従順な俺を壊して

川崎葵

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第一章 鷹山高校

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「まぁ、俺と一緒にいりゃ下手な雑魚ざこは寄ってこねぇから。それに、俺がトップ狙うのに苦戦しそうだって思ってた3人は落ちていねぇから、今のとこ要注意人物もいないし、一緒にいたら守ってやるよ。」

「じゃあ俺下手に一人にならない方がいいってこと?」

「それはそうでもないよ。基本的には真面目な子に危害を加えないっていう暗黙のルールがあるから、突然喧嘩を吹っかけられることはないし、余程相手の機嫌を損ねなければ時間と場所を指定して対決をする。さっきの近藤たちは元々仲が悪かったから突然勃発ぼっぱつしたんだと思うよ。対決するだなんて情報は入ってきてないし。亀が相手の機嫌を損ねさえしなければ、基本的には普通の学校生活を送れるよ。」

俺からすればそれだけでも想定外の事案である。
父親がこの高校の受験を止めようとしていたのは、息子のランクが下がるという理由だけではなかったのかもしれない。
実際のところ、その事実を確認する術はないのだが。

俺が今までしてきたことは、ただの子供の喧嘩に過ぎない。
学校のトップという概念すらも存在しないちっぽけなものだ。
そんな俺が到底勝てるはずがない。

かといって目を付けられないように真面目なふりをするのも、態々ここまで来た意味がなくなる。
京介たちと関わることによってそれを免れないのなら、俺は当初の思い通りに生活を送るしかないだろう。

ある程度は覚悟を決めなければならなそうだ。

「仕方がないからある程度の覚悟は決めるよ。だけど、もしその喧嘩の申し出があったら、俺って応えないといけないの?断ってもいい?」

「それは悪ぃけど、俺の株も一緒に下がることになっから言われたら受けてほしい。」

「えぇ何それ。何で俺が断ったら京介の株が下がるの?」

「俺とつるんでるから、お前俺の側近みたいに見えてるみたいなんだよな。だからその側近が断れば逃げたと思われて、その親玉の俺も怯えてるとみなされる。ごめんな、巻き込んで。喧嘩の仕方は教えてやるから。それに、側近から手を出してくるような奴は段階を踏む雑魚だから。殴られたとしてもそんな怪我は負わねぇよ。」

「そういう問題じゃないんだけど。初めての友達がそんな人だなんて思わなかった。」

「だろうな。このクラスで俺見て怯えてねぇのお前だけだし。」

「何それ、どういうこと?」
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