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第4話 怖い作戦会議
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そして、数日間・・・・。愛しの彼からの連絡は来なかった。
今日は日曜日。私たち3人は駅前の喫茶店に来ている。
「それでは第1回告白大作戦会議を始めます!」
「沙耶ちゃん、突然何言い出すの?」
「これは柚衣が幸せになるための重要な会議なんだよ」
幸せになれればいいんだけど、沙耶ちゃんが何か計画したときは逆の結果になることが多いんだよね。
「ではこの前の反省から。なぜラブレター作戦は失敗したのか」
「下駄箱に置いたのが~失敗なんだよ~」
野乃葉ちゃんがケーキを食べながら言う。
「そう、その通り!」
「何で?」
私は素朴な質問をする。
「あまりに印象に残らないからだよ。そこで印象に残る渡し方を考えようではないか」
「青と赤の縁を書いたよ」
「それだけでしょ?」
「それだけって、あれは沙耶ちゃんが書いたんじゃない」
「確かにあのときは『これで行ける!』と思ったけど、やっぱりインパクトに欠けるんだよね」
「ラブレターに~鈴を付けておいたら~?」
野乃葉ちゃんも参戦してきた。
「それでは甘い!」
沙耶ちゃんは人差し指をピンと立てて野乃葉ちゃんに言った。甘いって、じゃあどうすればいいのよ。
「でも~印象的な渡し方って~大切だよね~」
野乃葉ちゃんはジュースを飲みながら人ごとのように呟く。お願いだからあんまり変なことは言わないでよ。私は心の中で祈りながらスパゲッティを口にする。
「そこで柚衣が思いっきり着飾って直接渡しに行くってのはどう?」
やっぱり。
「嫌だよ!」
「きっと美人から貰ったラブレターは印象に残るよ」
「お化粧もしなくちゃね~」
「ピンクのドレスなんてどうかな?」
私は思わず吹き出した。
「ちょっと、やめてよ」
「わたしピンクのドレス持ってるよ~」
「決まりだね!」
「まさか本気で言ってないよね?」
そろそろ心配になってきた。結果はともかく、行動力は誰よりもある沙耶ちゃんである。本気でやらされかねない。
「後はどこで渡すかだよね」
「ちょっと!」
どんどん話が進んでいく。
「生徒議会中に乗り込んでいくってのはどうかな?」
「迷惑でしょ!」
「じゃあ、草壁君の家の前で出てくるのを待っているとか?」
「ストーカーと間違えられたらどうするの!!」
「うまくいかないものだね」
沙耶ちゃんは腕組みをして続ける。
「わかった。草壁君を拉致してくればいいんだ」
「それ、犯罪!!!」
若い女性店員が無言で水を注いでいく。ちょっと騒ぎすぎたかも?
「中園君に誘ってもらって~、みんなで~遊びに行くってのはどうかな~?」
野乃葉ちゃんはメニューを見ながら、これまた人ごとのように言った。
「そうだ! 野乃葉の言うとおりだ。交際はグループからがいい」
沙耶ちゃんの目が輝き始める。そろそろ本気モードになってきた。
「じゃあ、早速中園君に頼んで・・・・」
「無理だよ。琉生はこうと決めたら自分の考えは変えないから」
私はため息をつきながら言う。
「そうだね~」
野乃葉ちゃんも琉生とは小学校からの付き合いなので分かるらしい。
「じゃあ、やっぱり派手なピンクの服で・・・・」
「聞いてみないとわからないよ! もしかして琉生も大人の考え方になっていてOKするかもしれないし!」
とにかく派手なピンクのドレスで草壁君の家に行かされるのだけは避けたい私は何とかグループ交際の方で話がまとまりますようにと必死なのであった。
今日は日曜日。私たち3人は駅前の喫茶店に来ている。
「それでは第1回告白大作戦会議を始めます!」
「沙耶ちゃん、突然何言い出すの?」
「これは柚衣が幸せになるための重要な会議なんだよ」
幸せになれればいいんだけど、沙耶ちゃんが何か計画したときは逆の結果になることが多いんだよね。
「ではこの前の反省から。なぜラブレター作戦は失敗したのか」
「下駄箱に置いたのが~失敗なんだよ~」
野乃葉ちゃんがケーキを食べながら言う。
「そう、その通り!」
「何で?」
私は素朴な質問をする。
「あまりに印象に残らないからだよ。そこで印象に残る渡し方を考えようではないか」
「青と赤の縁を書いたよ」
「それだけでしょ?」
「それだけって、あれは沙耶ちゃんが書いたんじゃない」
「確かにあのときは『これで行ける!』と思ったけど、やっぱりインパクトに欠けるんだよね」
「ラブレターに~鈴を付けておいたら~?」
野乃葉ちゃんも参戦してきた。
「それでは甘い!」
沙耶ちゃんは人差し指をピンと立てて野乃葉ちゃんに言った。甘いって、じゃあどうすればいいのよ。
「でも~印象的な渡し方って~大切だよね~」
野乃葉ちゃんはジュースを飲みながら人ごとのように呟く。お願いだからあんまり変なことは言わないでよ。私は心の中で祈りながらスパゲッティを口にする。
「そこで柚衣が思いっきり着飾って直接渡しに行くってのはどう?」
やっぱり。
「嫌だよ!」
「きっと美人から貰ったラブレターは印象に残るよ」
「お化粧もしなくちゃね~」
「ピンクのドレスなんてどうかな?」
私は思わず吹き出した。
「ちょっと、やめてよ」
「わたしピンクのドレス持ってるよ~」
「決まりだね!」
「まさか本気で言ってないよね?」
そろそろ心配になってきた。結果はともかく、行動力は誰よりもある沙耶ちゃんである。本気でやらされかねない。
「後はどこで渡すかだよね」
「ちょっと!」
どんどん話が進んでいく。
「生徒議会中に乗り込んでいくってのはどうかな?」
「迷惑でしょ!」
「じゃあ、草壁君の家の前で出てくるのを待っているとか?」
「ストーカーと間違えられたらどうするの!!」
「うまくいかないものだね」
沙耶ちゃんは腕組みをして続ける。
「わかった。草壁君を拉致してくればいいんだ」
「それ、犯罪!!!」
若い女性店員が無言で水を注いでいく。ちょっと騒ぎすぎたかも?
「中園君に誘ってもらって~、みんなで~遊びに行くってのはどうかな~?」
野乃葉ちゃんはメニューを見ながら、これまた人ごとのように言った。
「そうだ! 野乃葉の言うとおりだ。交際はグループからがいい」
沙耶ちゃんの目が輝き始める。そろそろ本気モードになってきた。
「じゃあ、早速中園君に頼んで・・・・」
「無理だよ。琉生はこうと決めたら自分の考えは変えないから」
私はため息をつきながら言う。
「そうだね~」
野乃葉ちゃんも琉生とは小学校からの付き合いなので分かるらしい。
「じゃあ、やっぱり派手なピンクの服で・・・・」
「聞いてみないとわからないよ! もしかして琉生も大人の考え方になっていてOKするかもしれないし!」
とにかく派手なピンクのドレスで草壁君の家に行かされるのだけは避けたい私は何とかグループ交際の方で話がまとまりますようにと必死なのであった。
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