【完結】アルファポリスでの『書籍化』はナニに魂を売ればデキる？

まみ夜

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ジャンル別考察

ホラーとは

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ホラー小説における「ホラー」とは、何だろう、と考える。

ホラーの原稿を書いたり、調べ物をしているときに限って、ブラウザが落ちたりするのだ。
これは、怖い。
つい、永井豪先生の手天童子（誤字にあらず）を描いておられたときのエピソードを思い出してしまう。

自分なりの結論を書いてしまう、と「わからない」ことだろう。
長年原因不明だった頭痛の原因がわかる、と治っていないのに安心するのと似ているのかもしれない。
数あるホラー映画でも、モンスターをバッチリ映さず、わからないようにしているのと同じかもしれない。

だから、正体がわかってしまう、と対処法を考えるだけなのだ。
だから、某テレビから出てくる奴は、画面前に罠を張る、とギャグマンガにもなってしまう。
つまり、正体がわかってしまえば、害獣駆除になってしまうのだ。
エイリアンも、正体が分かったパート二は「今度は戦争だ」だったし、どんな名前がついていても、倒すべき敵でしかない。
でも、それは、狩の恐怖でしかなくて、マタギが熊を狩る物語は、命がけであっても「ホラーとは呼ばれない」。

確かに、命の危機は、恐怖だ。
しかし、敵国の兵士に追われ自分の基地まで逃げる物語も、「ホラーとは呼ばれない」。
では、追ってくるのがゾンビや妖怪だったら？
映画バイオハザードを見て、どう思った？
ホラーだったか？

医療ドラマも死の危険が散りばめられているが、これも「ホラーとは呼ばれない」。
つまり、命の危機は、恐怖ではあるが、ホラーとは限らないのだ。

では、命の危機がなければ、恐怖はないのだろうか？

例えば毎朝、玄関ドアの前に小石が三つ置かれていたら？
直接的に、命の危機は、なさそうだ。
でも、気持ち悪い。

この気持ち悪いのは、恐怖だろうか？
いや、気持ち悪いと恐怖は、違いそうだ。
気持ち悪いは、不快感であり、恐怖とは別で、その一歩手前と考えられる。

例えば、老人が、若い女性が、幼い子供が、知り合いでも、知らない人でも、石を置いているのをドアスコープから見たら。
感じるのは、正体がわかった安堵ではない。
なぜしているのか、「わからない」恐怖だろう。
これが、「好き」という文字であれば、ストーカー行為など、「わからない」行動ではないので、気持ち悪いのままだ。
（もちろん今後、何をされるか「わからない」恐怖は残るが）

気持ち悪い、を恐怖にするのは、この「わからない」が、必要なのだろう。
例えば、肉屋で売っている生のモツは、気持ち悪いが、恐怖はない。
空き地に、豚レバーが幾何学模様で並んでいたら、恐怖を感じる、ということだ。

つまり、気持ち悪いも、恐怖ではないのだ。
もちろん、石を置いているのが、黒い影だったら、「わからない」から恐怖になるだろう。

この恐怖の元である「わからない」が分かる瞬間のカタルシスが、ホラーなのではないだろうか。
例えば、テレビ番組の心霊特集で、廃屋でがんがんポルターガイスト現象が起きるのを録画して、放映した。
こういう心霊現象がありましたが、原因や関係ありそうな過去情報はわかりません、単なる廃屋でした、だと恐怖ではあったが、結果として、物足りなくないはないだろうか。
物が動いていて、どうしてか「わからない」から、映像を見て悲鳴を上げたが、それだけ。
思い出して、ぞっとする、なんてないだろう。
それは、物語がないからだ。

つまり、「わからない」恐怖を、わかった気にさせる物語が必要なのだ。
それが、ホラーなのだと考える。
そして、わかってしまえば、「わからない」恐怖ではなくなるので、完全な解明は求めていない。
有名なホラー映画のラストが、クリフハンガー方式なのも頷ける。

命の危険、気持ち悪い、恐怖、ホラー、きちんと分けて、書いていくよう自戒したい。

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