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24.もう一度

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「おぉぉぉ!!! 広ぉぉい!!
別荘って、もっと小さいもんだと思ってたんだけどっ」

…さすが‪α‬だっ…

「まぁ、広いのはリビングだけだけどなっ!部屋数もそんなに無いしっ」


「別荘なんだし十分だよぉ~」

おっと…なんか、なおがぶりっ子してるぞ。
金に誘われたかっ…。


「ところで上尾、部屋数っていくつなんだ?」

4部屋あればいいんだけど…


「2部屋だなっ!」


はぁ~い、シンキングタイム!!

俺とゆうが同じ部屋の場合。

いや、ストーリー的に嫌な予感しかしない。

俺と上尾が同じ部屋場合。

………襲われそうだっ。

俺となおが同じ部屋の場合。

………これだぁっ!!これが最善策だっ。


「えっと、じゃあ、俺はn」


「俺は上尾君と同じ部屋にするよ~!」


…………金に目がくらんだかぁぁなぉぉぉ!!


でも、確かに、この組み合わせが妥当だよなぁ。
俺とゆうは付き合ってるって話した訳だし。

いや?でも……


「αとΩで大丈夫なのか?」


それ!それだよゆうっ!


「……うぅ~ん、俺は上尾君とがいいなぁ」


怖いっ…何も言うなと言わんばかりに睨んでくるなおっ…こんなやつだったか、こいつ。


「そっ、そうかよっ、いいよ?別にさ?
俺だってゆうと同じが良かったし?」

おぉい、おいおいっ?!

何言ってんだよ俺ぇ!!!

くっそぉ…変なところで睨みあっちまった…


「ふふっ、ならいいよねっ?」

にこっと、自分で可愛いってわかってるだろ
お前それって思うほどあざとい笑顔で笑われた。

負けた気がする。


んじゃなくて、負けたんだろうなっこれ(泣)


「……………はい。」






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








「ゆ、ゆう…っ…」


なっ…なんでこんなに近いんだぁ?!

これって少女漫画の壁ドンってやつじゃっ

いや、いやでも、上尾達も見てないからそんなことする必要ないし…

シーンなのか?! それとも…




お、俺っ…期待すんなバカっ…




「ゆう……?俺、荷物…置きたいんだけど」


そうなんだよ。
部屋に入ったとたんこれだから、
荷物すら置かせてもらえていない。

俺はただゆうの強い視線に耐えるために
リュックを抱きしめることしか出来ない。


「……上尾と…同じ部屋が良かったのか?」




「え?」




そんな訳…と言おうとした所で、
複雑な心の中の何かに言葉を遮られる。



「当たり前だろ……気まずいんだよ。バカ。だからほっとけっ。」




「………もしかして、キス…したこと?」






「………………て…だったんだからなっ。」





「は?」





「………だからぁっ!初めてだったんだよ!」






ゆうが目を丸くする。
そして、見たことも無い優しい笑顔で笑った。



なぁっ…?!


なんで、このタイミングでそんな顔…

不意打ちすぎるだろっ…近いし。




「ふっ、初めてって、前にシーンの時しただろうがっ」




こいつっ?!鼻で笑いやがった?!



そういうことじゃなくて!!

 
あーゆーディープな感じのは…初めてってことでっ………………ってぁぁぁああ


「お前なぁっ!!!……仕方なかったとはいえ…お前のせいなんだから」


俺の声を遮るように言う。

「そうだなっ。じゃあ…今度はちゃんとしてやるよ。」



「はっ………………はぁ?!お前反省してっんぐっ?!」



ゆうの、男なのに柔らかい唇が
俺の唇に熱く重なる。


「んっ……はぁっ……ゆうっ……やめっ…」


……何だこの感じっ…


なんか、これっ………さっきのと全然っ…



「……っはぁ…ところで、なんで呼んでくれねーの?」



「………ん………へ?」


うるさいっ…こっちは、頭がぼーっとして
それどころじゃないんだぞ?



「武尊…………って………呼んで。」




っ………なんで…………こんなことするんだ。



俺だって………諦めようとしてるのにっ。






「武尊っ………………」







なんだろう………体はすごく熱いのに、
心が冷たい。





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