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ズボラライフ2 ~新章~

132.魔物退治

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「魔物退治~?」
「そう。ギルドが魔石の買取り始めたらしくて、魔物を倒すと主に宝石がドロップされるでしょう。あれって、魔力のこもった魔石でもあるから、どうかなぁって」

店の服を畳みながらトモコにギルドでの事を話せば、トモコの目が輝いた。

「やるに決まってるよ!!」

だよね。

「まずはスライムとか倒せば良いのかな!?」
「トモコ、スライムは魔物じゃないよ」
「へ?」

いまいち分かっていないトモコに、この世界を作った私から説明してあげよう。

「まず、魔物と魔獣の違いは分かるかな?」
「えーっと、魔物はマイナスのエネルギーが集まって出来た存在で、魔獣は魔力がある獣?」
「そう。ざっくり言えばそんな感じ。でも、魔石はどちらの身体の中にも存在します」
「え~? なに、どういう事~??」

そもそも魔石とは、魔力が結晶化したものの事を指す。
魔力がある全ての者は、長年をかけて魔力のカスのようなものが溜まっていき、身体の中で結晶化するのだ。

「ここまではいい?」
「うん。なんとなく分かる。魔物も魔獣も人間も、皆魔石は体内に出来るって事だよね!」
「そう。ただ、魔物は違うところがあってね……」

魔物は負のエネルギーが集まって形になったものだ。その際、負のエネルギーのコアのようなものが出来るのだが、それはまだ魔石ではない。負のエネルギーと魔力とは少し違うものだからだ。

「え!? そうなの?」
「うん。魔物が倒された時に、そのコアも霧散するんだけど、そのエネルギーを利用して、魔力に変換させたものが魔力の含んだ宝石としてドロップされるんだよ」
「へぇ~。あれ? 霧散したコアのエネルギーって、みーちゃんがドロップアイテムにしなかったら、魔素になって世界に戻るの?」
「ううん。魔素っていうのは、魔力の素だと思ってるかもしれないけど、この世界全てを構築する素なんだよ。だから、負のエネルギーも元々魔素が変化して出来たと思ってくれたらいいかな。魔素が変化して出来たものは、そこから変化する事は出来ても、元の姿に戻る事は出来ないの」
「んん??」
「えーっと、例えば目玉焼きを作っても、そこからロコモコ丼にしたりは出来るけど、元の卵には戻せないでしょ」
「おおっ なるほど~!」
「人が死んだら生き返らせる事は出来ないのと同じで、コアが霧散したらそのまま消えてしまうんだよ。でも、消える前に変化させる事は可能だから、ドロップアイテムに変化させたって事」
「ほうほう」

ちょっと話がズレちゃったな。

「話を戻すけど、トモコが言ったスライムは負のエネルギーからは出来てないの」
「じゃあ、スライムは魔獣?」
「分類としてはそうだね」
「あれ~? じゃあなんで魔物扱いされてるんだっけ?」
「魔物も魔獣も全部を“魔物”って呼んでるのは人間だよ」
「そっかぁ!! 紛らわしいなぁもう!」

でも今言った事、全部ヴェリウスが新神勉強会で教えてるって言ってたような……。

「ヴェリーさんの講義は、言い回しが難しくてよく分からないんだもん~。ロードさんだって、あれ、目を開けたまま寝てたよ。絶対!」

それはそれで見てみたい。

「一度新神の勉強会に参加してみるべきかなぁ」
「それいい! みーちゃんが来てくれたら、ヴェリーさんも無茶振りしてこないかもしれないし!!」

え゛、一体何させられてるの?

「まぁ、また勉強会ある時は教えてね」
「オッケー!! 神王様サプライズ登場ね!」

そんな事より、魔物退治の話に戻すよ。

「てかさ、魔物ってそもそもどこにいるの~?」
「そこだよね。この間ルマンドに人型の魔物が現れたでしょ」
「うん。みーちゃんがあのヤバい色の玉作って誘き寄せたアレね」
「そう。逃げられたみたいだけど、人型がいるって事は、魔物が増殖してるって事。だから人間が居るところなら何処に現れてもおかしくないんだよ」
「え!? 街中にいる可能性もあるの!?」

そうなのだ。人型、もしくは何か別の物に擬態して、潜んでいる可能性が高い。

「ルマンド王都ヤバくない!?」
「あ、そこは大丈夫。あの時ルマンド王都の人達から、負のエネルギーを集めたでしょ。だから王都にいる人達の負のエネルギーは今弱いの。餌が無い所に魔物は現れないから、ルマンド王都に居る可能性は低いかな」

ただ、フォルプローム国が気になるんだよね……。

「みーちゃんは、魔物はフォルプロームに居るって考えてるの?」
「うん。あの国の代表を見る限り、ね……」
「ああ~。あれ、酷かったよね~」

だから、魔物退治にフォルプロームへ行きませんか? そうトモコを見ると、「装備を一新するぞー!」と叫んでいた。


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