下に嘘で固めて公爵令嬢のエリザベスを貶めたと怒られて 「そんなにその男爵令嬢が好きなら王族をやめて男爵に婿に行け」と言われ、廃嫡される王子のその後のお話です。 頭脳明晰、眉目秀麗、みんなが振り向くかっこいい殿下……なのにエリザベスの前では残念な男。 ★軽い感じのお話です そして、殿下がひたすら残念です 広ーい気持ちで読んでいただけたらと思います