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第六十三話 菫の弱点
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今日も爽やかな朝を迎えた。田舎の村に来ていることもあって空気が美味しいわ~。
「あなたって本当に朝寝坊ね。夜遅くまで起きてたわけでもないのに、よくこんなに寝られるわね。まだまだ子供なのかしら?」
いきなり菫がちょっかいを出してきた。まったくプリンセスを何だと思ってるのよ。
「菫だってさっきまで寝てたじゃない。私は起き上がらなかっただけで目は覚めてたのよ」
「わ、私だって寝たふりしてただけよ」
絶対に嘘ね。ま、私のも嘘だけど。
「おはよう」
「何だ小百合も起きてたの?」
「私はもう朝の散歩も済ませたわ」
ふん、だから何なのよ。
「にゃー」
げ! 何でミーが私のところに来るのよ。
「餌を欲しいのね。マリーあげて」
「い、嫌よ。どうして私がやらなければいけないのよ」
「餌をあげたらミーに好かれるわよ」
「だから嫌だって言ってるのよ!」
すりすり。
「近寄るなって言ってるじゃない。小百合何とかしなさいよ」
「う~ん。どうしようかなぁ」
「何で迷ってるのよ!」
「あら? 菫の姿が消えたわね」
小百合が部屋を見回して言った。
「本当ね。今までいたのに」
「菫ちゃんは猫が苦手なんだよ」
起きたての芽依が目をこすりながら言った。
「猫が苦手?」
「そうだよ。強烈な猫アレルギーなんだよ」
「え?」
これは朗報じゃない! 菫の弱点を見つけたわ!
「何喜んでるの?」
小百合が両手を腰に当て叱りつけるような声で聞いてきた。お前は母親かっての!
「ところで芽依、猫アレルギーだとどうなるの?」
「体にぶつぶつが出てかゆくなったり、目が充血したり、酷い時には呼吸困難で死ぬこともあるらしいよ」
「それは本当!」
「顔がにやけてるわよ、マリー」
小百合がまた余計な一言を言う。にやけて当然じゃない。こんな素晴らしい情報を聞いてにやけないわけがないわ。
「ミー! これからは仲良くしようねぇ」
ガブ。
「何で嚙むのよ!」
「ミーは仲良くしたくないみたいね」
「いつもすり寄ってくるじゃない」
「あれは嫌味でやってるのよ」
「ミー、そうなの!?」
私はミーを持ち上げて怒鳴った。
ぶつぶつぶつ。
「え? 何これ? 体中にぶつぶつが出てきたわ」
「マリーも猫アレルギーだったようね」
「もう、うまくいかないわね!」
「!!」
すりすりすりすりすりすりすりすりすりすり。
「ミー!! わざとやってるでしょ!!」
「ところで菫はどこに行ったのかしら? 中々戻ってこないわね」
小百合が思い出したようにぼそりと言う。
「まさか四郎の部屋?」
私達は四郎の寝ている部屋へと急いだ。
「四郎! 大丈夫?」
「ちょっと、ここから出しなさいよ!」
そこには檻に入った菫の姿があった。同じ罠に二度もかかるなんてバカなのかしら。
「もう四郎君の部屋に行かないって言ってるのに、どうしてわなを仕掛けてるわけ?」
「信用できないからに決まってるでしょ?」
この檻の中にミーを入れてやろうかしら。
その時背後から四郎の声が聞こえた。
「マリー、お願いがあるんだが」
「え? 何?」
「部屋にわなを仕掛けるのはいいけど、地雷を置くのはやめてくれないか? 夜中にトイレに行けないから」
そこにはボロボロのパジャマを着た真っ黒な顔の四郎が立っていた。
「あなたって本当に朝寝坊ね。夜遅くまで起きてたわけでもないのに、よくこんなに寝られるわね。まだまだ子供なのかしら?」
いきなり菫がちょっかいを出してきた。まったくプリンセスを何だと思ってるのよ。
「菫だってさっきまで寝てたじゃない。私は起き上がらなかっただけで目は覚めてたのよ」
「わ、私だって寝たふりしてただけよ」
絶対に嘘ね。ま、私のも嘘だけど。
「おはよう」
「何だ小百合も起きてたの?」
「私はもう朝の散歩も済ませたわ」
ふん、だから何なのよ。
「にゃー」
げ! 何でミーが私のところに来るのよ。
「餌を欲しいのね。マリーあげて」
「い、嫌よ。どうして私がやらなければいけないのよ」
「餌をあげたらミーに好かれるわよ」
「だから嫌だって言ってるのよ!」
すりすり。
「近寄るなって言ってるじゃない。小百合何とかしなさいよ」
「う~ん。どうしようかなぁ」
「何で迷ってるのよ!」
「あら? 菫の姿が消えたわね」
小百合が部屋を見回して言った。
「本当ね。今までいたのに」
「菫ちゃんは猫が苦手なんだよ」
起きたての芽依が目をこすりながら言った。
「猫が苦手?」
「そうだよ。強烈な猫アレルギーなんだよ」
「え?」
これは朗報じゃない! 菫の弱点を見つけたわ!
「何喜んでるの?」
小百合が両手を腰に当て叱りつけるような声で聞いてきた。お前は母親かっての!
「ところで芽依、猫アレルギーだとどうなるの?」
「体にぶつぶつが出てかゆくなったり、目が充血したり、酷い時には呼吸困難で死ぬこともあるらしいよ」
「それは本当!」
「顔がにやけてるわよ、マリー」
小百合がまた余計な一言を言う。にやけて当然じゃない。こんな素晴らしい情報を聞いてにやけないわけがないわ。
「ミー! これからは仲良くしようねぇ」
ガブ。
「何で嚙むのよ!」
「ミーは仲良くしたくないみたいね」
「いつもすり寄ってくるじゃない」
「あれは嫌味でやってるのよ」
「ミー、そうなの!?」
私はミーを持ち上げて怒鳴った。
ぶつぶつぶつ。
「え? 何これ? 体中にぶつぶつが出てきたわ」
「マリーも猫アレルギーだったようね」
「もう、うまくいかないわね!」
「!!」
すりすりすりすりすりすりすりすりすりすり。
「ミー!! わざとやってるでしょ!!」
「ところで菫はどこに行ったのかしら? 中々戻ってこないわね」
小百合が思い出したようにぼそりと言う。
「まさか四郎の部屋?」
私達は四郎の寝ている部屋へと急いだ。
「四郎! 大丈夫?」
「ちょっと、ここから出しなさいよ!」
そこには檻に入った菫の姿があった。同じ罠に二度もかかるなんてバカなのかしら。
「もう四郎君の部屋に行かないって言ってるのに、どうしてわなを仕掛けてるわけ?」
「信用できないからに決まってるでしょ?」
この檻の中にミーを入れてやろうかしら。
その時背後から四郎の声が聞こえた。
「マリー、お願いがあるんだが」
「え? 何?」
「部屋にわなを仕掛けるのはいいけど、地雷を置くのはやめてくれないか? 夜中にトイレに行けないから」
そこにはボロボロのパジャマを着た真っ黒な顔の四郎が立っていた。
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