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都合の良いダイエットとの戦い

糖質制限(低インスリン)・ケトン体ダイエットはダルさとの戦い

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面倒なカロリー計算を諦め、糖質(高GI食品)を減らすことで「摂取カロリー<消費カロリー」を実現しよう、とするダイエット法。

宣伝文句は、
・糖質(高GI食品)を制限するだけで、他は好きなだけ食べていい
・糖質(高GI食品)を制限するだけで、血糖値が上昇せず、脂肪が貯まらない
・糖質(高GI食品)を制限するだけで、エネルギーが足りず脂肪が優先的に使われる
・タンパク質を十分に摂っているので、筋肉は維持される

さて、どこが矛盾しているでしょうか?
では、バッサリ斬っていきます。

・糖質(高GI食品)を制限しても「摂取カロリー>消費カロリー」であれば体重は増える
・血糖値はタンパク質、脂質の摂取でも上昇する上、「摂取カロリー>消費カロリー」であれば脂肪が貯まる
・インスリンは、血糖値上昇なくてもタンパク質摂取で分泌される(ロイシン量が多いと分泌も多い傾向。プロテインを飲んで手足の指先が冷えるのはインスリン分泌による低血糖の症状)
・エネルギーが足りなければ、脂肪より先に筋肉を削る
・筋肉を維持するには、高負荷の筋トレが必要
・高タンパク質食は腎臓疾患、高脂質食は血管疾患のリスクが高まる可能性

なお、GI値は「その食品が炭水化物50gを含む量」で比較しているので、砂糖50gに対して、ウドン約90g、鶏モモ肉約25kgを摂った場合の数値。
また、低GI値でも量を摂れば(しかもウドン(約90gのGI値80/乾麺100g348kcal)1玉とソバ(約70gのGI値54/乾麺100g334kcal)1玉でどっちが良いのかわかりにくい)、血糖値は急上昇するので意味がない、との説もある。
(更には食材単体での話なので、調理で野菜と混ぜたらとか、大量の油で炒めたらとか、GI値がどこまで影響するかは不明)

これを更に進めたのがケトン体ダイエット法。
摂取をほぼ脂肪だけにすることで、脳と身体のエネルギー源を糖質からケトン体に切り替えるダイエット法ですが、タンパク質は身体に重要だ、と摂るように変化。

宣伝文句は、
・糖質を制限するだけで、他は好きなだけ食べていい
・糖質を制限するだけで、エネルギーが足りず脂肪が優先的に使われる
・タンパク質を十分に摂っているので、筋肉は維持される

さて、どこかで見たような内容ですが、どこが矛盾しているでしょうか?
では、バッサリ斬っていきます。

・糖質を制限しても「摂取カロリー>消費カロリー」であれば体重は増える
・エネルギーが足りなければ、脂肪より先に筋肉を削る
・筋肉を維持するには、高負荷の筋トレが必要
・血糖値が下がれば、タンパク質を肝臓で糖質にする(糖新生)
(糖新生は睡眠中の早朝など、食事から時間がたてば、日常的に起きている現象)
・高タンパク質食は腎臓疾患、高脂質食は血管疾患のリスクが高まる可能性

<経験談>
糖質制限は、血糖値が低いため、常にダルいです。
高ケトン状態になるには、摂るのをタンパク質と脂質(と食物繊維)のみにして、筋肉内の糖質を使うための筋トレ、脂肪を使いやすくするための有酸素運動を週3回以上して、2週間ほどかかりました。
脂肪が優先的に消費されている実感はないまま、運動量の維持ができずに、かえって体脂肪率の減少は悪くなりました。
ハイな状態で、無茶をしがちだったのもこの時期。
実体験としては、辛いわりには脂肪は減らなかった印象です。

※糖尿病患者は、医師に相談せず糖質制限を行う、と低血糖発作、血糖値スパイクによる悪化などの危険があります。糖尿病学会は糖質制限を推奨していません。糖質制限を指導する病院に入院してケトアシドーシスを起こし救急搬送された、という報告例もあります。
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