20 / 49
書いた部分を最後まで読んでもらうのためには
意外の匙加減は、意外と難しい
しおりを挟む
気になるのが「意外な結末とか、設定を隠しているんだろうなあ」という展開。
わかるんですよねえ。
読者様を驚かせたい気持ち。
最後の最後に、今までの流れを覆す「意外」。
でも、まってください。
ソコまで、読者様は付き合ってくれるでしょうか?
「意外」に矛盾がないように、ソコまでの展開は、「意外」を踏まえて書かれます。
例えば、表裏一体の存在なので何度も会えないを繰り返す、とか、です。
しかし、読者様は「意外」を知らないのですから、違和感を感じます。
この居心地の悪さが、「意外」まで続くのです。
逆に違和感がない場合は、超絶技巧の書き手か、「意外」が意外ではないからでしょう。
「何文字まで、ガマンさせるのか」にも書きましたが、お金を出した書籍ならまだしも、無料ですから、途中で読むのを止められてしまう可能性が高くなります。
そうさせないためには、ネームヴァリューや文章力が必要となってくるワケですが、こんな駄文を読(以下略)
そして、「意外」まで我慢して付き合ってくださった読者様にとって、「意外」はどう目に映るでしょうか。
突飛であれば、ポカン、茫然、呆れられます。
予想の範疇であれば、ガッカリ、残念、陳腐なだけ。
最悪、「意外」を仕掛けていたコトに気づいてもらえない場合すらあります。
これには、ココまでの伏線、ソレを表現する文章、その量を含めて、極めて絶妙な匙加減が必要です。
手からコインを出す手品で、前フリ三秒だったら拍手がもらえますが、二十分かけたらブーイングされるコトに似ています。
使い古されて見飽きた陳腐な手品を派手な演出で行い、1994年マジシャン・オブ・ザ・イヤー受賞のザ・ペンドラゴンズは、エンターテナーとして超一流だった、というコトでしょう。
(私はアシスタントの衣装以外は嫌いですが)
「書く前に、まず読もう」にも書きましたが、更に厳しい現実として、書き手の「意外」は、既に書かれ描かれ演じられた、知らぬは勉強不足の書き手だけ、という可能性だってあるのです。
だって、「どんでん返し」という言葉が歌舞伎用語転じて「ストーリー展開の一つ」として、認識されているぐらいなのですから。
(大どんでん返しって告白を横取りされるコトだろ? 若い読者様には通じないボケなのでスルーします)
ついでに、読書に慣れた読者様は、裏を読みます。
犯人っぽかったら別人を疑い、名前が中性っぽかったら性別を互い、敵の幹部だったら味方か血縁者を疑い、解決雰囲気だけど二時間ドラマ前半だったらどんでん返しを疑い、完璧キャラの料理シーンだったら激マズ料理を疑います。
もうこのレベルは、「意外」ですらなく、お約束になってしまうのですが。
手品師が右手を見せたら、左手に注目するのにも似ています。
これらの予想を掻い潜っての「意外」。
もちろん、ソレを遥かななたに飛び越えた突飛すぎては(以下略)
要約する、と「意外の匙加減は、意外と難しい」でした。
わかるんですよねえ。
読者様を驚かせたい気持ち。
最後の最後に、今までの流れを覆す「意外」。
でも、まってください。
ソコまで、読者様は付き合ってくれるでしょうか?
「意外」に矛盾がないように、ソコまでの展開は、「意外」を踏まえて書かれます。
例えば、表裏一体の存在なので何度も会えないを繰り返す、とか、です。
しかし、読者様は「意外」を知らないのですから、違和感を感じます。
この居心地の悪さが、「意外」まで続くのです。
逆に違和感がない場合は、超絶技巧の書き手か、「意外」が意外ではないからでしょう。
「何文字まで、ガマンさせるのか」にも書きましたが、お金を出した書籍ならまだしも、無料ですから、途中で読むのを止められてしまう可能性が高くなります。
そうさせないためには、ネームヴァリューや文章力が必要となってくるワケですが、こんな駄文を読(以下略)
そして、「意外」まで我慢して付き合ってくださった読者様にとって、「意外」はどう目に映るでしょうか。
突飛であれば、ポカン、茫然、呆れられます。
予想の範疇であれば、ガッカリ、残念、陳腐なだけ。
最悪、「意外」を仕掛けていたコトに気づいてもらえない場合すらあります。
これには、ココまでの伏線、ソレを表現する文章、その量を含めて、極めて絶妙な匙加減が必要です。
手からコインを出す手品で、前フリ三秒だったら拍手がもらえますが、二十分かけたらブーイングされるコトに似ています。
使い古されて見飽きた陳腐な手品を派手な演出で行い、1994年マジシャン・オブ・ザ・イヤー受賞のザ・ペンドラゴンズは、エンターテナーとして超一流だった、というコトでしょう。
(私はアシスタントの衣装以外は嫌いですが)
「書く前に、まず読もう」にも書きましたが、更に厳しい現実として、書き手の「意外」は、既に書かれ描かれ演じられた、知らぬは勉強不足の書き手だけ、という可能性だってあるのです。
だって、「どんでん返し」という言葉が歌舞伎用語転じて「ストーリー展開の一つ」として、認識されているぐらいなのですから。
(大どんでん返しって告白を横取りされるコトだろ? 若い読者様には通じないボケなのでスルーします)
