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第二章 旅立ち
第二十三話 ええーーーーー!!!!!
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私達一行は小さな宿に泊まることになった。このメンバーで初めてのお泊まりだ。何か嬉しいな。
「残念だが大きな部屋は取れなかった。3人と2人に分かれて寝ることになる」
勇者様がフロントから戻ってきていった。
「じゃあ、くじ引きしようよ」
こういう時真っ先に提案するのはどうやらアイラのようだ。
「くじ引きの結果、アイラとクレアとサラ、私と麗華ちゃんで寝ることになった」
勇者様と一緒の部屋だ。ラッキー!
「え? ええーーーーー!!!!!」
「どうかしましたか?」
クレアが驚いて聞いてきた。
「ご、ごめんなさい」
勇者様と同じ部屋ってことは勇者様と一晩過ごすってことだよね? しかも二人きりで。そんなの無理だよー。い、嫌じゃないけど心の準備が。
「どうした? 顔が真っ赤だが」
「何でもありません」
勇者様、何でこんなに落ち着いてるんだろ?
「あああああと一緒の部屋が良かったな」
「アイラさん、私と一緒の部屋では不満ですか?」
「別にクレアが嫌だって言ってないじゃん」
アイラさんてこんな大胆なこと平気で言うんだ? 凄い凄すぎるよ!
ガチャ。
「いい部屋だね」
「は、はい」
「ん? どうして入ってこないんだ? もしかして本当に私と一緒の部屋が嫌なのかな?」
「そ、そ、そんなことないです」
私は慌てて部屋に入ると扉を閉めた。
「ふつつか者ですがよろしくお願いします」
「麗華ちゃんて時々面白いね」
勇者様はゲラゲラ笑っている。もう、こっちは真剣なのに。
「麗華ちゃん先にシャワー使っていいよ」
ボンッ! 『麗華、先にシャワー浴びて来いよ』(私にはこう聞こえる)
「わ、わ、私もう寝ます」
どういう態度を取っていいかわからなくなった私は布団に潜り込んだ。
そして三時間経過。勇者様寝ちゃったのかな? 物凄く静かだけど。
ガタ。ええーーー! いよいよ? どうしようどうしよう?
ガチャ。あれ? ドアの音?
もう! どうして可愛い女の子が一緒の部屋で寝てるのに何もしないわけ? 私は自分の枕を勇者様が出て行ったドアに投げつけた。
可愛く・・・・ないか? 私って高校生にもなって子ども体型だし、胸も殆どないし、周りにはクレアさんやアイラさんみたいな美人がいるし、別にサラさんが美人じゃないって言ってるんじゃないけど。
ガチャ。
「あれ? 起こしちゃったかな? ごめんごめん」
「いえ、そんなことないで・・・・ええーーー! 勇者様が着てるのってワンピース・・・・もしかしてネグリジェ!?」
「ああ、寝る時はいつもこれさ」
「勇者様ってそんな趣味があったんですか!?」
「何を驚いてるんだ?」
「それにしてもウエストは細いし胸だって大きい?」
「寝る時は金属の胸当てを外すからね」
「もしかしてあああああが男だと思ってたのかい?」
「ポチ、どうしてここに?」
「何でもいいけど宿に着くなり僕を犬小屋に繋ぐのはよしてくれないかい?」
「だって・・・・ええーーーーー!!!!! 勇者様が女!? でもでも声だって低いし髪の毛だって短いしかっこいいし」
「残念ながら私は女だよ」
そ、そんな・・・・私の初恋が一瞬で終わってしまった・・・・。
『羊が1568797匹、羊が1568797匹・・・・』
こうして私はある意味眠れぬ夜を迎えるのであった。
「残念だが大きな部屋は取れなかった。3人と2人に分かれて寝ることになる」
勇者様がフロントから戻ってきていった。
「じゃあ、くじ引きしようよ」
こういう時真っ先に提案するのはどうやらアイラのようだ。
「くじ引きの結果、アイラとクレアとサラ、私と麗華ちゃんで寝ることになった」
勇者様と一緒の部屋だ。ラッキー!
「え? ええーーーーー!!!!!」
「どうかしましたか?」
クレアが驚いて聞いてきた。
「ご、ごめんなさい」
勇者様と同じ部屋ってことは勇者様と一晩過ごすってことだよね? しかも二人きりで。そんなの無理だよー。い、嫌じゃないけど心の準備が。
「どうした? 顔が真っ赤だが」
「何でもありません」
勇者様、何でこんなに落ち着いてるんだろ?
「あああああと一緒の部屋が良かったな」
「アイラさん、私と一緒の部屋では不満ですか?」
「別にクレアが嫌だって言ってないじゃん」
アイラさんてこんな大胆なこと平気で言うんだ? 凄い凄すぎるよ!
ガチャ。
「いい部屋だね」
「は、はい」
「ん? どうして入ってこないんだ? もしかして本当に私と一緒の部屋が嫌なのかな?」
「そ、そ、そんなことないです」
私は慌てて部屋に入ると扉を閉めた。
「ふつつか者ですがよろしくお願いします」
「麗華ちゃんて時々面白いね」
勇者様はゲラゲラ笑っている。もう、こっちは真剣なのに。
「麗華ちゃん先にシャワー使っていいよ」
ボンッ! 『麗華、先にシャワー浴びて来いよ』(私にはこう聞こえる)
「わ、わ、私もう寝ます」
どういう態度を取っていいかわからなくなった私は布団に潜り込んだ。
そして三時間経過。勇者様寝ちゃったのかな? 物凄く静かだけど。
ガタ。ええーーー! いよいよ? どうしようどうしよう?
ガチャ。あれ? ドアの音?
もう! どうして可愛い女の子が一緒の部屋で寝てるのに何もしないわけ? 私は自分の枕を勇者様が出て行ったドアに投げつけた。
可愛く・・・・ないか? 私って高校生にもなって子ども体型だし、胸も殆どないし、周りにはクレアさんやアイラさんみたいな美人がいるし、別にサラさんが美人じゃないって言ってるんじゃないけど。
ガチャ。
「あれ? 起こしちゃったかな? ごめんごめん」
「いえ、そんなことないで・・・・ええーーー! 勇者様が着てるのってワンピース・・・・もしかしてネグリジェ!?」
「ああ、寝る時はいつもこれさ」
「勇者様ってそんな趣味があったんですか!?」
「何を驚いてるんだ?」
「それにしてもウエストは細いし胸だって大きい?」
「寝る時は金属の胸当てを外すからね」
「もしかしてあああああが男だと思ってたのかい?」
「ポチ、どうしてここに?」
「何でもいいけど宿に着くなり僕を犬小屋に繋ぐのはよしてくれないかい?」
「だって・・・・ええーーーーー!!!!! 勇者様が女!? でもでも声だって低いし髪の毛だって短いしかっこいいし」
「残念ながら私は女だよ」
そ、そんな・・・・私の初恋が一瞬で終わってしまった・・・・。
『羊が1568797匹、羊が1568797匹・・・・』
こうして私はある意味眠れぬ夜を迎えるのであった。
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