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第六十八話 日本の遊び
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何となくレトロな町にやって来た。よくはわからないけど、異世界とは雰囲気が異なっているのは確かね。
「これ何て書いてあるの?」
芽依がめざとく見つけた看板は『日本古来の遊び館』と書かれている。さすが遊ぶことには目がない芽依だわ。本能でここには自分の好きな物があると感じたのね。
「日本の古い遊びがあるみたいね」
「うわー、面白そう。入ろうよ」
芽依は私の腕を引っ張って入り口に向かう。もう、仕方ないわね。
建物内の部屋には畳が敷かれていた。
「靴を脱いで上がるのね」
「何か懐かしいわね」
小百合がそう言うのも無理はない。ここ黒の国は靴を脱いで家に上がる習慣はないからね。
「あら、おはじきがあるわ」
「何か綺麗ね。どうやって遊ぶの?」
「ルールは簡単よ。自分の好きなおはじきを指ではじいて他のおはじきに当てればいいの。当たったおはじきは自分の物になるわ。最終的に一番多くのおはじきを取った人が勝ちよ」
「面白そうね。やってみましょう」
「私に勝てるかしら?」
小百合は随分と自信がありそうね。最近はキャラ崩壊気味だけど元々は日本女性って感じのキャラだし、こういう伝統的な物には詳しいのかしら。
ピシッパチン。
「あら、意外と簡単じゃない」
近いおはじきを狙えば簡単に取れるわね。こんなの楽勝じゃない。
「次は芽依の番だね」
「うん? どうしてわざと遠くのおはじきを狙うのよ」
「その方が面白いからだよ。エイ!」
バシッカチン!
信じられない。当たったわ。
「ふん、まだまだね。そんなレベルでお姉さんに勝てると思ってるの?」
「技術は年齢じゃないんだよ」
小百合と芽依ってかなり本気で戦ってない? 何この雰囲気。
「これで芽依の勝ちだよ」
「今日の所は負けておいてあげるわ。可愛い妹のためだから仕方ないわね」
「こらー! 林郷小百合ー! よく考えたらあなた四郎と結婚した体で話してない!?」
「いいじゃない。どうせ将来はそうなるんだし」
「芽依、全然気付かなかったよ」
「ねえ?」
菫が小さな声で話しかける。
「どうして今の会話で小百合が四郎君と結婚することになるの?」
「だから芽依が妹になると言うことは小百合と四郎が結婚するってことでしょ」
「???どうして?」
「あまり深く考えない方がいいわよ。今度はあなたの脳が崩壊するから」
私は面倒臭くなって適当に話を切り上げた。
次の部屋の入り口には『囲碁・将棋』と書かれていた。
「囲碁は中国の遊びなんだが・・・・」
四郎が何かぼそりと言っている。
「ねえ、四郎。あなた囲碁部だったわよね。ルール教えてよ」
「わかった。任せておけ」
自信たっぷりで四郎は説明を始めた。
「えー。また私の負け?」
「嘘、ここに打っちゃいけないの?」
「お兄ちゃんに勝てないなんて悔しい!」
「俺にもこいつらに勝てるものがあったんだ-!」
「説明が下手なだけよ!」
「四郎君て囲碁強いの?」
「ああ、十二級だ」
「それって強いの?」
「さあ? でもこの小説の作者は五段らしいわよ」
「どうして小百合がそんなこと知ってるのよ」
「深く考えないで」
そして一時間が経過した。
「芽依の勝ちっと」
「ここに打てば私の勝ちね」
「どうしたの四郎。ルールを覚えたばかりの私に負けるなんて信じられないわ」
「な、なぜだー!」
こうして四郎は一時間前に初めて碁石を持った私たちに負けまくるのだった。ああ、菫は除くけど。
「どうして私だけ勝てないのよー」
「これ何て書いてあるの?」
芽依がめざとく見つけた看板は『日本古来の遊び館』と書かれている。さすが遊ぶことには目がない芽依だわ。本能でここには自分の好きな物があると感じたのね。
「日本の古い遊びがあるみたいね」
「うわー、面白そう。入ろうよ」
芽依は私の腕を引っ張って入り口に向かう。もう、仕方ないわね。
建物内の部屋には畳が敷かれていた。
「靴を脱いで上がるのね」
「何か懐かしいわね」
小百合がそう言うのも無理はない。ここ黒の国は靴を脱いで家に上がる習慣はないからね。
「あら、おはじきがあるわ」
「何か綺麗ね。どうやって遊ぶの?」
「ルールは簡単よ。自分の好きなおはじきを指ではじいて他のおはじきに当てればいいの。当たったおはじきは自分の物になるわ。最終的に一番多くのおはじきを取った人が勝ちよ」
「面白そうね。やってみましょう」
「私に勝てるかしら?」
小百合は随分と自信がありそうね。最近はキャラ崩壊気味だけど元々は日本女性って感じのキャラだし、こういう伝統的な物には詳しいのかしら。
ピシッパチン。
「あら、意外と簡単じゃない」
近いおはじきを狙えば簡単に取れるわね。こんなの楽勝じゃない。
「次は芽依の番だね」
「うん? どうしてわざと遠くのおはじきを狙うのよ」
「その方が面白いからだよ。エイ!」
バシッカチン!
信じられない。当たったわ。
「ふん、まだまだね。そんなレベルでお姉さんに勝てると思ってるの?」
「技術は年齢じゃないんだよ」
小百合と芽依ってかなり本気で戦ってない? 何この雰囲気。
「これで芽依の勝ちだよ」
「今日の所は負けておいてあげるわ。可愛い妹のためだから仕方ないわね」
「こらー! 林郷小百合ー! よく考えたらあなた四郎と結婚した体で話してない!?」
「いいじゃない。どうせ将来はそうなるんだし」
「芽依、全然気付かなかったよ」
「ねえ?」
菫が小さな声で話しかける。
「どうして今の会話で小百合が四郎君と結婚することになるの?」
「だから芽依が妹になると言うことは小百合と四郎が結婚するってことでしょ」
「???どうして?」
「あまり深く考えない方がいいわよ。今度はあなたの脳が崩壊するから」
私は面倒臭くなって適当に話を切り上げた。
次の部屋の入り口には『囲碁・将棋』と書かれていた。
「囲碁は中国の遊びなんだが・・・・」
四郎が何かぼそりと言っている。
「ねえ、四郎。あなた囲碁部だったわよね。ルール教えてよ」
「わかった。任せておけ」
自信たっぷりで四郎は説明を始めた。
「えー。また私の負け?」
「嘘、ここに打っちゃいけないの?」
「お兄ちゃんに勝てないなんて悔しい!」
「俺にもこいつらに勝てるものがあったんだ-!」
「説明が下手なだけよ!」
「四郎君て囲碁強いの?」
「ああ、十二級だ」
「それって強いの?」
「さあ? でもこの小説の作者は五段らしいわよ」
「どうして小百合がそんなこと知ってるのよ」
「深く考えないで」
そして一時間が経過した。
「芽依の勝ちっと」
「ここに打てば私の勝ちね」
「どうしたの四郎。ルールを覚えたばかりの私に負けるなんて信じられないわ」
「な、なぜだー!」
こうして四郎は一時間前に初めて碁石を持った私たちに負けまくるのだった。ああ、菫は除くけど。
「どうして私だけ勝てないのよー」
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