上 下
34 / 49
書籍化されるためには

アクセスアップは、どこへ至る道か?

しおりを挟む
 こんな駄文を読んでいる、ということは、きっと書籍化したいのでしょう。
 では、そのためには、アクセスアップ(24hポイント)は必要でしょうか?
 書き手のモチベーション維持には、必要「かも」しれません。

 しかし、逆に問います。

 アクセスが伸びないから書けない?
 であれば、アクセスが伸びたら、書けるんですか?
 いやいやいや、そんなのは言い訳でしょう?
 書き始めたものの、先が思いつかなくて、面白いのを書けなくて飽きてしまって、アクセスないのを理由にしたいだけじゃないんですか?
 アクセスが伸びて、テンション上がったら、もりもりアイディアが沸いてきて、書けるはず?
 正直、数か月かけて文字数五桁に達しないで、モチベーションの維持とか、心折れたとか言われても「向いてないんじゃないですか」としか言いようがありません。

 さてさて、ここで「何文字で、諦めるか」と言っていることが矛盾している、と思われたアナタ。
(通ですね)
 ここで勘違いしてはいけないのが、アクセス数と「お気に入り」の違いです。

 物語を好んでお気に入りしてくださった読者様と、題名とキーワード、内容紹介、パワーワードで釣られて、エロシーンしか読まない多数。
 大事にしなければならないのは、どっちでしょうか?
 アクセス目当てに、安っぽいブランドを掲げては、物語を好んで来てくれた読者様も離れていきます。

 アクセスを増やせば、お気に入りが増える?
 それは、良作であることが前提で成り立つ公式です。
 こんな駄文を読んでいるということは(以下略
 逆に良作であるならば、アクセスはさほど重要ではないのです。
 その証拠として拙作「cat typing ~猫と麦酒~」は、読者投票が110位でしたが、第10回ドリーム小説大賞で奨励賞をいただきました。
 アクセス数が書籍化への道であり、良作の指標であるならば、読者投票上位が入賞を独占して然るべきですが、実態はR18です。
(まあ、拙作は万人受け、という意味での良作ではないので、アクセス数通りのデキ、ともいえるのですが)

 そして逆に、アクセスが伸びたために、「書きたいもの」が書けなくなる可能性もあります。
 なぜなら、アクセス数が落ちるのは、怖いからです。
(自分も、拙作「中身は男子高校生が全寮制女子魔法学園初等部に入学した」で完結へのタイミングと展開を悩んで失敗した経験があります)

 もし、ある展開の話を公開した途端、アクセスが激減したら、どうしますか?
 まず、アクセスが下がった路線を続けるのは、それこそモチベーションとして難しいでしょう。
 それが、後の素晴らしい展開に、どうしてもどうしても必要であった、としても、です。
 なので、アクセスが増える方向へ、物語の舵を切るでしょう。
 そして、「よくある物語」に変節していくのです。

 それは、果たしてアナタの書きたい物語ですか?

 そもそも、ネットでの小説発表の一番素晴らしい部分は、編集者の常識にとらわれないところです。
 ひと昔前の編集者なら、眉を顰めていた企画が、それを通さないことで、読者様のニーズを突き、支持を受け、書籍化される。
 ですが、読者様にも、好みはあるので、そこから外れれば、一時的にでも離れていきます。
 では、読者様が離れる展開は、デキが悪いのか?
 それは、完結してみなければわかりません。

 もう感じてきたかもしれませんが、体重の増減と同じで、日々のアクセスで一喜一憂して方向性を悩んでも、仕方ないのです。

 結局、アクセス数というのは、いかに目立ったかの結果であって、目立ったからといって、物語の出来不出来に「良い影響」を与えるわけではないのです。
(もちろん、良作だからこそ目立つ物語もあるわけですが)
 ものすごーく雑に言ってしまえば、18禁のエロ書いておけば、アクセスは伸びます。
 題名にパワーワードをぶち込み、キーワードと内容紹介を思わせぶりにすれば、アクセスは伸びます。
 新作登録で新作ブーストして、数百文字であっても完結すれば完結紹介に載り、アクセスは伸びます。
 ですが、そんな安っぽいブランドに騙され続けるほど、読者様は、愚かでしょうか?

 非難を覚悟で言えば、アダルト女優で有名になり、転身して一般で受け入れられた方は、ほんの僅かです。
 手段を問わずに、有名にな(アクセスアップす)れば、目的を遂げることができる、とは限らないのです。
 今や、アイドルデビューしても、生き残りが大変な時代です。
 動画配信でバズっても、通報されて垢バンなんて、よく見るでしょう。

 必要なのは、「きっかけ」ではなく、「実力」なのです。
 だってもう既に、ネット小説家デビューは、しているじゃないですか。
 地下アイドルがブレイクするのに必要なのは、「きっかけ」ですか?
 更に言えば、その「きっかけ」を掴めたのは、偶然ですか?

 今まで、一貫して、「読んでもらうための工夫は必要です」と書いてきました。
 でも、それにだけ力を注いだところで、良作にはなれないことも書いてきました。
 うまく書けないなら、「読む」「好きを極める」ことをまず、やりましょう、とも書いてきました。
(最近は、書くための練習方法も解説はじめてますが。反響がないのは、ニーズがないのでしょう)

 手段と目的を混同してませんか?
 アナタは、ナニを望んで、ここで書いた小説を発表しているのですか?
 それには、本当に小説でないとダメなんですか?

 要約する、と「アクセスアップは、どこへ至る道か?」でした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢と金の髪の王子様

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
公爵令嬢アレクサンドラは、ある日婚約者の第二王子・ダニエルに婚約を破棄されてしまう。ダニエルの隣には可愛らしい別の令嬢がいた。アレクサンドラはダニエルとの幼い頃の思い出と絆が忘れられず、一人屋敷で沈む日々を送っていたのだが……。小説家になろうにも掲載しています。 六月五日より続編を不定期更新していきます('ω')ノ

「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」とやりがい搾取されたのでやめることにします。

木山楽斗
恋愛
平民であるフェルーナは、類稀なる魔法使いとしての才を持っており、聖女に就任することになった。 しかしそんな彼女に待っていたのは、冷遇の日々だった。平民が聖女になることを許せない者達によって、彼女は虐げられていたのだ。 さらにフェルーナには、本来聖女が受け取るはずの報酬がほとんど与えられていなかった。 聖女としての忙しさと責任に見合わないような給与には、流石のフェルーナも抗議せざるを得なかった。 しかし抗議に対しては、「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」といった心無い言葉が返ってくるだけだった。 それを受けて、フェルーナは聖女をやめることにした。元々歓迎されていなかった彼女を止める者はおらず、それは受け入れられたのだった。 だがその後、王国は大きく傾くことになった。 フェルーナが優秀な聖女であったため、その代わりが務まる者はいなかったのだ。 さらにはフェルーナへの仕打ちも流出して、結果として多くの国民から反感を招く状況になっていた。 これを重く見た王族達は、フェルーナに再び聖女に就任するように頼み込んだ。 しかしフェルーナは、それを受け入れなかった。これまでひどい仕打ちをしてきた者達を助ける気には、ならなかったのである。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

フェンリルに育てられた転生幼女。その幼女はフェンリル譲りの魔力と力を片手に、『創作魔法』で料理をして異世界を満喫する。

荒井竜馬
ファンタジー
 赤ちゃんの頃にフェンリルに拾われたアン。ある日、彼女は冒険者のエルドと出会って自分が人間であることを知る。  アンは自分のことを本気でフェンリルだと思い込んでいたらしく、自分がフェンリルではなかったことに強い衝撃を受けて前世の記憶を思い出した。そして、自分が異世界からの転生者であることに気づく。  その記憶を思い出したと同時に、昔はなかったはずの転生特典のようなスキルを手に入れたアンは人間として生きていくために、エルドと共に人里に降りることを決める。  そして、そこには育ての父であるフェンリルのシキも同伴することになり、アンは育ての父であるフェンリルのシキと従魔契約をすることになる。  街に下りたアンは、そこで異世界の食事がシンプル過ぎることに着眼して、『創作魔法』を使って故郷の調味料を使った料理を作ることに。  しかし、その調味料は魔法を使って作ったこともあり、アンの作った調味料を使った料理は特別な効果をもたらす料理になってしまう。  魔法の調味料を使った料理で一儲け、温かい特別な料理で人助け。  フェンリルに育てられた転生幼女が、気ままに異世界を満喫するそんなお話。  ※ツギクルなどにも掲載しております。

どうしてか、知っていて?

碧水 遥
恋愛
どうして高位貴族令嬢だけが婚約者となるのか……知っていて?

【完結】婚約破棄なんて、絶対にさせないんだからね!

かのん
恋愛
「もう無理だ。婚約破棄したい。」そう口に漏らすのはこの国の第二王子。 彼の婚約者は決して性格が悪いわけでも、決して見た目が悪いわけでもない。ただただ、彼への愛情が重すぎるのであった。  婚約破棄したい王子と破棄なんて絶対にさせない悪役令嬢の物語。

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

早稲 アカ
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかんでこうとする物語です。

処理中です...