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第二章 旅立ち
第二十話 自己紹介
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私は緊張感に包まれていた。新しくパーティーに入れて貰ったのはいいけど私だけ浮いてる感じがする。
「私はアイラ。魔法使いをしているわ。レベルは52よ。よろしくね」
とてもキュートな感じの女性だ。私より年下に見えるけど、どうなんだろう?
「私はクレアです。僧侶をしています。レベルは68だから蘇生もできるので安心してください」
こちらの女性はかなり綺麗な人だわ。しかも落ち着きがあるって言うか、私とは天と地の差ね。絶対年上だわ。
「私はサラ。武闘家よ。レベルは45だから、このパーティーでは一番弱いわね」
いえいえ今日から一番弱いのは私になりましたから安心してください。
「全員女性だからすぐに馴染むと思うよ」
私の憧れの彼が優しく言った。
「そ、そうですね」
確かに女性が多いと気楽と言えば気楽だけど、全員顔面偏差値が高すぎるよ。愛しの彼が私を好きになってくれることなんて永遠に来ない気がする。
「次は私の自己紹介だね。私の名前は『あああああ』だ」
「へ?」
思わず変な声を上げてしまった。今なんて言った? 確か『あああああ』とか。
「変な名前だろ?」
「い、い、いえ。そんなことは」
「でも、勇者の間では伝説の名前なんだ。このネーミングはかなり昔から伝わっている」
「そうなんですか?」
私はわざと大げさに驚いたふりをして見せた。ちょっとわざとらしかったかも?
「あなたの自己紹介もしてよ」
魔法使いのアイラが可愛らしい声で言った。そうだよね。この流れになるよね。ああ、どうしよう。
「わ、わ、私は麗華と言います。よろしくお願いします」
「へえ、可愛い名前だね。で、職業は?」
やっぱり来たわ。どうしよう。バニーガールなんて恥ずかしくて言えないよ。
私が下を向いていると愛しのあああああさんが心配そうに声を掛けてくれた。
「どうしたんだ? 恥ずかしくなんかないさ。言ってごらん」
思いっきり恥ずかしいんですけど。でも言うしかないか。
「私の職業は女優です」
「ええ、すっごーい!」
「嘘です」
「面白い子だな」
「本当は・・・・」
「麗華はバニーガールだよ。レバルは3だ」
足下から声がした。
「私は猫使いです」
そう言うと私はポチを掴んで思いっきり投げ飛ばした。多分800メートルは飛んでいったわ。
「麗華ちゃんは見かけによらず過激だな」
全員が大笑いする中、私は顔を真っ赤にして俯いていた。ポチ! いつか殺す! 好きな人の前で乙女に恥を掻かせた罪は重いのよ。
「今の猫が麗華ちゃんのガイダーだね」
「はい、運が悪いことに。皆さんにはガイダーはいないのですか?」
「いるよ。さっきから空を舞っている小鳥さ。赤、青、黄色、そして紫の鳥がいるだろ。この小鳥が私達のガイダーだ」
私も小鳥の方が良かったよ。
「あのう。一つ聞いてもいいですか?」
「何でも聞いてくれ」
「ガイダーって変更可能ですか?」
「それは無理だね。一度ガイダーが決まったらそのガイダーが死なない限り変更することはできないんだ」
ポチ! 復帰早!
そうだよね。そんなうまい話ってないよね。
「ん? 今、死なない限りって言った?」
「え?」
この日からなぜかポチは私の手の届く範囲に来なくなってしまった。
「私はアイラ。魔法使いをしているわ。レベルは52よ。よろしくね」
とてもキュートな感じの女性だ。私より年下に見えるけど、どうなんだろう?
「私はクレアです。僧侶をしています。レベルは68だから蘇生もできるので安心してください」
こちらの女性はかなり綺麗な人だわ。しかも落ち着きがあるって言うか、私とは天と地の差ね。絶対年上だわ。
「私はサラ。武闘家よ。レベルは45だから、このパーティーでは一番弱いわね」
いえいえ今日から一番弱いのは私になりましたから安心してください。
「全員女性だからすぐに馴染むと思うよ」
私の憧れの彼が優しく言った。
「そ、そうですね」
確かに女性が多いと気楽と言えば気楽だけど、全員顔面偏差値が高すぎるよ。愛しの彼が私を好きになってくれることなんて永遠に来ない気がする。
「次は私の自己紹介だね。私の名前は『あああああ』だ」
「へ?」
思わず変な声を上げてしまった。今なんて言った? 確か『あああああ』とか。
「変な名前だろ?」
「い、い、いえ。そんなことは」
「でも、勇者の間では伝説の名前なんだ。このネーミングはかなり昔から伝わっている」
「そうなんですか?」
私はわざと大げさに驚いたふりをして見せた。ちょっとわざとらしかったかも?
「あなたの自己紹介もしてよ」
魔法使いのアイラが可愛らしい声で言った。そうだよね。この流れになるよね。ああ、どうしよう。
「わ、わ、私は麗華と言います。よろしくお願いします」
「へえ、可愛い名前だね。で、職業は?」
やっぱり来たわ。どうしよう。バニーガールなんて恥ずかしくて言えないよ。
私が下を向いていると愛しのあああああさんが心配そうに声を掛けてくれた。
「どうしたんだ? 恥ずかしくなんかないさ。言ってごらん」
思いっきり恥ずかしいんですけど。でも言うしかないか。
「私の職業は女優です」
「ええ、すっごーい!」
「嘘です」
「面白い子だな」
「本当は・・・・」
「麗華はバニーガールだよ。レバルは3だ」
足下から声がした。
「私は猫使いです」
そう言うと私はポチを掴んで思いっきり投げ飛ばした。多分800メートルは飛んでいったわ。
「麗華ちゃんは見かけによらず過激だな」
全員が大笑いする中、私は顔を真っ赤にして俯いていた。ポチ! いつか殺す! 好きな人の前で乙女に恥を掻かせた罪は重いのよ。
「今の猫が麗華ちゃんのガイダーだね」
「はい、運が悪いことに。皆さんにはガイダーはいないのですか?」
「いるよ。さっきから空を舞っている小鳥さ。赤、青、黄色、そして紫の鳥がいるだろ。この小鳥が私達のガイダーだ」
私も小鳥の方が良かったよ。
「あのう。一つ聞いてもいいですか?」
「何でも聞いてくれ」
「ガイダーって変更可能ですか?」
「それは無理だね。一度ガイダーが決まったらそのガイダーが死なない限り変更することはできないんだ」
ポチ! 復帰早!
そうだよね。そんなうまい話ってないよね。
「ん? 今、死なない限りって言った?」
「え?」
この日からなぜかポチは私の手の届く範囲に来なくなってしまった。
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