上 下
4 / 5

人それぞれ辛い過去がある。

しおりを挟む
(神谷祐人)の幼かった頃の話をしょう。


ある日、幼稚園から家に帰るとお母さんが泣いていた。

幼い俺は「お母さん何で泣いてるの?」と聞く。

お母さんの答は「死神がいるからよ」だったのだ。


幼い俺にとっては良く意味がわからなかった。


その日を境にお母さんとの間が遠くなっていくのを感じた。


だが、お母さんとの間は遠くなったが、お父さんとは今まで通り。


幼い俺は、何故なのか必死になって考える。が思い当たらない。


考えるのをやめ、お父さんに聞いてみることにした。


「お父さん、何でお母さん僕と喋ってくれないの?」とお父さんに聞いた。

そしたら、「心配するな!お母さんはいつか、悠人と喋ってくれるさ。きっと」

とお父さんは笑い飛ばした。

その頃の俺は、素直だったので、「うん、」と言いお母さんが喋ってくれる日を待ち続け。

しかし、

その前にお母さんは限界が来たのか、

お父さんと離婚することになり幼い俺は理由も良く知らずお母さんがいなくなった。

俺は、「何でお母さんいなくなったの?」とお父さん疑問をぶつけたのだ。


お父さんは「心配するな!お父さんがいるだろう?泣くな。」とまた笑い飛ばした。


がその時のお父さんの顔はとても辛そうだった。



それから、一年がたち小学校へ入学したばかりのことだ。

俺はクラスメートたちと仲良くなり友達もできた。

数年が立ち

高学年に上がったばっかりの時にトラブルが起きてしまった。


俺が、友達と小さなことで口喧嘩になった。

口喧嘩は、徐々にヒートアップしていき相手が持っている木の棒で俺を叩こうと振り上げた。俺は危ないと感じ手で防ごうと手を前にする。

相手はそのまま振り下ろし、

「あ、もうダメだ。」と直感した時、木の棒が俺の手に当たり一瞬で消滅した。

俺は、何が起こったかわからな・・・いや、わかるはずもない。


その日の夜、お父さんに今日あったことを説明した。

そしたら、お父さんは「祐人すまなかったな。」と急に謝った。

「どうしたの?」と聞き返す。

「悠人、幼稚園行ってた時、車に挽かそうになったのを覚えてるか?あ~覚えてないか。

まぁ良いが、挽かれそうになった時

お父さんやお母さんは「もうダメだ」と思った。が次の瞬間お前は、生きていた。

死んでるはずのお前が生きていた。そして、車は消えていた。

俺とお母さんはその時、何がなんだかわからなかった。

ただ、無事でいたことを喜んだ。


翌日、一人の男が行方不明になっているのをニュースでみた。

その行方不明の男は何処かで見たことがある人だなと、

深々とそのニュースを見ていると昨日のことが浮かんだ。

車を運転していた男の顔を思い出してみるとニュースになってる男と同じ顔だ。

いや、同一人物だったのだ。

そして、冷静に昨日のことを思い出す。

すると、お前は車に手を触れた瞬間車は消滅していた。


その日を境に、度々お前が危ないことになると異能の力が発揮するのだ。

今まで、黙っててすまなかった。」

とお父さんは今まであったことを話してくれた。

お父さんはその話をした日から数日はあまり喋ってくれなかった。



お母さんが居なくなった理由がわかった。「死神がいるからよ」の意味もわかった。


全ては、俺が悪かった。


良く考えてみると、近所の人たちは俺に近づいて来ようとはしなかったのだ。




皆、俺の能力を恐れていた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

エスパーを隠して生きていたパシリなオレはネクラな転校生を彼女にされました

家紋武範
青春
人の心が読める少年、照場椎太。しかし読めるのは突発なその時の思いだけ。奥深くに隠れた秘密までは分からない。そんな特殊能力を隠して生きていたが、大人しく目立たないので、ヤンキー集団のパシリにされる毎日。 だがヤンキーのリーダー久保田は男気溢れる男だった。斜め上の方に。 彼女がいないことを知ると、走り出して連れて来たのが暗そうなダサイ音倉淳。 ほぼ強制的に付き合うことになった二人だが、互いに惹かれ合い愛し合って行く。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~

