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 ヤのつく業種の猛が日中どんな仕事をしているのか知らないが、屋敷に帰ってくるのはいつもだいたい夜11時だ。食事は外で済ませてくる時と屋敷で食べる時とその日によって違う。朝は食べないらしく、コーヒーだけ飲んで出て行くらしい。袴田の美味しい料理を食べる機会が少なくて勿体ないと綾は常々思っている。


「綾さん、猛さんが呼んでますよ」


 孝太郎からそう言われる時は夜の相手が必要な時だ。綾は現在いる愛人の写真を持ってから猛の部屋へ行く。儀式のように扉をノックして挨拶をする。


「綾です。失礼します」


 また咥え煙草でソファーに大きく座っている。いつも首元を楽にしているのに、今夜はジャケットは着たままでまだネクタイも外してない。猛の顔色を見て、機嫌がいいか悪いか確認するのはもう癖になってしまった。口数が少なく目つきがいつも怖い猛は特別怒っているわけではない。彼はこれが通常なのだ。


「来い」


 ぶっきらぼうな言い方もいつも通り。でも必ず綾を見てから呼ぶ。近くまで行くと、煙草の匂いに混じってシトラスの香りを感じる。猛が使っている香水の香りだ。嫌いな煙草の匂いを軽減させてくれるようなシトラスの香りに助けられながら、綾は写真を机の上に並べる。猛はこの中からその時の気分で夜の相手を選ぶ。入れ替わりの激しい愛人達の顔や名前を猛はいちいち覚えない。例え並んでいる写真の中に昨夜抱いた相手がいても「そうだったか?」と素っ気ない。

 誰が相手でもいいなら、いちいち僕に写真持って来させないでローテーションにすればいいのに。

 なんて心の中で毒づいてるのは決して知られてはいけない。


「今夜はどの人にしますか?」


 これも決まったセリフ。言わなくてもいいかな、と以前黙ってたらいつまでも写真を選んでくれなくて困った思いをした。

 猛の長い腕が伸び、写真に触れたと思ったら勢いよく手を払い、写真を全て机から落とした。


 綾は息を飲んで目を見開いた。その様子を猛は射抜くように見ている。


「…………準備をしてまいります」


 そう言った綾の声が上ずった。


 猛の部屋を出て、綾は大きくため息をついた。


「僕の番か……」


 はっきりした言葉はないが、猛がこういった態度の時は綾を指名している。拒否権はない。風呂場に行き身体を洗って準備する。


 後ろを解しておいた方がいいのだろうか。


 いつもそれを迷う。

 愛人達は綾が調教してから日にちを開けずに猛の部屋に呼ばれるから、いちいち直前に解さなくても柔らかい。しかし綾は違う。

 綾が指名されるのはこれが初めてではない。以前指名された時、解さずに行ったら猛にものすごく負担をかけてしまった。その次は気を使って解していったら「なんでこんな使い込んだみたいに柔らかい」と責められた。


「中を洗うだけでいいかな……」


 他人のは何度もやってるし難なくできるが、正直自分自身のは上手くできない。もともとネコでもタチでもないので慣れているわけない。


 猛のその気まぐれな性格のせいで綾を選んだように見えるが、実はちゃんと月一で声をかけられている。ただその月一がいつ来るかはわからない。

 ある程度定期的なのは、これから調教する愛人を自分好みに仕上げろというような意味だと捉えている。だからこれから猛とベッドに入るのは仕事の一環だ。綾は指名される度にそう自分に言い聞かせた。


 準備を済ませて猛の部屋に戻ると猛はジャケットとネクタイも外して楽な格好をしていた。酒を飲んで暑くなったのか、カッターシャツのボタンを胸元まで開けている。机の上には薄いグラスに氷が並々入って半分ほどウイスキーが残っている。色は結構濃い。目が合うと、今度は目線だけでそばに来いと言われる。


