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20.嫌な奴
しおりを挟む「さぁさぁっ!俺を泣かせた罰として
きっっちり教えてもらうかんなぁ勉強!」
「やったぁ~!俺も頑張る~」
「…………なんでなおまでいるんだ。」
「お前にまたなんか変なことされたらたまったもんじゃねぇからなっ!」
おいっ、両思いなんだからいいじゃんとか思ったそこのお前!!!
……俺的にはまだ「両思い」じゃないのだよ
あと、俺もそうなるつもりは無い
だって、こいつにはもう既に思っている人がいるんだから。
「…………ゆう、これ何ぃ…意味不」
そんな悩みはさておき、俺は数学の問題に頭を悩ませていた。
「…………ん?…それは…………」
ゆうの顔が俺のノートを覗き込むかたちで
俺の顔の近くに来る。
「…………………お前なぁ…俺は何もしてないからな?」
少しショックだった。
ゆうが近くに来るだけで何かされるんじゃないかと期待してしまっていたのは俺の方だったんだ。
「……るっせぇ…ほらっ、分かんないの!
これ!!!」
顔が赤くなってしまったことがまた
恥ずかしくて声を張り上げて誤魔化す。
「ほらぁ~そこ!二人の世界作らないで!」
なおが俺はちゃんと勉強する気で来たのにと文句を言うものだから、俺だって同じだと言おうと思ったが、今の自分の態度からしてそうは見えないのは明確だった。
くっそぉ…俺だって好きでこんな気持ちになった訳じゃっ……
勉強をする時間は退屈だ。
だから、すごく長く感じるのだろう。
でも、今日は何故かあっという間に時間が過ぎていった。
⿴ ⿻ ⿸ ⿴ ⿻ ⿸
「ゆう、まこ!ありがとうっ…また明日!」
初めて会った時と比べるとなおは明るくなった気がする。
それはいいんだけど……なんかこいつ調子に乗ってやがるぜ…
「また明日~!……って明日学校休みだよな?」
「…まさか、なお?……明日もここ来るなんて言わないよな……」
ゆうはさすがに教え疲れたのか
いかにもダルそうな表情をしている。
「えぇ~…ダメ?……俺、最近二人と仲良くなれて嬉しかったんだけど。」
「っ………しょっ、しょ~がねぇなぁ」
そんなこと言われちゃぁ…
「やった!まこならこう言えばいいって言ってくれると思ったよ~」
「はぁ?!なおっ!ちょっと最近生意気だそ!お前!!」
「おい、教える俺の許可は取らないのかよ。」
なんだかんだ言って楽しいし、騒がしくしているけど、なおが居なくなったあとゆうと
いや、武尊とあの部屋で2人になるのが少し怖い…かも。
ぁぁぁぁぁあ!もうっ………
なんで俺ってこう……好きって気持ち隠せないんだろう。
武尊が俺を好きになってしまうのはこの世界の力の影響上仕方ないんだけど、
だけど、それが…この世界のせいだって言うのも気に食わない。
でもでも、あいつには大切な人が…居た。
その人は、もう居ないんだから、俺を見てほしいとか…そんな汚いこと思うやつだったなんて…
俺って本当に………………
嫌な奴。
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