レイフォードの狂演武

秋風りっか

文字の大きさ
上 下
13 / 17
訓練

目が覚めたら新しい世界へと一歩ずつ世界は変わっていく。

しおりを挟む

また、見慣れないけれど少しだけよく見た天井があった。
私は?誰だっけ?ルイエル・リトイニア?違うな……。
そうだ。アリサ・リトイニアだ。エルフの12歳。
でもこのルイエルの記憶は何?私はまだ死んではいないはず……。
なのに何で死んだ記憶があるんだろう?
「前世的なことなのかなあ。」
「いいや。一度君の先祖ルイエルと魂が融合し始めていたからその時記憶も融合されて、
交わっているんだろうな。恐らくしばらくは君の中に人格が2つあるような感覚だから気持ち悪いだろう。人格融合を待つしか無いな。」
といつからか入り口に立っていたチハルさんが言った。
2つの人格って。あるわけな……。
(じゃあ。私は死んだの……?)
おうううう。人格が2つあるって思考も2つあるのか………!!頭が割れそう………!!
というか動こうとすると2つの思考で考えて行動するから頭痛いし、なんか体が動かない……!
なんか酔っているような感じなんだけど………。
ど、どうして…………?あっ。もう無理。起きていられない…………。
そこで視界は真っ暗になった。
ーーー
また私は目を開いた。
起き上がろうとすると今度は起き上がれた。
ここは天界の砂漠熱宮で。私が死んだのはあの国のお城で…………?
チハルさんが言っていた人格融合ってこんな感じなのかなぁ。
そういえばルイエル?の記憶で最後に見た軍服みたいなのを着ていて大きなブローチをつけていた人は誰なんだろうか…………?
チハルさんに後で聞いてみよう。
でも人格融合が済んでから私が見る世界は激変していた。





何とフワフワ浮いている精霊?が見えるようになったのだ。
見え始めた時はそれはもうビックリして発狂しそうになったものだ。
これもチハルさんに聞かなければ…………。というかチハルさんって神様以上に何なんだろうね。
めっちゃ心が読まれているのかっ!?って時とかいろんなこと知っているんだよ?
お母さん元気かな?って思ってたらチハルさんに元気だよ。って何にも言っていないのに答えられた。
本当に心読まれているよね?
え?ちょっと怖い。
隠し事出来なさそうなんだけど。
そうだ。ホールに行ったらフウカさんとかミコトさんいるかな?
あの2人なら答えてくれそうだな。




そしてホールの扉の前に立つとフウカさんとミコトさんの声がした。
「おっ。アリサちゃん。どうしたの?」
とまだ入ってもいないのに聞かれた。声からしてミコトさんかな?
「あの、聞きたいことがあったんですけど。入ってもいいですか?」
「どうぞどうぞ~。ご自由にお入り下さ~い。」
なんか軽いな。
そしてホールに入ってフウカさんに椅子を用意されたので座った。
「それで聞きたいことって何かな?」
「あ、あの。なんかフワフワ浮いている精霊みたいなのって何なんですか?」
「精霊?ああ。アリサちゃん精霊が見えるようになったんだね。」
おお。その言い草だと見えない人もいるような感じになっていませんか?
え?見えない人もいるんだ。
「元々の体質で見える人と見えない人がいるんだよ。
私達はこの精霊を見ることができる能力をリーニングって呼ぶんだ。
比較的エルフは見やすいらしいよ。」
へえ。そうなんだ。
「他にも何か質問は?」
「後…………………………。」
これって聞いていいのかな?
「チハルさんって何者なんですか?心読まれている感じだったりなんかいろんなこと知っていたりするので…………………………。それにいつの間にか側に立ってたりとかしたあれは神様ってああいうのが普通なんですか?そうだったら怖いんですけど。」
「ああ……。あれは普通じゃないから大丈夫。結構チハルはイレギュラーな感じの神だから気にしなくていいよ。それにチハルみたいなのがゴロゴロいたらそれはもう均衡が壊れるって。」
フウカさんは青い顔でそう言っていた。
そ、そうなんだ。でもチハルさんってイレギュラーな感じの神様なんだ。でも神様のイレギュラーってどんな感じなの?チハルさん見てても普通に見えるんだけれども。
え?本当はめちゃくちゃ弱くて頭脳派で最高神に勝っているってことなの!?
そういうことなのかなあ?そうだとしたらすごいなあ。
だってすんごい頭良いってことなんでしょ?それはもう確かにイレギュラーだわ。
もしかして戦い以外は全て完璧に出来るけれども戦いだけはできないからイレギュラーなのかな?
そういうことなんだね。






ーーーーー





アリサちゃんはすごい勘違いをしているようだけどチハルはものすんごい強いからね?
それに頭もいいし。近接戦最強だしさあ。
イレギュラーって言ったのは過去にいろいろあったからなんだよねえ。
それと怒らせてはいけない神No.1っても呼ばれているし。
まあ。チハルは逆鱗に触れさえしなければ良い神だし。
でもそれなのにみんながチハルのことを悪者の神みたいにいうからイメージが折れ曲がってるんだろうと思うけど。
チハルも大変だろうなあ。
でもアリサちゃんにリーニングの能力かあ。まあ。予想はしてたけれども。
こうなってくるといろいろ予想外だよね。囲い込みとか絶対に来るだろうしね。
予想外ばっかりだなあ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者の浮気相手が子を授かったので

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。 ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。 アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。 ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。 自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。 しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。 彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。 ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。 まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。 ※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。 ※完結しました

記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。

せいめ
恋愛
 メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。  頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。   ご都合主義です。誤字脱字お許しください。

私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください。

アーエル
ファンタジー
旧題:私は『聖女ではない』ですか。そうですか。帰ることも出来ませんか。じゃあ『勝手にする』ので放っといて下さい。 【 聖女?そんなもん知るか。報復?復讐?しますよ。当たり前でしょう?当然の権利です! 】 地震を知らせるアラームがなると同時に知らない世界の床に座り込んでいた。 同じ状況の少女と共に。 そして現れた『オレ様』な青年が、この国の第二王子!? 怯える少女と睨みつける私。 オレ様王子は少女を『聖女』として選び、私の存在を拒否して城から追い出した。 だったら『勝手にする』から放っておいて! 同時公開 ☆カクヨム さん ✻アルファポリスさんにて書籍化されました🎉 タイトルは【 私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください 】です。 そして番外編もはじめました。 相変わらず不定期です。 皆さんのおかげです。 本当にありがとうございます🙇💕 これからもよろしくお願いします。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~

こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。 それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。 かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。 果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!? ※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。

キャンピングカーで往く異世界徒然紀行

タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》 【書籍化!】 コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。 早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。 そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。 道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが… ※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜 ※カクヨム様でも投稿をしております

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。 レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。 【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。 そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】

処理中です...