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第八章 真実は何処に

ジャガイモに想いを込めて

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「そうだ。アキさんに、ポテトフライを作ろう」

 大量のジャガイモを前に。
 ミリアはそう決心すると、重たい麻袋を両腕に抱えて家の中に入った。

(アキさん、前に私のジャガイモが出来たらポテトフライが食べたいって言ってたもんね。ポテトフライが好きなら、これを食べて、ちょっとでも元気になってくれたら……)

 そんな小さな願いを込めて、ミリアは、新しいエプロンを身に着けると、袋の中から形のいいジャガイモを数個取り出し、残りをストック用の籠の中に入れた。

 それから、取り分けた形のいいジャガイモ九個ほどを、台所の水で綺麗に土を落とすと、ミリアは、ジャガイモの皮を包丁で丁寧に剥き、ジャガイモを慎重に薄くスライスしていく。

 そうして、薄くスライスしたジャガイモに塩を振り、まな板の上に置いておくこと五分。

 ミリアは、用意しておいた乾いたタオルでジャガイモの水気を拭きとり、しんなりしたジャガイモを二枚、少しだけ重なるように並べてクルクルと丸めると、木で出来た短い串で崩れないように一個ずつ丁寧に留めていった。

 それを数十回ほど繰り返すと、ミリアは、出来上がった串刺しのジャガイモたちに、薄力粉と塩が混ざった粉をまぶしていく。

 それから、準備していた揚げ油の入ったフライパンの油を温めること、中火で約、四、五分程度、菜箸さいばしを入れて細かい泡がシュワシュワと上がって来る時点で。

 ミリアは串刺しのジャガイモを投入し、きつね色になるまで約三分間揚げていく。

 パチパチと油が跳ねる音を聞きながら約三分の後――。

 こんがりきつね色に焼けたジャガイモの端っこに、小さくかぶり付くミリア。

「ん! おいしいー! これに岩塩と黒コショを振ればもう最高!」

 そう言うと、ミリアは手際よく油から取り上げたジャガイモたちに岩塩と黒コショウをまぶしていく。

 と、こうして。

 外はカリカリ、中はホクホクの、あつあつポテトフライが完成するのであった。



「さて、アキさんの所に届けに行きたい所なんだけど。アキさんの家、未だに何処にあるか分からないんだよね。エマさんなら知ってるかな。あ、エマさんにもジャガイモ持っていこう」

 そう言って、ストック籠の中からジャガイモを六個取り出すと、茶色の紙袋の中に入れて、買い物用の大袋の中に入れる。
 そして、ポテトフライを詰めた木製の容器も紙袋に入れ、大きな袋の中へと入れると、ミリアは付けていたエプロンを外し姿見すがたみで自分の髪や服装を手で整えていく。

 そして、準備が完璧に整ったのを確認すると。

 ミリアは小さいリュックを背負い、先ず、アキの居場所を教えて貰うため、エマのいる酒場へと急ぐのであった。
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