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第1章 運命の出会い
第9話 グレートスペシャルウルトラドラゴン
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この娘を鍛えると言ったもののどこから始めるかが問題だな。取り敢えず能力を確かめることにするか。
「リーサ。丁度あそこにグレートスペシャルウルトラドラゴンが見える。あいつを倒してみろ」
「ひえええええ! そんなの無理に決まってます!」
「名前の割には弱いドラゴンだぞ」
「そもそも私はドラゴンと戦えるような身分じゃありません!」
「まあ、いいから。何事も挑戦だ。がんばれ」
「ええー!」
私が手を振るとグレートスペシャルウルトラドラゴンがこちらに気付いた。
「ちょっと! 嘘ですよね? 嘘ですよね?」
グレートスペシャルウルトラドラゴンがまっすぐにこちらへ向かってくる。
「ひえええええ! 助けてー!」
「逃げるでない。戦え」
「絶対に無理です!」
「人間、死に物狂いになれば何とかなるものだ」
「自ずと限度があります!」
「ええい! こうなったらライスシャワー!」
「ドラゴンにお米を降らしてどうするんだ?」
「だったら風神の怒り!」
心地よい風がグレートスペシャルウルトラドラゴンに吹く。
「名前の割にショボい魔法だな」
「こうなったら私の最終奥義ハートホスピタル!」
「相手のHPを回復してどうするんだ」
グレートスペシャルウルトラドラゴンが振り上げた前足をリーサに振り下ろそうとした時、私と目が合った。
「言っておくがこの娘は私の親友だ。わかっておるな」
え? 嘘? 何でラスボス様が? と言った表情で私を凝視している。
「もう一度言おうか? この娘は私の親友だ。わかっておるな」
グレートスペシャルウルトラドラゴンはリーサの頭にちょこんと触れると突然仰向けに倒れ、もがき苦しみ始めた。
「キャー! あれ?」
「よし、とどめを刺すんだ! リーサ」
「は、はい。悪しきドラゴンにとどめを! 轟きの強弓!」
空からキューピッドが放ちそうな小さな矢がグレートスペシャルウルトラドラゴン目掛けて飛んだかと思うと、強靱なドラゴンの背中に刺さることもなく地面へと落ちていった。
「え?」
暫く考えたグレートスペシャルウルトラドラゴンは突然、
「うわあああああ!」
と言う悲鳴を上げて逃げ去っていった。
「下手くそが・・・・」
「私、勝ったのですね。あの強そうなモンスターに勝ったのですね」
「ああ、これで少しは自信が付いたか?」
「はい!」
これだけ喜んでいるならまあいいか? 強くするにはまだまだ手こずりそうだが。
「でも・・・・」
「どうした?」
「経験値が上がらないのはなぜでしょうか?」
「細かいことは気にするな」
「あれだけのモンスターを倒したのですから決して細かい話では無いと思いますが」
「いいからいいから」
何とか強引に言いくるめた私は意味なく高笑いで誤魔化すのであった。
「リーサ。丁度あそこにグレートスペシャルウルトラドラゴンが見える。あいつを倒してみろ」
「ひえええええ! そんなの無理に決まってます!」
「名前の割には弱いドラゴンだぞ」
「そもそも私はドラゴンと戦えるような身分じゃありません!」
「まあ、いいから。何事も挑戦だ。がんばれ」
「ええー!」
私が手を振るとグレートスペシャルウルトラドラゴンがこちらに気付いた。
「ちょっと! 嘘ですよね? 嘘ですよね?」
グレートスペシャルウルトラドラゴンがまっすぐにこちらへ向かってくる。
「ひえええええ! 助けてー!」
「逃げるでない。戦え」
「絶対に無理です!」
「人間、死に物狂いになれば何とかなるものだ」
「自ずと限度があります!」
「ええい! こうなったらライスシャワー!」
「ドラゴンにお米を降らしてどうするんだ?」
「だったら風神の怒り!」
心地よい風がグレートスペシャルウルトラドラゴンに吹く。
「名前の割にショボい魔法だな」
「こうなったら私の最終奥義ハートホスピタル!」
「相手のHPを回復してどうするんだ」
グレートスペシャルウルトラドラゴンが振り上げた前足をリーサに振り下ろそうとした時、私と目が合った。
「言っておくがこの娘は私の親友だ。わかっておるな」
え? 嘘? 何でラスボス様が? と言った表情で私を凝視している。
「もう一度言おうか? この娘は私の親友だ。わかっておるな」
グレートスペシャルウルトラドラゴンはリーサの頭にちょこんと触れると突然仰向けに倒れ、もがき苦しみ始めた。
「キャー! あれ?」
「よし、とどめを刺すんだ! リーサ」
「は、はい。悪しきドラゴンにとどめを! 轟きの強弓!」
空からキューピッドが放ちそうな小さな矢がグレートスペシャルウルトラドラゴン目掛けて飛んだかと思うと、強靱なドラゴンの背中に刺さることもなく地面へと落ちていった。
「え?」
暫く考えたグレートスペシャルウルトラドラゴンは突然、
「うわあああああ!」
と言う悲鳴を上げて逃げ去っていった。
「下手くそが・・・・」
「私、勝ったのですね。あの強そうなモンスターに勝ったのですね」
「ああ、これで少しは自信が付いたか?」
「はい!」
これだけ喜んでいるならまあいいか? 強くするにはまだまだ手こずりそうだが。
「でも・・・・」
「どうした?」
「経験値が上がらないのはなぜでしょうか?」
「細かいことは気にするな」
「あれだけのモンスターを倒したのですから決して細かい話では無いと思いますが」
「いいからいいから」
何とか強引に言いくるめた私は意味なく高笑いで誤魔化すのであった。
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