「座れ」


 4人も5人も座れそうな黒革の広いソファー。その中央に猛がいるので、綾は少し離れて腰を沈めた。猛はくるりと向きを変え片足をソファーに乗せて座り直し、綾に身体を向けた。部屋には煙草の匂いが充満しているが、猛の手には煙草は無いのでシトラスが強く届く。猛が座り直したせいで距離が近くなり、綾は緊張して背筋を伸ばした。


「まず先に仕事の報告だな。何か困った事は?」

「特にないです」

「何も?」

「はい」


 鋭い目でジッと見られ緊張が増す。「本当か?」と再び問いかけられコクリと大きく頷く。ローションなどの消耗品はいつもタイミングよく孝太郎が補充してくれて、手錠もファー付きのものに変えてもらった。特に不便な事もなく作業ができる。


 猛は「まぁいいか」と諦めたような息を吐いた後、少し表情を和らげた。


「次は仕事以外だ。何か報告する事は?」


 仕事の事もそれ以外も、寝室に入る前に必ず聞かれる。はっきり言ってわざわざ報告するような事など何もない。でも雇ってもらっている立場上、猛が望むなら従わなければならない。というわけで綾は必死に記憶を探る。だがおそらく、孝太郎が殆ど先に報告済みだと思われる。


「あ……、そういえば先日、和馬さんが来ました」

「聞いてる。口説かれたって? おまえは何て答えたんだ」

「答えるも何も、何で僕?って言っただけですけど。和馬さんも男性が好きな人なんですか?」

「あいつは根っからの女好きだ。おまえは女顔だから揶揄われただけだ。次に会っても無視しろ」

「……わかりました」


 そうか。あれは揶揄われただけか……。

 期待していたわけではないが、何となく逃げ道を全て塞がれた気分になった。

 他に何もないので「以上です」と締めくくると今度は猛の方から質問された。


「ちゃんと食ってるか」

「はい」


 袴田さんの美味しいご飯を残すなんてもったいないマネしない。時々おかわりするくらいだ。


「ならいい。そういえば数学は楽しめたか?」

「数学の問題集の事ですか? 楽しめたっていうか暇だったんで全部解きましたけど……孝太郎さんから聞いたんですか?」

「俺が選んだ」

「は?」

「おまえ本が欲しいって言ったんだろ? だから本屋で俺が選んで買ったんだ」

「ええっ!!」


 綾が後ずさって大袈裟に驚くと猛は目を細めクスリと笑った。まるでいたずらっ子のようなその笑いに更にまた驚く。


 猛さんが本屋で買い物している姿が想像できない! 


 昼間外で仕事してるから、少しくらい自分で買い物くらいするだろうが、何となく猛は組員を顎でこき使うイメージしかない。


「あの、ありがとうございます」

「何が?」

「買ってくださったので……」

「孝太郎には『僕はもう20歳だけど』って不満を言ったそうじゃないか」

「不満だなんて!……でもそれらしき態度は取った気がします。すみません……」

「ふ、謝る事ない。俺がふざけて買ったんだ。しかし、そうか……もう20歳か」


 視線が鋭くて怖い、いつも見るそんな雰囲気はかけらもないほど穏やかな顔で静かに見つめられ言葉を失う。

 猛はおもむろに机のグラスを手に取ると軽く煽った。そして次の瞬間、綾は顎を掴まれキスをされた。


「……っ?! ンンッ!! ゲホッ、ゲホッ」


 口移しでウイスキーを飲まされ、むせた。


「美味いだろ。いい酒だぞ」


 猛はククッと面白そうに笑うと、綾の唇から溢れて喉元をつたう酒をペロリと舐めた。
 味わうどころか濃すぎてクラクラする。


「喉がやける……。水…ください」

「飲ませてやる」


 綾が涙目で訴えると、猛はウイスキーを薄めるために置いてあった水を口に含み、再び唇を重ねた。今度はゆっくりと送り込まれたので上手く喉を通った。しかし普段酒を飲まない綾が、急に度の強い酒を飲んだので平気ではいられない。目が回るような感覚に思わず猛のシャツを掴んだ。


