異世界チートはお手の物

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第2話 こんにちは異世界

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 俺は今、広場の噴水の近くに立っている。
 そして、目の前の光景に呆気にとられている。

 無事に異世界転移し、俺の目に飛び込んできたのはまさにファンタジーそのものだった。
 中世ヨーロッパを思わせる街並み。そして、そこを歩く人、エルフ、ドワーフ、獣人。魔法らしきものを使っている人もちらほらいる。

「本当に異世界に来たのか、俺……」

 思わずそうポツリと呟いてしまう。というか誰だってこの光景を見たら俺みたいになるに決まってる。やべー、わくわくしてどうにかなりそうだ。

 さて、これからどうするかな。
 よし、まずは王道の冒険者ギルドで冒険者登録を済ませるとしよう。でも、冒険者ギルドってどこにあるんだろうか。てか、そもそもここはどこなんだろう。かなりの大都市っぽいが……。

 まあいいや。その辺の人に聞けば。
 俺は近くにあった果物屋の店主らしきおっさんに話しかけてみた。

「あのー、ここって何て言う街なんだ?」

 俺がそう質問すると、おっさんは一瞬キョトンとしてから笑いだした。

「ガハハハハ! 兄ちゃん面白い事言うねぇ。どこってここは王都ジールに決まってるじゃねえか。世界でもトップクラスのこの大都市だぜ。まさか知らねえはずはあるめえ」

 やけにでかい都市だとは思ってたが、まさか世界トップクラスとは。そりゃ笑われるのも仕方ないな。

「いやー、俺、だいぶ無知なもんで。ははは……」

「そりゃ無知ってレベルじゃねえぞ兄ちゃん。……待てよ? もしかしてお前さん、なんか変な格好だし、髪も黒いし、さては相当な田舎から出てきたな?」

 田舎ねぇ。田舎どころか異世界からやって来たわけだが、そんなこと言えるわけがない。更に大声で笑われることが容易に想像できる。

「まあそんな感じだな。だからちょっと聞きたい事があるんだ。冒険者ギルドってどこにあるんだ?」

「冒険者ギルド? ああ。それならそこの通りをまっすぐ歩いて行けば右手にあるぜ。つーか兄ちゃん冒険者になるのかい? 見たところだいぶヒョロヒョロだけど大丈夫か?」

 少し心配そうに俺を見てくる店主のおっさん。
 確かに俺は特に鍛えてた訳でもないし、見た感じは弱そうだもんな。心配されるのも仕方がないか。

「大丈夫だよ。何せ俺には女神から貰ったチート能力があるからな。じゃ、そういうことで。道教えてくれてありがとよー。そのうちなんか買いに来るわー」

 俺の発言で更に心配そうな表情(というか可哀想な人を見る表情)になったおっさんを尻目に、俺は冒険者ギルドへと向かうのだった。
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