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31.解毒薬
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あと3日。
学校生活で言えば新しい週が始まったばかりで早く終わって欲しいと憂鬱だが、
俺は真逆の意味で鬱だった。
3日、ピッタリ72時間ではない。
この数字はあくまでも目安だ。
俺があと何日生きられるか。
それが、あと3日だ。
痣は昨日1日で俺の体の3分の2くらい
埋めつくした。
身体中に走る激痛は初めの頃に比べて強くなっていた。
涙によると濁してはいたが、
これを治す手がかりがあるようだ。
それを早く使って欲しいものだが。
「っ………………いっ…………た……」
「水葵……。」
心配そうにこちらを覗く涙の手には
水の入ったコップがあった。
「これ…飲める?」
コップの大きさにしては
随分と少ない量の水だ。
「……何、これ」
「……お薬っ。
この間宮川先生から貰ったんだ!」
「……なんで、もっと早く出さないんだよ。」
「いや、これには条件があってねぇ……
ん~と……なんだっけ?」
「…………大事なことなんじゃないのか?」
「あっ、そだそだ、体の3分の2程度の
痣が出たら、飲むと効果的らしいの」
「…………そこまでが辛いんだよな……」
「まぁまぁ、ほらこれ飲んだら確実に治るからさ!」
「本当か?……なんか確実とか言われると逆に不安だな。」
「は~や~く」
涙のテンションが高いのを見るところ
本当のようだ。
苦味が嫌いな俺は覚悟を決め、
コップに口をつける。
「…………んっ……ゴク」
(!?……甘い?様な……なんか知ってる味。)
「どう?」
「……………………甘い。気がする。」
すると、涙が不思議そうな顔をする。
「へぇ…これ、普通の人が飲むとしょっぱいらしいけど、蛇移しにかかった人は甘く感じるんだ……」
「しょっぱい?……そんな味はしなかったけど」
しょっぱい薬なんてあるのか?
「これで、絶対治るからっ!
明日も頑張って飲もうねっ」
幼稚園児にでも話しかけている様な口ぶりだ。
たまにこいつは、俺を馬鹿にしているのではないかと思う。
学校生活で言えば新しい週が始まったばかりで早く終わって欲しいと憂鬱だが、
俺は真逆の意味で鬱だった。
3日、ピッタリ72時間ではない。
この数字はあくまでも目安だ。
俺があと何日生きられるか。
それが、あと3日だ。
痣は昨日1日で俺の体の3分の2くらい
埋めつくした。
身体中に走る激痛は初めの頃に比べて強くなっていた。
涙によると濁してはいたが、
これを治す手がかりがあるようだ。
それを早く使って欲しいものだが。
「っ………………いっ…………た……」
「水葵……。」
心配そうにこちらを覗く涙の手には
水の入ったコップがあった。
「これ…飲める?」
コップの大きさにしては
随分と少ない量の水だ。
「……何、これ」
「……お薬っ。
この間宮川先生から貰ったんだ!」
「……なんで、もっと早く出さないんだよ。」
「いや、これには条件があってねぇ……
ん~と……なんだっけ?」
「…………大事なことなんじゃないのか?」
「あっ、そだそだ、体の3分の2程度の
痣が出たら、飲むと効果的らしいの」
「…………そこまでが辛いんだよな……」
「まぁまぁ、ほらこれ飲んだら確実に治るからさ!」
「本当か?……なんか確実とか言われると逆に不安だな。」
「は~や~く」
涙のテンションが高いのを見るところ
本当のようだ。
苦味が嫌いな俺は覚悟を決め、
コップに口をつける。
「…………んっ……ゴク」
(!?……甘い?様な……なんか知ってる味。)
「どう?」
「……………………甘い。気がする。」
すると、涙が不思議そうな顔をする。
「へぇ…これ、普通の人が飲むとしょっぱいらしいけど、蛇移しにかかった人は甘く感じるんだ……」
「しょっぱい?……そんな味はしなかったけど」
しょっぱい薬なんてあるのか?
「これで、絶対治るからっ!
明日も頑張って飲もうねっ」
幼稚園児にでも話しかけている様な口ぶりだ。
たまにこいつは、俺を馬鹿にしているのではないかと思う。
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