上 下
44 / 44

43.吸涙鬼のごはんになりました。

しおりを挟む
「……うっ…涙っ…………おかえりぃぃっ…」

「はいはい、分かったよっ……ただいま。
そろそろ泣き止まないと~目が腫れちゃうでしょ?」

もう腫れてもなんでもいい。
涙が戻ってきてくれただけで、それだけでいいと心の底から思った。

「…………んっ……ちゅっ…じゅるっ…」


「ふぁっ……んっ…る…ぃ?
ここっ……学…校なんだ…けどっ」

「んー?……んっちゅっ…ふふっ、
   そんなの僕知らなぁ~い。」

「えぇっ!?………ちょ…ふざけん…なぁっ…」

「……それにっ…水葵もここっ………そろそろ
限界でしょ?」

「ひぁっ……お前っ…上からっ…ぐりぐりすんなぁっ……ばかっ」

「……えぇっ?…ダメなのぉ?そっかぁ…
じゃあ、このまま帰ろっか」

俺はこいつが悪魔だと思う。

「ぉ……俺の事…こんなに待たせといてっ…
まだそんなこと言うのかよっ。ばか涙!」

「んっ…可愛いお誘いだねっ
でもさぁ、ここじゃ最後まで出来ないよ?」

「…………ねぇっ…いいからぁっ…はやくっ
るっ…い…」

「………はぁ…分かった、じゃあ、今は抜くだけねっ?」

こいつの、こう言う余裕のあるところが嫌いでしょうがなかったはずなのに、
今はそれさえ愛おしいと思ってしまうんだからすごいな、愛の力ってやつは。







「水葵……?あんまり声出したらダメだよ?隣の部屋に聞こえちゃうからねっ」

「…………わっ、わかった…からっ
はやくっ…………シテ?」

「ふふっ、煽るのが上手だねぇ
水葵。入れるよ?」

熱い、熱いものが、下から込み上げてきて
声を我慢しようと思っていたことすら
ぼやっとした頭の中では忘れてしまう。

「…………ふ……あぁっっ…んっ…はぁっ…
あっ…水葵っ…」

「……っ、涙?んっ…はぁっ…声出さないっでって……あっ……言った…でしょ?」

「……はぁっ……あっ…無理っだっ…てぇ」

「そっか……はぁっ……じゃあ、口でっ…ふさいであけるっ」

涙の舌が口の中に入ってきて、歯の裏側をなぞり、上顎を舐められる。
すると、俺の腰付近がピクピクと痙攣し、息が荒くなる。

「…………んんっ!?……はぁっ…んっ、
くるっ……しい……あぁっ……」

「ほらっ…っ……鼻で息するんだよっ……ん」

「ふ……んっ……ふーっ……ふっ……んっ」

顔にかかる息が、自分の息が熱い。

「……ふふっ、なんか変態くさいなぁっ」

「……んっ!……っざけんな…っあぁんっ!?」

「ほらっ…色っぽいっ…声が出たっ」

「……そっ…れは……んっ…お前がいきなり奥をっ……んっ」

「はいはいっ……んっ…もう話してる余裕なんてっ…ないよ?」

今まで俺のイイところを探っていたかのように、そこだけ念入りに擦りつけ始める。

「あぁっ…んっ……そこっ…ばっかっやめ」

「……っん……はぁっ……僕っ、知ってるんだよ?っ……水葵のやめろはっもっとシテだって事っ……んっちゅっ」

「……ちっ……がぁっ…んっ…もうっでちゃっ……うからっ…」

「……んっ…僕もっ…あぁっ…一緒にっイこう……水葵っ……んんっあ」








「……で?色々と、聞きたいことがあるんだけど?」


「……えぇっと?水葵?僕達…感動の再開を果たしたはずじゃ…なかったかな?」

「そうだけど…あれはあれっ、これはこれだ!!ざっけんな!」

「ひぃっ…なっ何に対して怒ってるの?」

「……わかるだろ…お前がっ、お前が俺に言わなかったことだ。」

「あぁ…それは。だって、言ったら水葵、
ぜったい飲んでくれなかったでしょ?」

「当たり前だっ!ばかっ…どれだけ…俺がっ」

「はいはい、涙腺おかしくなってるよ?
それより僕は、前の僕を見られちゃって少しショックだなぁ。」

いきなり、涙の顔が暗くなったのがわかった。

「………?なんでだ?」

「……だって、君のこと餌としか思ってないとか…子供っぽい所とか…色々と見せちゃったからさ。」

「ははっ、確かに子供っぽかったかもな。
今のお前に比べるとっ」

「ほらっ……」

「でも、あれもお前だった。
前のお前とも会えて俺は幸せ者だよ。」

「……っ…水葵。
あ、でも一瞬、今の僕の事忘れようとしたでしょ?ひっ、どいなぁ~」

「あれはっ……っ……
でも忘れようとしても出来なかったんだ。