「歩けそうにないな。運んでやるよ」


 仕方ねぇな、みたいな言い方だが酒を飲ませたのは猛だ。文句など到底言えない綾を、猛は軽々と横から抱き上げ寝室へ移動した。

 思ったよりも丁寧にベッドに下されフゥと息をつく。酒のせいで身体の奥から漏れた息が熱い。

 ヤバイ。こんな酔ったような状態で猛の指導を覚えておけるだろうか。

 綾の妙な心配をよそに猛は次々と綾の服を脱がせていく。下着まで全て外され広々としたベッドに仰向けにされると心もとなくなる。この部屋では煙草を吸わないらしく、身動きするたびにシーツの洗い立ての洗剤の香りが広がった。


「酒弱ぇな。胸までピンク色だぞ」

「……あ」


 横に座った猛に、鎖骨から胸に向かって指先でなぞられ身体が大きく反応する。猛は満足そうに口元を緩めると自分も裸になった。相変わらずの逞しい身体に自然と目がいく。昼間どこかのジムで鍛えているのかもしれない。そうじゃなきゃあんな綺麗に筋肉つかない。

 この男、普段眉は寄ったままだし目つきは鋭いし話し方も投げやりで怖いのに、ベッドでは別人のように甘くなる。見下ろしてくる瞳は穏やかだし時々口角が上がるし何より意外なのが、キスが優しい。


「……ん、ん」


 啄むようなキスから始まって徐々に深くなる。警戒心を剥ぎ取られるような感覚に陥りそのキスに酔っていく。綾は調教でキスしたり愛撫したりはしない、というか禁止されているのでしたくてもできない。


 キス気持ちいい……。


 長いキスと並行して身体への愛撫が始められる。乳首を軽く弄った後、指先は下へ降りていく。最初は焦らすように腰回りや脚の付け根を撫でて、ゆっくりと感じやすい場所を攻めてくる。そこまでくると綾の股間もしっかり上を向いていて、あまつさえ先も濡れてきている。


「あ……ふあっ、ん」


 キスの合間に漏れる息が色を増し、自身をも煽る。先走り汁を塗り広げるように性器を擦られあっという間に高みに昇る。


「あっ、あっ、た、猛さんっ。出ちゃいそうです……」

「いいぜ、イけよ」

「あっ、……っんンンッ!!」


 綾は大きく仰け反り達した。


「いっぱい出たな。一人でしてないのか」


 手のひらについた精液を、猛はまじまじ眺めながらデリカシーのない質問をしてきた。
 そもそもデリカシーってものがあったら男を取っ替え引っ替え抱いたりしないだろうが。

