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第3章 未来への旅立ち
第37話 ご先祖様
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何とも言えない雰囲気の中、ユリナはつついていたたこ焼きを口に入れた。
「うわあ、納豆味だった!」
俺は思わず吹き出しそうになる。さすがにたこ焼きに納豆はない。俺的には食べたくないたこ焼き味ナンバーワンだ。
ユリナは目に涙を浮かべながら神妙な顔つきで言った。
「二人っきりなんて初めてだね」
「嫌に二人っきりに固執するな」
ユリナはまだ俺を見つめている。俺はどう反応したらいいか分からなくて思わず下を向いた。
「私って男っぽい性格だよね。こんな女って男の人から見てどう感じるのかな?」
「別にいいと思うぜ。さっぱりしてて」
「でも、男の人って萌のように可愛い感じの人に弱いんでしょ?」
「それは人それぞれだろ」
「じゃあ、真歴君はどう? 胡桃のようにしっかりした美人タイプか、萌のように可愛いタイプか、それとも私のようにさっぱりしたタイプか、どれが好き?」
「そんなこと急に言われても困る」
「雰囲気的に胡桃だね」
「何でそうなるんだ?」
「今、顔が赤くなったぞ」
「冗談言うな。別に胡桃なんか好きじゃねえ」
思わず言ってしまった。
「いいの? そんなこと言っちゃって」
「いいに決まってる」
ユリナは珍しくくすくすと笑った。
「これ未来の録音機なんだ」
ユリナは手に白い三角錐の奇妙な物体を持っている。
「ちょ、ちょっと待て!」
「冗談だよ」
ユリナは普段見せないような笑顔で俺を見た。かなり可愛いかもしれない。胡桃や萌の存在で気付かなかったが、こんな表情をする可愛い女性と一緒に生活していたんだ。
「ごめんね。突然変な話聞かせちゃって」
「別に俺も嬉しかったから」
「本当! じゃあ、結婚してくれるんだね」
「だから何でそうなるんだ!」
「冗談よ冗談」
ユリナもなかなか恐ろしい奴だ。このことは胡桃と萌には内緒にしておこう。てか言えるわけがない!
俺とユリナの不思議な空間が暫く続いた後、玄関のドアが開き胡桃と萌が帰ってきた。二人は見違えるように美しくなっている。
「何? この美味しそうな臭い」
萌が早速かぎつけた。
「たこ焼きだよ。後で食べよう」
ユリナは自動たこ焼き機をぽんぽんと叩いて言った。
「二人とも綺麗になったな」
俺は笑いながら二人を見た。
「真歴がそんなことを言うなんて珍しいわね」
胡桃が疑いの眼差しで俺を見ている。まさかユリナに告白されたってわかったのか? さすがにそれはないか?
「ねえ、宮本君。萌って綺麗になったでしょ。惚れ直した?」
「別に」
とは言ったものの内心はドキドキしている。
「ねえ、真歴。わたしはどう? 惚れ直した」
「初めから惚れてねえ」
決して言ってはいけないことを言ってしまった気がする。
「どうせ無料だし毎日行ってもいいぞ」
ユリナはいつものように大声で笑う。
「じゃあ行く!」
萌のはしゃいだ声に対して、
「そんな毎日出歩いたらダメよ」
と、胡桃は鉄パイプを持ちながら言った。何で鉄パイプを持ってるんだ? それで何をするつもりなんだ?
「冗談よ。胡桃って本当頭固いよね」
「どういう意味よ」
またまたきな臭い雰囲気になってきた。もう慣れたけど。
「大体、あなたの家柄を考えると宮本君と結婚なんてできないわよね?」
「家柄なんてほっといて頂戴。あなたには関係ないでしょ!」
何を言ってるんだ?
「もしかして胡桃の名字って『佐々木』なのか?」
「そうよ」
これを聞いてユリナが笑い転げる。
「まさかとは思うが、萌は俺が宮本で胡桃が佐々木だから結婚できない家柄とか言ってるのか?」
「当然じゃない」
これはユリナが笑い転げるのもわかるってもんだ。俺と胡桃がそんな由緒正しい家柄なわけがないだろう。
「俺のご先祖も胡桃のご先祖も宮本武蔵や佐々木小次郎とは何の縁もないぞ。萌は何を言い出すんだ?」
「それがそうでもないのよ」
胡桃が予想外なことを言い出した。
「どういうことだ?」
「私の家も真歴の家もあの有名な一族の末裔の一つらしいの。だからおじいさんが生きてた頃は『宮本の家に遊びに行くな!』とよく言われたものよ」
全く知らなかった。まさかこんなところでとんでもない真実を知ることになろうとは。しかし、俺があの有名な歴史上的人物の末裔の一人だとは嬉しい。勿論、直接の子孫ではないだろうが。
俺が感動していると胡桃と萌の争いは激化していたらしく、胡桃は攻撃態勢に入っていた。当然、萌も身構えて応戦の構えだ。こいつらいい加減にしろって。でも、この萌の一言で胡桃の攻撃目標が俺ではなくなったのか? ありがとう萌! これでもう暫く生き延びることが出きそうだ。俺は胡桃の持つ鉄パイプを眺めながらしみじみと思うのであった。
「うわあ、納豆味だった!」
俺は思わず吹き出しそうになる。さすがにたこ焼きに納豆はない。俺的には食べたくないたこ焼き味ナンバーワンだ。
ユリナは目に涙を浮かべながら神妙な顔つきで言った。
「二人っきりなんて初めてだね」
「嫌に二人っきりに固執するな」
ユリナはまだ俺を見つめている。俺はどう反応したらいいか分からなくて思わず下を向いた。
「私って男っぽい性格だよね。こんな女って男の人から見てどう感じるのかな?」
「別にいいと思うぜ。さっぱりしてて」
「でも、男の人って萌のように可愛い感じの人に弱いんでしょ?」
「それは人それぞれだろ」
「じゃあ、真歴君はどう? 胡桃のようにしっかりした美人タイプか、萌のように可愛いタイプか、それとも私のようにさっぱりしたタイプか、どれが好き?」
「そんなこと急に言われても困る」
「雰囲気的に胡桃だね」
「何でそうなるんだ?」
「今、顔が赤くなったぞ」
「冗談言うな。別に胡桃なんか好きじゃねえ」
思わず言ってしまった。
「いいの? そんなこと言っちゃって」
「いいに決まってる」
ユリナは珍しくくすくすと笑った。
「これ未来の録音機なんだ」
ユリナは手に白い三角錐の奇妙な物体を持っている。
「ちょ、ちょっと待て!」
「冗談だよ」
ユリナは普段見せないような笑顔で俺を見た。かなり可愛いかもしれない。胡桃や萌の存在で気付かなかったが、こんな表情をする可愛い女性と一緒に生活していたんだ。
「ごめんね。突然変な話聞かせちゃって」
「別に俺も嬉しかったから」
「本当! じゃあ、結婚してくれるんだね」
「だから何でそうなるんだ!」
「冗談よ冗談」
ユリナもなかなか恐ろしい奴だ。このことは胡桃と萌には内緒にしておこう。てか言えるわけがない!
俺とユリナの不思議な空間が暫く続いた後、玄関のドアが開き胡桃と萌が帰ってきた。二人は見違えるように美しくなっている。
「何? この美味しそうな臭い」
萌が早速かぎつけた。
「たこ焼きだよ。後で食べよう」
ユリナは自動たこ焼き機をぽんぽんと叩いて言った。
「二人とも綺麗になったな」
俺は笑いながら二人を見た。
「真歴がそんなことを言うなんて珍しいわね」
胡桃が疑いの眼差しで俺を見ている。まさかユリナに告白されたってわかったのか? さすがにそれはないか?
「ねえ、宮本君。萌って綺麗になったでしょ。惚れ直した?」
「別に」
とは言ったものの内心はドキドキしている。
「ねえ、真歴。わたしはどう? 惚れ直した」
「初めから惚れてねえ」
決して言ってはいけないことを言ってしまった気がする。
「どうせ無料だし毎日行ってもいいぞ」
ユリナはいつものように大声で笑う。
「じゃあ行く!」
萌のはしゃいだ声に対して、
「そんな毎日出歩いたらダメよ」
と、胡桃は鉄パイプを持ちながら言った。何で鉄パイプを持ってるんだ? それで何をするつもりなんだ?
「冗談よ。胡桃って本当頭固いよね」
「どういう意味よ」
またまたきな臭い雰囲気になってきた。もう慣れたけど。
「大体、あなたの家柄を考えると宮本君と結婚なんてできないわよね?」
「家柄なんてほっといて頂戴。あなたには関係ないでしょ!」
何を言ってるんだ?
「もしかして胡桃の名字って『佐々木』なのか?」
「そうよ」
これを聞いてユリナが笑い転げる。
「まさかとは思うが、萌は俺が宮本で胡桃が佐々木だから結婚できない家柄とか言ってるのか?」
「当然じゃない」
これはユリナが笑い転げるのもわかるってもんだ。俺と胡桃がそんな由緒正しい家柄なわけがないだろう。
「俺のご先祖も胡桃のご先祖も宮本武蔵や佐々木小次郎とは何の縁もないぞ。萌は何を言い出すんだ?」
「それがそうでもないのよ」
胡桃が予想外なことを言い出した。
「どういうことだ?」
「私の家も真歴の家もあの有名な一族の末裔の一つらしいの。だからおじいさんが生きてた頃は『宮本の家に遊びに行くな!』とよく言われたものよ」
全く知らなかった。まさかこんなところでとんでもない真実を知ることになろうとは。しかし、俺があの有名な歴史上的人物の末裔の一人だとは嬉しい。勿論、直接の子孫ではないだろうが。
俺が感動していると胡桃と萌の争いは激化していたらしく、胡桃は攻撃態勢に入っていた。当然、萌も身構えて応戦の構えだ。こいつらいい加減にしろって。でも、この萌の一言で胡桃の攻撃目標が俺ではなくなったのか? ありがとう萌! これでもう暫く生き延びることが出きそうだ。俺は胡桃の持つ鉄パイプを眺めながらしみじみと思うのであった。
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