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ズボラライフ2 ~新章~
136.魔法騎士団
しおりを挟む「あーあ、せっかく魔石を取ってきたのに、買い取ってもらえないなんて……」
『ミヤビ様は何故、魔石を買い取ってもらおうなどという行動をされるのですか? 人間のお金なら、ミヤビ様が望めばいくらでも手に入れられます』
ヴェリウスが心底理解出来ないという目で見てくるので、ヘラリと笑って答える。
久々に家でヴェリウスとゆっくり出来ているのだ。しっかりブラッシングしてあげよう。などと思いながら話を続ける。
「確かに望めば何でも出せるけど、そんなのつまらないでしょ」
『つまらない……?』
「うん。こうやって人間のお金よ出てこい! って願えば、ほら、出てくるよね」
ジャラジャラと手から溢れるお金に、ヴェリウスが頷く。
「私にとって、お金を創る事なんて簡単な事だけど、何もせずに手に入るって、全然面白くないよ」
『つまり、ミヤビ様はお金を手に入れる過程に重点を置いているのですね』
「そう! 楽しい冒険をした後に手に入るお金、頑張って働いた後に手に入るお金、そんな風にお金を得るから、面白いんだよ」
『私にはよく分かりませんが、ミヤビ様が楽しいのでしたら、それで良いと思います』
ヴェリウスはやっぱり分からないという顔をするが、私の顔を見て頷いた。
「でも……せっかく取ってきた魔石、どうしようか」
『ルーベンスにでもくれてやれば良いのです』
「それじゃあいつもと同じだよ。もっと変わった事したいな」
『変わった事ですか?』
横腹をブラッシングしてやると、リラックスした状態で目だけ動かすズボラさに、飼い主に似てきたなと思う。
「う~ん、魔石で何か作ってみるとか?」
『何か……、前にアクセサリーを作りましたが? またアクセサリーを作るのですか?』
「そういえばそうだよね。あ、宝石みたいに加工した魔石をふんだんに付けたドレスとかどう?」
『そんなものを一体誰が身に着けるのですか?』
「え~、トモコとか?」
『ミヤビ様は、トモコに道化師の役割を求めているのでしょうか? それでしたら止めはいたしませんが』
そんなものを求めるつもりはない。
まぁ、トモコが魔石ドレスなんて着たら、何を始めるんだってなっちゃうか。
「えー、じゃあ何しよう? ヴェリウスはこの魔石でしたい事ない?」
『特にありません』
即答された。
じゃあ、もうロードにでもあげようかな……。
『ロードも貰っても困ると思いますよ』
ヴェリーちゃん、いつもながらに思考を読まないでもらえます?
「あ!! じゃあ、騎士団の魔法訓練に役立ててもらおう!」
◇◇◇
「───で、どうせ買い取ってももらえないし、でも捨てるのも勿体ないでしょ。それに、ロード達に手伝ってもらって手に入れたから、騎士団の中で魔法が上手な人に、ブローチとかにしてあげちゃうのはどうかなって思って!」
「それは……、面白そうだね」
王宮のロードの執務室で、師団長とアナさんを集め、話を聞いてもらっていたのだが、カルロさんが思ったよりもノリノリで驚いた。
「悪くないですね。現在4師団の“魔法師”はパッとしない存在ですから、ここで話題づくりの為に魔石を与えるというのは良い案かもしれません」
レンメイさんも珍しく賛成してくれた。というか、“魔法師”?
「どうやって魔石を与える者を決めるか、という事が問題だけど、また大会でも開く気かい?」
「大会はこの間開催したばかりですし、どうでしょうか……」
カルロさんの言葉に、この間の大会を思い出す。
結局中止になっちゃったけど、なかなか楽しかった。
「確かに、続けて大会ってのも予算を出し渋りされそうだよなぁ。誰かさんに」
ロードの頭の中にはルーベンスさんの姿が浮かんでいるんだろう。嫌そうな顔をして呟いた。
「では、“魔法師”の4師団合同訓練という体をとり、対戦形式としてはいかがでしょうか」
さすがアナさん。即座に解決方法を提案してくる所はさすがだ。が、ただ小規模になっただけのような気もする。
「はい! それなら、魔法使える人達皆に魔石を渡してもいいと思います!」
私の提案に、ロードが「ああ、各々が魔物を倒して、自分の魔石を手に入れろって事か」と言い始め、ギョッとした。
いやいや、それはまだ早いのでは? 魔物って、普通の人間じゃあまだ倒せないよ?
「実戦経験を積ませるという事ですね……」
「俺ぁ構わねぇぞ。ちょうど“魔法師”共がどこまで戦えるのか知っておきてぇと思ってたしよぉ」
「私もだ」
「では、そのように手配しておきましょう」
クイッと眼鏡を上げるレンメイさんに、皆が頷いた。
「あの……」
「どうした? ミヤビ」
「さっきから“魔法師”って言ってるけど、それ何?」
「ああ、魔法を使って戦う騎士の事を“魔法師”と呼ぶ事にしたんだよ」
カルロさんがにっこり笑って教えてくれるが、
「それなら、魔法師より、“魔法騎士”の方がらしくないですか?」
私の一言に、その場にいた皆が「確かに」と同意したのは言うまでもないだろう。
こうして、魔法師団改め、ルマンド王国魔法騎士団の面々は、各々で魔石を手に入れる為に魔物と戦う事となったのだ。
将来、自分の魔石を手に入れるという事が、正式な魔法騎士になる為の試験になるのだが、そんな事になろうとは、思ってもみなかったのだ。
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いつも楽しく読ませていただいてます!
なんなら寝ずに読み続けるほどハマりました(笑)
更新楽しみに待ってます!
しゅけ様、感想ありがとうございます(人*´∀`)。*゚+
そのように仰っていただき、大変嬉しく思います✨
いやいや、雅の持ってる魔石をあげるって話じゃなかった❓それが何故魔物を倒して魔石を手に入れるとなる❓結局雅の持つ魔石は残るやんw( ゚д゚)ハッ!最終的にトールさんの魔石は誰が取るって事❓w
そういや、昨年末位からPC の方でコメ書いても送信するとページがありませんってなってコメ出来なくてスマホからとゆうめんどい状態なんだよなぁ~これってうちだけなんだろうか❓PC 再起動したり色々やったけど全然かわらない。
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