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6.空腹

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「ぁぁぁあああ!!!もうっ!!」

「どうしたの?水葵…」

「毎日毎日泣かされて、こっちは精神的にきてるんだよ!!!」

「……あぁ…まぁ、それもそうか。」

「だいたいなんで俺なんだよ
泣かせるだけでいい奴だったら
たくさんいるだろ。」

「…そうだね、じゃあ、今日は…
やめておくよ。」

「当たり前だ。こう毎日舐められてたら
おかしくなる。」

「……じゃぁ……おやすみ。」

(…よし。よく言った俺!
こいつが引き下がったのはこれが初めてだ)

その日、とてもいい気持ちで眠りについた。


「ふわぁっ…おはよぉ…水葵。」

「いい朝だ。」

(昨日はあの夢も見なかったしっ、
最高の目覚めだ。)




「ただいまぁ~…」

「あの…さ…今日は…」

「ん?おやすみ~」

(言わせるものか。)

「………。うん。おやすみ。」





「なぁなぁ、そう言えば、涙
林間の班誰と組むんだよ?」

クラスの奴らは林間学校という俺には
全く関係の無い行事について楽しそうに話している。

「う~んっと…僕はねぇ」

俺の方を気まずそうに見つめる。

「…おぃ、ロ、高橋とはやめとけって」

「う~ん…でも僕は一緒がいいかなっ
なんて、あは」

「はぁ…も~諦めるよっ、お前は変わり者だなぁ。」




「み~ず~きっ!同じ班に…しようね?」

「……。」

(こいつと同じ班とかろくな事起きなそうだが…。)

「…ね?いいでしょ?」

「勝手にしろ、俺には関係ない。」

(昨日も、吸涙しないで済んだしいいか。)




「ただいまぁ~」

「はぁ…」

(林間の準備って、案外めんどいんだよなぁ。)

しおりをみながら明日の林間学校に持っていく荷物をバックにつめる。

「あのぅ…水葵さん?
今日は…吸涙……って」

「ん?明日は林間学校だから
早く寝ようなぁ~?」

「…………あはっ、そうだよね。
楽しみだなぁ~水葵と2人で…」

「いや、俺とお前だけじゃねーから。」

「楽しみでもちゃんと寝るんだぞ~?」

(こいっつ…わざとやってんらだか知らないけどムカつく。)

そう俺をイラつかせる冗談を言う
涙の顔色はいつもより少し青かった。
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