 上がった息が治らないうちに、猛はローションを使って綾の後ろをほぐし始めた。今夜は中を洗っただけだからかなり時間をかけないと猛のモノは入らない。


「あの……すみません、ほぐしてきた方がよかったですか?」


 綾は思い切って聞いてみた。猛は特に苦もないような表情だ。


「いや、次からも俺がするからしてこなくていい」

「……はい」


『 次 』という単語に気が重くなる。


「挿れるぞ」


 たっぷり時間をかけて準備をされ、綾はすでに疲れていた。それでも身体は正直で、猛の杭にいいところを突かれるとすぐに熱が込み上げる。


「あっ、あっ……」

「ふっ、気持ちいいか?」

「やあっ、ああんっ」


 弱い部分を激しく攻められ女みたいな声が出た。時折肌をくっつけられ強く抱き締められると、まるで恋人として抱かれてるように錯覚しそうになる。


「綾……」


 熱の込もった瞳で吐息交じりに名前を呼ばれると背筋がゾクっとする。この男は魔性の色気を持っている。身体の力が抜け、骨の髄まで支配されそうで怖くなる。

 ひょいと持ち上げられ座位になった。自分の重みで猛のモノが奥まで届き、苦しいくらい気持ちよくなる。


「相変わらずこの体位好きだな。すっげぇ締め付けてくるぜ」

「あっ、あっ、あっ」


 激しく突き上げる猛も気持ちよさそうに眉を寄せている。後ろによろけそうになって猛に抱きとめられた。汗ばんだ肌が合わさり、より密着感が高く感じる。


「綾、おまえからキスしろ」

「……はい」


 唇を寄せて啄むキス。唇に隙間ができたら舌を差し込み猛の舌に絡める。綾からのキスのはずが、結局途中から猛が我が物顔で綾の口内を動き回っている。



 今までの平均から、猛の満足する回数は3回。その間どれだけ自分が果てたか覚えていない。最後はドライでイかされたが、あれは終わった後かなり疲れる。もう動けない、と気が遠くなりそうな綾を猛は備え付けの浴室まで運んで行く。


「おい、しっかり座ってろ。髪が洗えん」

「無理です……腰が……」


 もう下半身の感覚すら危ういのにしっかりなんて座れない。風呂椅子に座って浴槽に掴まっているがそれでもフラフラしていると、猛はチッと舌打ちして綾を向かい合わせで自分の膝に乗せた。


「手を回して掴まってろ。顔に湯がかかるが我慢しろ」

「わっ、ぷっ」


 容赦なく上からシャワーをかけられワタワタする。ぎこちない手つきでトリートメントまでする猛にちょっと笑いそうになった。エッチはとてつもなく上手いのにシャンプーは慣れてない。そもそもこの男が人に奉仕するのが考えられない。


 浴槽の中では後ろから抱えられ一緒に浸かる。湯はぬるめで一気に疲れと眠気に襲われる。


「おい、寝るな」

「……ん」

「……綾?」



 記憶はそこまでで、目が覚めると自分の浴衣を着て布団にいた。寝坊した。そう思って起こそうとした身体は悲鳴をあげた。


「孝太郎さん、僕どうやって戻ってきました?」


 なんとか首だけ動かして、すぐ横で卓袱台に向かってパソコンを触っている孝太郎に声をかけた。


「朝方ご自分で戻られましたよ」

「え、本当? 覚えてない……」

「今日はそこから動かないように。食事は私が運んできます。何か欲しいものがあったら教えてください」

「あ、ありがとうございます。早速ですがお水もらえますか?」

「用意してあります。どうぞ」


 そう言って差し出されたのは、病院とかに置いてある寝たまま水が飲める急須みたいなやつだった。孝太郎は注ぎ口を綾の口元に寄せた。


「ど、どうも……」


 え、飲ませてくれるんだ。意外。


 部屋の壁掛け時計を見ると午前中ではあったが、もう10時だった。かなり眠ってたなと考えた後ハッとする。


「孝太郎さんは朝食とりました?」

「…………ええ」


 何だその間は!
 絶対食べてない!


 きっと綾についていたせいで食べ損ねたのだ。こんなに気を使われるなんて、ロボット孝太郎は一体どうしたんだと少し戸惑う。


「あの……僕お腹空きました。一人で食べるの寂しいので、孝太郎さんも付き合ってもう一度食べてもらえます?」


 孝太郎は水差しを持ったまま何故か固まった。


 え、ダメだったかな? もしかして本当に朝食食べた後? だとしたら僕すっごいやな奴じゃん!


「い、いいですよ」


 そう言って横を向いた孝太郎の耳はいつもより赤く見えた。

 孝太郎が厨房に行くため部屋を去ると、当然だが部屋は静まり返った。目を閉じると、昨夜の熱がまだ肌に残っていて感情が込み上げる。



 猛の優しいキスや時々見せる笑顔。あの寝室に入った他の人達も、同じように甘い時を過ごしているのかと想像してしまう。


「こんな想いをするなら、一生会えない場所で閉じ込められた方がマシだ……」


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