209 / 371
第二部 第2章
328.地下迷宮探検9 〜 ノア視点 〜
しおりを挟むノア視点
【おおっ、魔力を注いでくれるのか!】
あかいとりさん、うれちいって、バッサバッサとんで、アスでんかのかた、とまって、すべっておちたのよ。【まだわしが止まれるほどしっかりはしておらぬな……】って、じめん、あるいてたの。
「あかいとりさん、この、とうめいないしに、さわってよいのでしょうか?」
【もちろんよ! この水晶に触れて、魔力を流すのだ!】
「わかった」
アスでんか、じめんあるく、とりさんみてうんってちて、まぁるいたまに、まりょくながちたのよ。そちたら、ぽわってたま、ひかって、なか、かじになったの!
「ど、どうしよう……かじに、なってしまった」
「アスでんか、おみじゅ、かける?」
あわあわって、おててはなちたアスでんか、わたちみて、あかいとりさんみたの。
【フフフ……火事ではない。水もいらん!】
ゴゴゴ……
「ノア、じめんが、ゆれている!」
「アスでんか、こわいのよ……っ」
じめん、ぐらぐらちて、アスでんかにおててのばちたら、アスでんかも、おててのばちてくれて、わたち、たち、おててちゅないですわったの。
【───焔の神殿が、『復活』したぞー!!】
ぐらぐら、なくなって、アスでんかと、だいじょぶ、おけがない? って、たちかめてたら、とりさんが、バッサバッサちながらてんじょ、ぐるぐるまわってるのよ。
「これで、せかいは、ほろびないのだろうか?」
「アスでんか、ヒーロー、なった?」
【西の神殿は救われた! しかしな、イーニアスに小僧よ。神殿は後、東南北中央と4つもあるのだぞ! 小僧やその他に3人、管理者になってもらわねば、世界は救われぬわ!】
わたちも、かんりちゃ、なる!
【小僧がもう少し大きくなったなら、東の神殿に行ってみるとよい。そこは水と風の神殿。相性の良い神獣と出会えるであろう】
「ちんじゅう……?」
【珍獣ではない! 神獣だ!! わしもそうだが、東西南北と中央には七神にお仕えする神獣が居るのだ】
「しょれ、ななつない!」
【おおっ、小僧は数が数えられるのか!】
「かぞえられりゅ!」
おかぁさまに、おちえてもらったの。
【そうか、そうか! 小僧よ、一つの神殿に一つの神獣ではない。東の神殿は風と水の神獣がおるのだ。西は火の神獣のわし、北は光、南は闇、中央は地の神獣がおるのだ】
「りょく! ななちがう!」
「うむ、ろくだ。ななではない」
【カカカッ。そう、六神獣だな。賢い子らよ。最後の神獣は神殿にはおらぬからな!! 創造神様の神獣。奴は特別よ】
「とくべちゅ……?」
しょーじょーちんさま、ちんじゅう、とくべちゅなのね。
【それはそうと、神殿が復活したのだ。先程の約束通り、わしの背に乗せてやろう!】
あかいとりさん、とちゅぜん、ボーンッて、おっきくなったの!
「とりさんが、おおきくなった!」
「しゅごーい!」
とりさん、おおきなおかお、ちかじゅけて、いったのよ。
【お前たち、わしの背に乗るのだ。これから、復活した神殿の全貌を見せてやろう!】
ふっかちゅちた、ちんでん?
【早く乗れ! 大空に飛び立つぞ!】
「はい!」
「せなか、のるの!」
うんちょ、うんちょ、って、ふかふかのおせなか、のぼったのよ。
「あつくない」
「あちゅくないの」
アスでんかと、うふふってわらって、ふかふかのはね、よちよちしたのよ。
【よしっ、では飛ぶぞ!】
ちゅばさ、ばさぁってなって、うかんだのよ!
「アスでんか! うんかんだのっ」
「うむ! うかんだ!」
しゅごーいって、したみてたら、アスでんか、てんじょ、ぶちゅかる! って。
「とりさん、めっ。てんじょ、ぶちゅかるの」
【ブァッハッハ、安心せよ。そのような事にはならぬわ!】
そちたら、ピカーッちて、てんじょお、しゅりぬけたの!
「すりぬけた」
「しゅりぬけたのよ」
ひかりのなか、ぐわぁって、あがっていくの!
【ゆくぞー!!】
あかいとりさん、おっきくはばたいて───
あおいおそらのなか、いたのよ。
「「わぁ!!」」
おかぜ、びゅーびゅーちながら、わたあめのなか、はいったの!
「あまくない!」
「あまくないのよ!」
アスでんかと、おめめあって、うふふってわらって、そちたら、わたあめのうえ、ブワァッて、とんでたのよ!
【下を見てみよ! 沈んでいた神殿が、地上に出て来ているぞ!!】
たかーく、たかーくとんでたの、とりさんが、スーっておりて、たまねぎみえたのよ。
「しんでんは、どうくつのなかに、あったのでは、なかったか?」
「アスでんか、おそら、みえてたの。どうくつ、ちがうのよ」
【カッカッカ! 西の神殿があるのは、グランニッシュ帝国の帝都から、遠く離れた西の森の中! 先ほどまではその地下に埋まっておったのよ。小僧が見た空は、幻影魔法で作った偽物だ】
にせもの、だったのね。
【イーニアスよ、神殿を復活させてくれた事、礼を言う】
「あかいとりさん、おかおを、あげてください。わたしは、かぞくや、ゆうじんのいるせかいが、ほろびるのが、いやだっただけなのです」
【イーニアス……っ、やはり赤を纏いし者は愛に溢れておるわ!! 優しい子よ!】
しょう。アスでんか、やさちぃ! わたちも、アスでんかみたい、なりたいの。だからわたちも、ちんじゅうと、なかよち、なる!!
1,631
お気に入りに追加
27,691
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
浮気性の旦那から離婚届が届きました。お礼に感謝状を送りつけます。
京月
恋愛
旦那は騎士団長という素晴らしい役職についているが人としては最悪の男だった。妻のローゼは日々の旦那への不満が爆発し旦那を家から追い出したところ数日後に離婚届が届いた。
「今の住所が書いてある…フフフ、感謝状を書くべきね」
【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」
まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。
気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。
私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。
母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。
父を断罪できるチャンスは今しかない。
「お父様は悪くないの!
お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!
だからお父様はお母様に毒をもったの!
お願いお父様を捕まえないで!」
私は声の限りに叫んでいた。
心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。
※他サイトにも投稿しています。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※タイトル変更しました。
旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。