ついでに、読書に慣れた読者様は、裏を読みます。
犯人っぽかったら別人を疑い、名前が中性っぽかったら性別を互い、敵の幹部だったら味方か血縁者を疑い、解決雰囲気だけど二時間ドラマ前半だったらどんでん返しを疑い、完璧キャラの料理シーンだったら激マズ料理を疑います。
もうこのレベルは、「意外」ですらなく、お約束になってしまうのですが。
手品師が右手を見せたら、左手に注目するのにも似ています。
これらの予想を掻い潜っての「意外」。
もちろん、ソレを遥かななたに飛び越えた突飛すぎては(以下略)
要約する、と「意外の匙加減は、意外と難しい」でした。
0
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢と金の髪の王子様
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
公爵令嬢アレクサンドラは、ある日婚約者の第二王子・ダニエルに婚約を破棄されてしまう。ダニエルの隣には可愛らしい別の令嬢がいた。アレクサンドラはダニエルとの幼い頃の思い出と絆が忘れられず、一人屋敷で沈む日々を送っていたのだが……。小説家になろうにも掲載しています。
六月五日より続編を不定期更新していきます('ω')ノ
「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」とやりがい搾取されたのでやめることにします。
木山楽斗
恋愛
平民であるフェルーナは、類稀なる魔法使いとしての才を持っており、聖女に就任することになった。
しかしそんな彼女に待っていたのは、冷遇の日々だった。平民が聖女になることを許せない者達によって、彼女は虐げられていたのだ。
さらにフェルーナには、本来聖女が受け取るはずの報酬がほとんど与えられていなかった。
聖女としての忙しさと責任に見合わないような給与には、流石のフェルーナも抗議せざるを得なかった。
しかし抗議に対しては、「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」といった心無い言葉が返ってくるだけだった。
それを受けて、フェルーナは聖女をやめることにした。元々歓迎されていなかった彼女を止める者はおらず、それは受け入れられたのだった。
だがその後、王国は大きく傾くことになった。
フェルーナが優秀な聖女であったため、その代わりが務まる者はいなかったのだ。
さらにはフェルーナへの仕打ちも流出して、結果として多くの国民から反感を招く状況になっていた。
これを重く見た王族達は、フェルーナに再び聖女に就任するように頼み込んだ。
しかしフェルーナは、それを受け入れなかった。これまでひどい仕打ちをしてきた者達を助ける気には、ならなかったのである。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
フェンリルに育てられた転生幼女。その幼女はフェンリル譲りの魔力と力を片手に、『創作魔法』で料理をして異世界を満喫する。
荒井竜馬
ファンタジー
赤ちゃんの頃にフェンリルに拾われたアン。ある日、彼女は冒険者のエルドと出会って自分が人間であることを知る。
アンは自分のことを本気でフェンリルだと思い込んでいたらしく、自分がフェンリルではなかったことに強い衝撃を受けて前世の記憶を思い出した。そして、自分が異世界からの転生者であることに気づく。
その記憶を思い出したと同時に、昔はなかったはずの転生特典のようなスキルを手に入れたアンは人間として生きていくために、エルドと共に人里に降りることを決める。
そして、そこには育ての父であるフェンリルのシキも同伴することになり、アンは育ての父であるフェンリルのシキと従魔契約をすることになる。
街に下りたアンは、そこで異世界の食事がシンプル過ぎることに着眼して、『創作魔法』を使って故郷の調味料を使った料理を作ることに。
しかし、その調味料は魔法を使って作ったこともあり、アンの作った調味料を使った料理は特別な効果をもたらす料理になってしまう。
魔法の調味料を使った料理で一儲け、温かい特別な料理で人助け。
フェンリルに育てられた転生幼女が、気ままに異世界を満喫するそんなお話。
※ツギクルなどにも掲載しております。
【完結】婚約破棄なんて、絶対にさせないんだからね!
かのん
恋愛
「もう無理だ。婚約破棄したい。」そう口に漏らすのはこの国の第二王子。
彼の婚約者は決して性格が悪いわけでも、決して見た目が悪いわけでもない。ただただ、彼への愛情が重すぎるのであった。
婚約破棄したい王子と破棄なんて絶対にさせない悪役令嬢の物語。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
早稲 アカ
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかんでこうとする物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる