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ダイエット失敗は誰のせい?

ダイエット成功率が極端に高い原因

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有料のトレーナーであっても、善良とは限りません。
ラーメン屋は、開業しているのですからプロであるはずですが、すべてが美味しい店とは限らないのと同じです。
内容紹介にも書きましたとおり、トレーナーも商売人なのです。
慈善事業をやっているわけではありません。

ほぼ必ず申込時に「初日に体重測定と体脂肪率を測定する」と言われるでしょう。
アナタはどうしますか?
体重を(もしかしたら下着姿も)晒す相手は、アスリート体型なトレーナーです。
体重を軽くみせたくて、「初日まで」食べる量を減らしたり、すくなくとも「初日」朝からの水分は控えませんか?

inbodyなどの生体インピーダンス方式の体脂肪率測定は、「水分が多い=筋肉が多い」と測定します。
これは、脂肪はほとんど水分を含まず、筋肉は水分を含む、という統計的な理由からです。
なので、食事を減らして水分保水力が低下したり、水を飲むのを控えて、水分量が減っていれば、体脂肪率が高く測定されます。
そして1ケ月後、トレーナーは運動時の水分摂取の重要性を説き、十分に水分を摂って、更に筋肉が充血するように筋トレをして、体脂肪率を計れば、体脂肪率は下がって表示されるでしょう。
2kg(体内保水力で抜けた分)の水は飲めないので、体重も減っています。
「脂肪が減って、筋肉が増えた。このトレーナーすごい!」です。
次は、もっと効果を出すために、体内保水力が上がるクレアチンを飲まされるかもしれません。
体重は横這いかもしれませんが、(クレアチンによる体内保水力上昇で)体脂肪率は下がって測定されているので、「少し筋肉が鍛えられて増えた。その分、代謝が上がる」と納得します。

そして、不思議なことに、運動に関して、筋トレしか指導しません。
有酸素運動は、筋肉が減るから、とか言うでしょう。
でも、周りを見てください。
筋トレの器具しかありませんよね?
そう、筋トレしか指導する気がないのです。
なぜなら、走るなどの有酸素運動に、指導はほぼ必要ないからです。
ランニングマシンやエアロバイクを30分やらせても、トレーナーは励ます以外にやることはないのです。
だから、痩せるためには筋トレ、と称して指導料を取るのです。
そして、痩せなければ、フォームの粗探しで誤魔化せるのです。

また、トレーナーの体形を見てみてください。
彼らは、筋肉を増やすプロであって、ダイエットのプロでない場合が多いのです。
ダイエットのプロを自称していても、その生涯で、太っていた経験が、(後述の減量ではなく)ダイエットの経験すらなく、ダイエットの辛さ、心理状態を実体験したことがない場合もあるのです。
更には、ダイエットの経験がない、といことは、体質の違いも浮き彫りになります。
つまり、痩せやすい体質の人と同じことをしても、太りやすい体質では、同じように痩せられない可能性が高いのです。
トレーナーご本人が、自分は絞れるから、と筋トレを勧めても、教えられる側は、同じ結果になる、とは限らないのです。
(太ってから痩せる実験をした、という方もいらっしゃいますが、それは出来上がった身体に脂肪がつけたのであって、筋力も体力もない、とは言えません。逆に超肥満だった場合は、体重を支えるために筋力はあった、と言えるでしょうし、ある意味、痩せるのは比較的楽です)
ダイエット目的で指導料を払って、有酸素運動を勧められなかったら、そんな方に当ったのかもしれません。

さて、順調に見えても、本当の意味(脂肪減少、筋肉が鍛えられる)での成果は出ていない水分マジックなので、この後、停滞します。
だって、本当に「痩せる」ための指導をしたら、辛くて辞めてしまうので。
だって、楽して痩せて細くなって、筋肉も鍛えられて代謝が上がって、たくさん食べられるようになる、という「耳ざわりの良い罠」でココを選んだのですから、辛いことなんて請け入れる気は、お客様にはありません。
成果を感じられなくなれば、我慢もできなくなり、食べてしまってリバウンド。
失敗?
いえいえ、そもそも「痩せていない」のです。

そして、トレーナーも「失敗」ではなく『脱落』としてカウントします。
運動や食事などの指示を守った上で、成果が出せなかったのがトレーナーとしての『失敗』です。
そう、指示を守れなかったら、「脱落」なのです。
成果が出ないことを相談すれば、(トレーナーにとっては当然なことなので)指示をもっと厳密に守るように注意し、しかも守れないのを承知の上で、「指示通りにすれば痩せます、アナタならやれます」もしくは「トレーニング量を増やしましょう」と意味のないアドバイスをするのみです。

それに、そもそもトレーナーの言う「痩せる(成果)」とは「筋肉を増やした上で、体重を減らす」なので、実現が不可能に近いのです。
(引き締まるって、言うんでしたっけ?)

一部は、トレーナーに成果をみせたくて、「自主的」に筋トレの回数増や自重ではなくダンベルを使う、有酸素運動、プロテインなど食事を独自で調整、断食や下剤などで、成果を出します。
これが『成功』例です。
基本、ほぼ「脱落」していて、「失敗」がほぼゼロなので、百人中九十九人脱落でも一人が「成果」を出せば、百パーセント近くの高い成功率を誇ります。
脱落者は、始めは成果が出た(と騙された)のに「根性が足りなくて」トレーナーの指示を守れなかった自分が悪い、と自己嫌悪するだけで、悪口は言えません。
だって、指示を守れない弱い心の自分が悪いのですから。

そして、次から次へと高い成功率に騙されて、入会はありますが、「自主的」に成果を出して続けられる人は、ほんの一握りです。
(TWITTEERで某有名有料トレーナーのタグを使っている方の呟きを読んでみてください。半年前後で体調を崩している例を見ることができます。健康的に楽して痩せているはずなのですが。そして、痩せていたときは呟きますが、痩せない場合は消えてしまいます)

逆に、その成果や成功率が本当であれば、TWITTEERなんか(失礼)で広告せずとも、その実績で、世界中に支店を持つ超一流企業、もしくは超セレブ専用の超高額、となっていておかしくありませんか?

(糖質制限ダイエットの実験でも「脱落」が多い論文があり、データの正当性を疑われることが多々あります)
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