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40.癖
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白い天井に、少しする薬品の匂い。
まだ、ぼやっとしている頭で必死に考えたことは、自分の事ではなく、涙の事だった。
「…………涙?」
うたた寝をしている彼の横顔は
元の彼に戻りつつあるような、
そんな期待をしてしまう自分がいる。
「……ん……水…葵?……水葵っ」
泣いてはいけない彼の瞳には
痛々しい俺の姿が反射するほど
涙がたまっていた。
「……ばか、お前が泣いたら、
もっと俺の事忘れちゃうだろ?…っ」
だから、これは水葵のかわりだと、
言い訳をして、涙が流せないそれは、
俺の頬を伝っていった。
「……んっ…」
今まで舌のザラザラとした感覚をこんなに
愛おしいと思ったことがあっただろうか。
「……涙っ…………」
「水葵………僕、思い出したいと思ったんだ。君との事。…………でも、やっぱり思い出せなくて……僕っ」
「…………涙。俺は、いくらでも待つよ。
涙が俺を好きになってくれるように。
頑張るよ。」
「…………思い出させるんじゃなくて?
それくらい言ってくれなきゃ、
だってもう、それは達成してるからね」
「…………っ、そうかっ……ははっ
涙……好きだよ。」
「僕も……好きだよ、水葵。」
「はよ~沖水、あれ?今日高橋と一緒なんだ」
「うん、やっと退院出来たからね~」
「高橋も災難だったなぁ、お前何も悪いことしてないのに」
「……あ……確かに、考えてみればそうだな」
「おいおい、今更かよぉ……
高橋って以外に面白いやつだったのな」
「…………っこら!僕の水葵とったらだめだかんな!」
「あぁ、はいはい。んじゃ、またな。
沖水と高橋~」
「……涙、お前さぁ人前で変な事言うなよなぁ…ったく。」
「ん?何?僕なんか間違えたこと言った?」
最近、俺にも友人が増えてきて
どうもこいつは、最近調子が良すぎるみたいだ。
俺としては少し嬉しくもあるんだけれど、
どうしても、記憶を無くす前の涙と今の涙を重ねてしまう。
今の涙に対してそれは最低だと思っているのに。
「なになに?どうしたの、水葵?」
「あ…あぁ、いや、なんでもない。」
このやり取りは何回しただろうか。
そろそろ、涙が勘づいてしまう頃なのではとヒヤヒヤしながらも、今はもう癖になってしまったこのやり取りをやめられずにいた。
まだ、ぼやっとしている頭で必死に考えたことは、自分の事ではなく、涙の事だった。
「…………涙?」
うたた寝をしている彼の横顔は
元の彼に戻りつつあるような、
そんな期待をしてしまう自分がいる。
「……ん……水…葵?……水葵っ」
泣いてはいけない彼の瞳には
痛々しい俺の姿が反射するほど
涙がたまっていた。
「……ばか、お前が泣いたら、
もっと俺の事忘れちゃうだろ?…っ」
だから、これは水葵のかわりだと、
言い訳をして、涙が流せないそれは、
俺の頬を伝っていった。
「……んっ…」
今まで舌のザラザラとした感覚をこんなに
愛おしいと思ったことがあっただろうか。
「……涙っ…………」
「水葵………僕、思い出したいと思ったんだ。君との事。…………でも、やっぱり思い出せなくて……僕っ」
「…………涙。俺は、いくらでも待つよ。
涙が俺を好きになってくれるように。
頑張るよ。」
「…………思い出させるんじゃなくて?
それくらい言ってくれなきゃ、
だってもう、それは達成してるからね」
「…………っ、そうかっ……ははっ
涙……好きだよ。」
「僕も……好きだよ、水葵。」
「はよ~沖水、あれ?今日高橋と一緒なんだ」
「うん、やっと退院出来たからね~」
「高橋も災難だったなぁ、お前何も悪いことしてないのに」
「……あ……確かに、考えてみればそうだな」
「おいおい、今更かよぉ……
高橋って以外に面白いやつだったのな」
「…………っこら!僕の水葵とったらだめだかんな!」
「あぁ、はいはい。んじゃ、またな。
沖水と高橋~」
「……涙、お前さぁ人前で変な事言うなよなぁ…ったく。」
「ん?何?僕なんか間違えたこと言った?」
最近、俺にも友人が増えてきて
どうもこいつは、最近調子が良すぎるみたいだ。
俺としては少し嬉しくもあるんだけれど、
どうしても、記憶を無くす前の涙と今の涙を重ねてしまう。
今の涙に対してそれは最低だと思っているのに。
「なになに?どうしたの、水葵?」
「あ…あぁ、いや、なんでもない。」
このやり取りは何回しただろうか。
そろそろ、涙が勘づいてしまう頃なのではとヒヤヒヤしながらも、今はもう癖になってしまったこのやり取りをやめられずにいた。
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