蒼田
青春
 人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。  目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。  しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。  事故から助けることで始まる活発少女との関係。  愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。  愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。  故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。 *本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。 なんと、彼女は学園のマドンナだった……! こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。 彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。 そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。 そして助けられた少女もまた……。 二人の青春、そして成長物語をご覧ください。 ※中盤から甘々にご注意を。 ※性描写ありは保険です。 他サイトにも掲載しております。

他の男と仲良くしておいて今更幼馴染の俺に告白してきても遅いんだと言いたかったが手遅れなのは俺だった

古野ジョン
青春
俺は幼馴染である朱里のことが好きだった。 けど最近、なんだか朱里は俺の親友(運動部の超イケメン!)と仲良くしている。 二人はお似合いだし、きっとあのまま付き合うんだろう。 そう思うとやるせなく、なんだか気分も憂鬱になるというものだ。 しかしある日、夢の中に神様が現れた。 そいつが言うには「朱里は一か月後に心臓発作で死んでしまう」らしい。 せめて朱里のために、そう思った俺は神様に身代わりを申し出ることにした。 これで何の悔いもなく――などと考えていた矢先、俺は朱里に呼び出されることになる。 えっ? 「ずっと昔から好きでした」だって……? 小説家になろう・ハーメルン・カクヨムにも掲載しています。

ボクたち、孫代行をやってみました

makotochan
青春
中学二年になった松本拓海は、仲良しグループの海斗と七海、美咲との四人で、自由に使えるお金を増やすための方法を考えてみた。 そして、高齢者をターゲットにした孫代行サービスをやってみようという話になった。孫代行とは、孫と触れ合う機会のない高齢者のもとに自分たちが出向いて、孫と過ごしている時間を疑似体験してもらうサービスのことだった。 拓海がリーダー役に指名され、懸命に四人をまとめる。決断力のない拓海には荷が重たいことだったのだが、密かに思いを寄せていた七海に格好の悪い姿を見せないために、懸命に頑張った。 四人は、協力しながらチラシを配り、連絡をくれた高齢者の家に出向いて孫代行を行った。客の数も次第に増え、四人が手にするお金の額も増えていく。 しかし、商売をしていることが学校にばれてしまった。四人は、親と一緒に学校に呼び出され、先生たちから、校則違反となる行為であり二度とやってはならないと言い渡される。 その最中に、孫代行を利用していた高齢者たちがその場に姿を現し、拓海たちがしていることは自分たちも望んでいることなのだと主張した。 その様子を目の当たりにした四人の親たちも拓海たちのやったことに対して理解を表し、ボランティアという形でなら孫代行を続けてもよいという結論になった。 その結果を受けて、拓海は、今後どうしていくべきなのかを考えた。高齢者たちと交流を図る中で生きていくうえで大切なことを学ばせてもらえているという思いがあり、孫代行は続けていきたかったからだ。 他の仲間ともそのことを話し合い、全員が孫代行を続けていきたいという思いを抱いていることを知った拓海は、今まで稼いだお金を使って、客になってくれた高齢者たちと自分たちの親を招いた食事会をやらないかと三人に提案した。 それぞれに対する感謝の言葉を口にしたうえで、今後も孫代行を続けていきたいという全員の思いを伝えて再スタートすることが目的だった。 そして、食事会の日がやってきた。拓海が、四人を代表して感謝の言葉と全員の思いを、集まってくれた高齢者たちと親に伝える。 その姿を目にした七海の胸に、拓海のことを頼もしく思う気持ちが芽生え始めた。

処理中です...