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第四十三話 史上最大の作戦
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「申し訳ありません。ペット同伴の宿泊はお断り致しております」
「また、断られたわね」
「ペットもオーケーというホテルって本当に少ないんだね」
「こんなの外で寝かせればいいのよ」
「えー、可哀想だよ」
「確かに今のは鬼のような発想ね。さすがマリーだわ」
「この前の遊園地は簡単に入れたよ」
「あまりに堂々と入ったからじゃない。まさか猫が一緒だとは係員も気付かなかったのよ」
かなりいい加減ね。
「こういう事情だから、あなたは野生に帰りなさい」
ガブ!
「痛い! 何で突然噛み付くわけ!?」
「酷いことを言うからよ。当然の報いね」
「何かミーをホテルに泊らせるいい方法はないものかしら?」
「!!」
「どうしたの?」
「な、何でもないわよ!」
やだ。私ったらいい方法を思いついちゃったわ。ホテルの入り口でこいつをしっぽアクセサリーに変えて、部屋で戻せばいいんだわ。変身の魔術は高度で私には難しいけど、しっぽアクセサリーになら昔の経験上変えられるわ。
「ニャー」
スリスリ。
「ちょっと何なのよ急に。気持ち悪いわね」
「ミーが甘え出したわね。何かいい方法でも思いついたの?」
「そ、そんなの思いつくわけないじゃない」
この猫、油断も隙もないわね。どうして私の心が読めるのよ。
でも、この方法を小百合達に知らせるわけにはいかないわ。もう少しでこいつを野生に帰すことができるのよ。
「で、どうするの? このままではホテルに泊まることができないわ。もう、ペットを連れて旅するのは諦めたら?」
「うーむ」
小百合が考え込んでるわ。これはチャンスよ!
「猫ちゃん。私達は大切な旅をしているの。あなたがいると旅が続けられないわ。だから山に帰りなさい」
「ちょっと変なこと言わないでよ。今いい方法を考えてるんだから」
こいつとの旅を諦めかけてたんと違うんかーい!
「でも、冷静に考えて。ペットも泊まれるホテルなんて殆どないわ。ましてやこの国ではペットを飼う習慣なんてないの。わかるでしょう?」
これは完璧だわ。
「あれ? ミーちゃんのしっぽに何か付いてるよ」
ギク。
「どうしたの?」
「な、何よ。別に普通よ」
やばいやばい。思わず『しっぽ』という言葉に反応してしまったわ。
「いい加減ミーと旅するのは諦めたら? 普通に考えて無理よ」
「うーん。何か思いつきそうなんだけど」
「いくら考えても無駄よ」
よし、もう一押しよ。
「ミーと旅するのって無理なのかしら」
よっしゃー!
「ダメだよ、諦めちゃ」
芽依! 余計なこと言うんじゃないわよ!
「ミー、私はあなたとお別れしたくないわ。でも、諦めるしかないみたい。あなたを連れて城に戻るわ。あなたは大人しく城で私たちの帰りを待っていてくれる?」
やったー!! 完全勝利よ! これで忌まわしい猫と旅をしなくてもすむのよ!
「あれ? ミーが何か加えてきたよ」
「これはしっぽアクセサリーね」
「何なのこの猫! こんな物どこから持ってきたのよ!」
「そうか、芽依いいこと思いついたよ。この子をしっぽアクセサリーに変えてフロントを通過させればいいんだよ」
「なるほどマリーならできるわね。何しろ私の家でずっとしっぽアクセサリーだったんだから」
「そんなのできるわけないでしょ!」
「できるわよね」
「で、できないわよ」
「絶対できるよ。芽依にはわかるよ」
「何を根拠に言ってるわけ?」
「四郎君、お願い」
「俺が好きなマリーは嘘をつかないと思うが、本当にできないのか?」
「・・・・できるわよ」
こうして私の史上最大の作戦は見事に失敗に終わったのであった。
「また、断られたわね」
「ペットもオーケーというホテルって本当に少ないんだね」
「こんなの外で寝かせればいいのよ」
「えー、可哀想だよ」
「確かに今のは鬼のような発想ね。さすがマリーだわ」
「この前の遊園地は簡単に入れたよ」
「あまりに堂々と入ったからじゃない。まさか猫が一緒だとは係員も気付かなかったのよ」
かなりいい加減ね。
「こういう事情だから、あなたは野生に帰りなさい」
ガブ!
「痛い! 何で突然噛み付くわけ!?」
「酷いことを言うからよ。当然の報いね」
「何かミーをホテルに泊らせるいい方法はないものかしら?」
「!!」
「どうしたの?」
「な、何でもないわよ!」
やだ。私ったらいい方法を思いついちゃったわ。ホテルの入り口でこいつをしっぽアクセサリーに変えて、部屋で戻せばいいんだわ。変身の魔術は高度で私には難しいけど、しっぽアクセサリーになら昔の経験上変えられるわ。
「ニャー」
スリスリ。
「ちょっと何なのよ急に。気持ち悪いわね」
「ミーが甘え出したわね。何かいい方法でも思いついたの?」
「そ、そんなの思いつくわけないじゃない」
この猫、油断も隙もないわね。どうして私の心が読めるのよ。
でも、この方法を小百合達に知らせるわけにはいかないわ。もう少しでこいつを野生に帰すことができるのよ。
「で、どうするの? このままではホテルに泊まることができないわ。もう、ペットを連れて旅するのは諦めたら?」
「うーむ」
小百合が考え込んでるわ。これはチャンスよ!
「猫ちゃん。私達は大切な旅をしているの。あなたがいると旅が続けられないわ。だから山に帰りなさい」
「ちょっと変なこと言わないでよ。今いい方法を考えてるんだから」
こいつとの旅を諦めかけてたんと違うんかーい!
「でも、冷静に考えて。ペットも泊まれるホテルなんて殆どないわ。ましてやこの国ではペットを飼う習慣なんてないの。わかるでしょう?」
これは完璧だわ。
「あれ? ミーちゃんのしっぽに何か付いてるよ」
ギク。
「どうしたの?」
「な、何よ。別に普通よ」
やばいやばい。思わず『しっぽ』という言葉に反応してしまったわ。
「いい加減ミーと旅するのは諦めたら? 普通に考えて無理よ」
「うーん。何か思いつきそうなんだけど」
「いくら考えても無駄よ」
よし、もう一押しよ。
「ミーと旅するのって無理なのかしら」
よっしゃー!
「ダメだよ、諦めちゃ」
芽依! 余計なこと言うんじゃないわよ!
「ミー、私はあなたとお別れしたくないわ。でも、諦めるしかないみたい。あなたを連れて城に戻るわ。あなたは大人しく城で私たちの帰りを待っていてくれる?」
やったー!! 完全勝利よ! これで忌まわしい猫と旅をしなくてもすむのよ!
「あれ? ミーが何か加えてきたよ」
「これはしっぽアクセサリーね」
「何なのこの猫! こんな物どこから持ってきたのよ!」
「そうか、芽依いいこと思いついたよ。この子をしっぽアクセサリーに変えてフロントを通過させればいいんだよ」
「なるほどマリーならできるわね。何しろ私の家でずっとしっぽアクセサリーだったんだから」
「そんなのできるわけないでしょ!」
「できるわよね」
「で、できないわよ」
「絶対できるよ。芽依にはわかるよ」
「何を根拠に言ってるわけ?」
「四郎君、お願い」
「俺が好きなマリーは嘘をつかないと思うが、本当にできないのか?」
「・・・・できるわよ」
こうして私の史上最大の作戦は見事に失敗に終わったのであった。
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