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41.今の僕
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あれから何週間がたっただろうか。
涙は隣に居るのに、何故か会いたいとおもってしまう俺は酷い人間なのだろうか。
「水葵ぃ~……またボーッとしてる」
「あっ…いやごめん。少し…考え事してた」
「……ふ~ん、それってさぁ
記憶をなくす前の僕のことだよね?」
「……!?…」
嘘をつこうと一瞬思ったが、命が惜しいので
素直に返事をすることにした。
「……そうだよ。ごめん」
「……そんなに違うわけ?今の僕と前の僕。」
頬を膨らます表情は前の涙と少しも変わらない。
「…………俺にもさ、何が違うとかよく分からないんだ。話し方も、表情だって変わらないのに。」
「…………っ、水葵の好きな僕ってさ
前の僕で、今の僕じゃないよねっ」
しまった。
と、そう思った。
「……いや、それはっ!
今の涙だって俺はっ…向き合いたいと思ってるよ。」
「……じゃあ、ちゃんとこっち見てよっ!
僕気づいてるんだからね!…………水葵が
目を合わせてくれないの。」
「…………向き合いたい……と思ってるけど
でも、逃げてばっかりだっ……っ」
気づいてしまった。
今の涙と記憶をなくす前の涙の違いに。
今までこんな言い争いをしなかったのも、
二人でいてこんな不安な気持ちにならなかったのも、涙が俺の性格を誰よりもわかって、
俺の事を先回りして考えてくれていたからなんだ。
今の涙は、前の涙より子どもで、少し俺に似ているような気がする。
だからこそ、今度は俺が涙の事をしっかり考えてやらなくちゃいけなかったんだ。
「…………ごめん、涙。
あのさ、一緒に来て欲しい所があるんだ。」
「学校……?なんでわざわざ?今日休みなのに大丈夫なの?」
「あぁ、部活の人もいるし大丈夫だろ、
多分」
「多分って……んで、本当に何しに来たのさ、こんな所に」
「……思い出話をしようと思ったんだ」
初めてあった日の話をしながら、
あの日と同じ所へあるいていく。
「……水葵、これって何のためにやってるの?」
「ん~、俺が前の涙にしたこと
今の涙が体験してないなんて不公平だろっ?あとは…」
あとは…この思い出に別れを告げるため。
「今度こそ本当に、涙と向き合うため。」
「…………。水葵…それでいいの?
本当に…後悔しない?」
今度は目を合わせて言う。
「……しない。だから、少し待ってて。
必ず今の涙だけ…見るから。」
「……んっ……ありがとう。水葵。」
きっとこの選択は間違っていない。
過去のことをどう話したって今の涙は知らない。でも、こいつは紛れもなく俺の好きな涙だから。
涙は隣に居るのに、何故か会いたいとおもってしまう俺は酷い人間なのだろうか。
「水葵ぃ~……またボーッとしてる」
「あっ…いやごめん。少し…考え事してた」
「……ふ~ん、それってさぁ
記憶をなくす前の僕のことだよね?」
「……!?…」
嘘をつこうと一瞬思ったが、命が惜しいので
素直に返事をすることにした。
「……そうだよ。ごめん」
「……そんなに違うわけ?今の僕と前の僕。」
頬を膨らます表情は前の涙と少しも変わらない。
「…………俺にもさ、何が違うとかよく分からないんだ。話し方も、表情だって変わらないのに。」
「…………っ、水葵の好きな僕ってさ
前の僕で、今の僕じゃないよねっ」
しまった。
と、そう思った。
「……いや、それはっ!
今の涙だって俺はっ…向き合いたいと思ってるよ。」
「……じゃあ、ちゃんとこっち見てよっ!
僕気づいてるんだからね!…………水葵が
目を合わせてくれないの。」
「…………向き合いたい……と思ってるけど
でも、逃げてばっかりだっ……っ」
気づいてしまった。
今の涙と記憶をなくす前の涙の違いに。
今までこんな言い争いをしなかったのも、
二人でいてこんな不安な気持ちにならなかったのも、涙が俺の性格を誰よりもわかって、
俺の事を先回りして考えてくれていたからなんだ。
今の涙は、前の涙より子どもで、少し俺に似ているような気がする。
だからこそ、今度は俺が涙の事をしっかり考えてやらなくちゃいけなかったんだ。
「…………ごめん、涙。
あのさ、一緒に来て欲しい所があるんだ。」
「学校……?なんでわざわざ?今日休みなのに大丈夫なの?」
「あぁ、部活の人もいるし大丈夫だろ、
多分」
「多分って……んで、本当に何しに来たのさ、こんな所に」
「……思い出話をしようと思ったんだ」
初めてあった日の話をしながら、
あの日と同じ所へあるいていく。
「……水葵、これって何のためにやってるの?」
「ん~、俺が前の涙にしたこと
今の涙が体験してないなんて不公平だろっ?あとは…」
あとは…この思い出に別れを告げるため。
「今度こそ本当に、涙と向き合うため。」
「…………。水葵…それでいいの?
本当に…後悔しない?」
今度は目を合わせて言う。
「……しない。だから、少し待ってて。
必ず今の涙だけ…見るから。」
「……んっ……ありがとう。水葵。」
きっとこの選択は間違っていない。
過去のことをどう話したって今の涙は知らない。でも、こいつは紛れもなく俺の好きな涙だから。
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