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番外編 〜 ミーシャ 〜
番外編 〜 ミーシャの日常 授業参観編9 〜
しおりを挟むミーシャ視点
「先生、娘の学園生活は、先生から見てどうなのでしょうか? 騒ぎは起こしておりませんか? お友だちはたくさん出来たでしょうか? 楽しんでいると良いのですけれど」
「ぁ、ばばばば……っ」
「ベル、一気に質問をすると、先生も答えられないだろう」
「まぁ、わたくしったらつい……。先生、申し訳ございませんわ」
「ぅ、え……ばばば」
さっきから先生が白目をむいてあばばば言っているだけなんだけど……、意識はあるのだろうか。
「妻は娘の事となると心配症でな……もちろん、この私も」
「ぎゃんっ」
ぎゃんって鳴いた!? 先生大丈夫!?
「つい先日、アカデミーでお友だちになった三人の娘さんを家に連れて来たのですけれど、わたくしが知る限り、その娘さんたちの他にお友だちがいないようなのです……。ミーシャは、社交に関してはあまり積極性があるとはいえないので、少し心配なのですわ」
「お母様……、心配かけて、ごめんなさい……」
「あぶぇっふぁ!」
お母様にこんなに心配かけていたなんて……。
「ベル、私には一人も友人は出来なかったが、問題なく過ごせている。ミーシャは大丈夫だ」
何でそれを胸を張って言えるのかわからないよ、お父様。お母様困ってるよ。
「───何!? ミーシャの三者面談がもう始まっていると!? 公爵は、順番は最後だから、時間までアカデミーを見学する余裕があると言っていたではないか!? 朕は騙されていたのかっ」
「アンタ、何他家の三者面談に出席しようとしてんのよ」
「レーテ、ミーシャは朕たちの娘のようなものなのだ。朕も三者面談したいのだ!」
と、外からネロおじ様の声が聞こえてきて、とうとう先生が椅子から転がり落ちた。
「せ、先生!? テオ様、先生が……っ」
「ベル、大丈夫だ」
「本当に大丈夫ですの!? 泡拭いてますわよ!?」
まぁ、ほぼ最初から白目むいてたしね……。
「今日の三者面談は中止だな」
こうして、三者面談は中止になったのだ。
◇◇◇
三者面談も終わり、皆が注目する中、恥ずかしかったが両親と共に帰る為、家の馬車に乗ろうとした時、
「お待ちくださいませ!」
ロペス侯爵令嬢が駆け寄って来たではないか。
何事かと顔を見れば、肩で息をしていたロペス侯爵令嬢は、息を整えた後に口を開いた。
「み、ミーシャ様……わたくし、貴方様に釣り合うよう、今まで必死で淑女教育を受けてまいりました……っ」
え?
「貴方様は、ディバイン公爵夫人のように完璧な淑女でないと、笑いかけてくださらないと思っていたからです。ですが、わたくし、間違っていたのですね……っ」
何? どういう事?
「わたくしに足りなかったのは、『わたくしと、お友だちになってください』という言葉と勇気でした……」
ロペス侯爵令嬢は、クロエとナツィー、コニーを見て、「悔しい」とぽろぽろ涙を流している。
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「わ、わたくし……っ、わたくしだって、ずっと……ずっと、ミーシャ様とお友だちになりたかったのに……っ」
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「ミーシャ、ロペス侯爵令嬢は勇気を出してくれましたのよ。あなたもきちんと応えてあげてはどうかしら」
「お母様……」
そうだった。私はもう、小さな子供じゃない。
マディソンにも、いつか言われたっけ……。
【ミーシャ様には立派なお口があり、声も出せます。言葉も理解出来ます。ミーシャ様、後は話そうとする気持ちと、ほんの少しの勇気をお持ちください】
私にも、勇気が必要だったんだ───。
「ロペス侯爵令嬢……、私と、友だちになってくれる?」
「っ……はい……、はいっ、もちろんです!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~ おまけ ~
「レーテ、どうしてミーシャが変装してアカデミーに通っていると、朕に教えてくれなかったのだ!?」
「だってアンタに言ったら、すぐ口を滑らすでしょ」
「そんな事ないのだぞ!?」
「教えてもないのに、ミーシャちゃんの正体バラしそうになったのは誰よ」
「ハッ! 朕なのだ……っ」
ミーシャの日常 恋愛編につづく
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