いつもいつも、気づくとお前の事考えてて、隣にいるのに…違う、そうじゃないって…ずっと心が叫んでた。でも、前のお前が居なかったら、今のお前はここにいないからな。
まぁ、だから?…………っ
今とか前とか関係なく、俺がまとめて、愛してやるよ。」




「……水葵っ!!」

布団の上で足をばたつかせながら抱きつく様は子供みたいだ。

「おわぁっ!?…ちょっ、急に抱きつくなよ!」

でもこの熱っぽい瞳は、
子供じゃできない顔だけどな。


「水葵…っ…………僕のごはんになってよ。」


「………いいよっ…でも、完食するまで俺を離したら許さないからなっ?」


「……ふふっ、りょ~かいっ……
水葵…好きだよ。」


「……俺も好きだよ。涙っ…………ちゅっ」




ー end. ー

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

おかもと
2020.05.14 おかもと

夜中に見つけて読んだらもう、ボロ泣きしてしまいました‪w
切ない系好きなのでこれからのハピエンを楽しみにしています!|´-`)チラッ

これからも頑張ってください!

黒咲ゆかり
2020.05.14 黒咲ゆかり

感想ありがとうございます☺️✨
ボロ泣き嬉しいですw
まだまだ未熟ではありますが、
あたたかい目で応援していただけると
ありがたいです。

解除

あなたにおすすめの小説

年上が敷かれるタイプの短編集

あかさたな!
BL
年下が責める系のお話が多めです。 予告なくr18な内容に入ってしまうので、取扱注意です! 全話独立したお話です! 【開放的なところでされるがままな先輩】【弟の寝込みを襲うが返り討ちにあう兄】【浮気を疑われ恋人にタジタジにされる先輩】【幼い主人に狩られるピュアな執事】【サービスが良すぎるエステティシャン】【部室で思い出づくり】【No.1の女王様を屈服させる】【吸血鬼を拾ったら】【人間とヴァンパイアの逆転主従関係】【幼馴染の力関係って決まっている】【拗ねている弟を甘やかす兄】【ドSな執着系執事】【やはり天才には勝てない秀才】 ------------------ 新しい短編集を出しました。 詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?

こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。 自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。 ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?

ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話

さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ) 奏音とは大学の先輩後輩関係 受け:奏音(かなと) 同性と付き合うのは浩介が初めて いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく

専業種夫

カタナカナタ
BL
精力旺盛な彼氏の性処理を完璧にこなす「専業種夫」。彼の徹底された性行為のおかげで、彼氏は外ではハイクラスに働き、帰宅するとまた彼を激しく犯す。そんなゲイカップルの日々のルーティーンを描く。

【R18】息子とすることになりました♡

みんくす
BL
【完結】イケメン息子×ガタイのいい父親が、オナニーをきっかけにセックスして恋人同士になる話。 近親相姦(息子×父)・ハート喘ぎ・濁点喘ぎあり。 章ごとに話を区切っている、短編シリーズとなっています。 最初から読んでいただけると、分かりやすいかと思います。 攻め:優人(ゆうと) 19歳 父親より小柄なものの、整った顔立ちをしているイケメンで周囲からの人気も高い。 だが父である和志に対して恋心と劣情を抱いているため、そんな周囲のことには興味がない。 受け:和志(かずし) 43歳 学生時代から筋トレが趣味で、ガタイがよく体毛も濃い。 元妻とは15年ほど前に離婚し、それ以来息子の優人と2人暮らし。 pixivにも投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。