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食生活大改造計画

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「バネッサ様、料理長のロニーを連れて来ました!」

マリーヌは私の前にミルクを差し出しながら言った。

しかしこのロニー…
料理長にしては随分と若いし、私に怯えすぎじゃ無い?


「ロニー、急に呼んでごめんなさい。実はこれから私の食事でお願いがあるのよ。」
 

なるべく優しい声で話しかけたのにロニーの顔色は悪くなる一方で、なんかガタガタ震え出したし…

不思議に思った私はマリーヌを手招きして耳元に小声で質問する。


「ねぇ…私ロニーになんかしたの?」


するとマリーヌの答えは数カ月前、前料理長のメニューが気に入らなくて私が怒って辞めさせたらしい。

「多分、次は自分の番だと思ってるんじゃないですかねー?」

はぁ…バネッサ。
あなたは期待を裏切らないバカチンだわ…

急に新しい料理長を立てなくてはならなくて、まだ若いロニーが押し付けられたのね。
と想像に容易い構図が浮かぶ。
これから協力して欲しい人の好感度がこれじゃあマイナススタートじゃない…


「何も難しいお願いでは無いのよ?ただ体に良い食材を使って欲しいのっ!」


改めてロニーに優しく声を掛けると、今度は言われた通り簡単な要望だったからか、ロニーは漸く私を見た。


「お、お体に良い食材でございますか?」


うーんと少し視線を上に考える素振りをする。


「そうね、例えばお野菜とか魚、できれば青魚が良いわね…それから塩辛い味付けも香辛料の刺激物も避けて欲しいわ。」


私の言葉に今度はキョトンとしたロニーが呟く…


「や、野菜に魚でございますか…」


そこにすかさずマリーヌが問いかけた。


「バネッサ様は幼い頃から野菜や魚も召し上がらなかったはずでは?」


あら、バネッサは随分小さい頃から随分偏食してたのね…


「これからは母乳の為に食べるわ。」


そう言って私の食べる物がいかに母乳に影響するか、そしてその母乳を飲むオスカーへの影響、健やかな成長の為にはどれだけ大切かを言って聞かせた。


「でも私はどんな食材があるのかわからないのよ。だからロニー、私と一緒に選んでくれない?」


私の力説に若干引いてるロニー、マリーヌ、モーリスだが、指名されたロニーが口を開いた。


「いっ、一緒にですか!…ただ僕も食材は知っててもそれがお体に良いかまではわからないのですが…」


ああ、なんだそんな簡単な事…
とばかりに私は気軽に返事をした。


「それは大丈夫よ!私、鑑定が使えるから。」


この言葉に真っ先に食いついたのはモーリスだった。


「バネッサ王妃!!鑑定魔法でございますか?」



本来、鑑定魔法なんてどの属性にも存在しない。

私の言う鑑定魔法とは闇属性の毒物魔法で、鑑定したい物に毒性があるかどうか見る事が出来る。
それの応用でちょっと多めの魔力を流すと鉱物ならその内容が、食物なら栄養素までわかるのだ。

これは実は、オスカーが使うスプーンがちゃんと煮沸消毒されているか毒物魔法で見ようとしたら、たまたま多く魔力を流しすぎた事でわかった魔法だった。

毒物0% 銀

って出てびっくりしたわ…


「だからこれは私のオリジナルの魔法かしらね?」


と、3人に説明すると、単純に凄いと頬染めるマリーヌとロニー

反対に驚愕した顔をしたモーリスが


「この事はまだご内密に!!」


と、マリーヌとロニーにもかたく口止めしていた。


え?…なんで??


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