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アガネスト帝国王立魔法学園

18,カイル君おいでませ〜

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「 ……で、何~?この世界の話を殿下達が居る前で話しちゃうの?……ってそもそも、この綺麗な女の人だれ?」

……紹介していなかった……

「はいは~い!ルーデリアちゃん!私はアフロディナって言うのよ~♪奈々葉ちゃんの姉だからよろしくね♡」

「へ~奈々葉の姉…………え?!ってことは、女神様!?」

「ピンポンピンポン、だいせいかーい!ある程度話は聞いていたでしょ?」

「は、はい!あのっ、お会いできて光栄です!妹の奈々葉ちゃんには思い出してからすっごく良くしてもらってて、どうか私も仲間に入る事をお許しくださいっ!」

……それ、お姉ちゃんに言うぅぅぅ?

気持ちは嬉しいけど、それお姉ちゃんに言う?(2回目)

「ん~私達神はそんなに数は要らないんだけど~あ、カイル君以外奈々葉ちゃんについて行きたい人は天使にでもなれば行けるんじゃないかしら~?!」

「「「「「「「良いんですか?!」」」」」」」

「天使達はいくら居ても足りないからね~主の仕事は私達のお世話と、輪廻転生の決め事なのよ?あなた達にはピッタリ~!」

わぁ……すっごい、話進んでるなー……(棒読み)

「……ねぇ、一緒に居られるのは嬉しいんだけど、窓の外を見て?もう真っ暗だよ?!」

「「「「「「「「あ、」」」」」」」」

「殿下、この事はご内密にお願いしますね?陛下にもダメですよ?もし、誰かに話でもしたらどうなるんでしょうね?話の続きはまた明日お話しますので。では、ごきげんよう。」

 私は、サッと『変化』でナナの姿に戻って帰る用意をする。

「俺は、どうしようか。」 

「カイルは~……」

「アパートに連れてきちゃお~!」

「え?どうやって?私達女子寮と男子寮別々だよ?」

「そんなの、私が呼び出しちゃえば、ちょちょいのちょいよ~♪」

「……神か?」

「神よん☆」

……ルーデリアとお姉ちゃんが以外にめっちゃ仲良くなってる。

ルーデリアのボケにのっている神。

うん、こんなの殿下が言える訳ないか。

言ったところで信じられないでしょう。

「では、また。ご機嫌よう。」

「……ご機嫌よう、殿下。カイル様。」

「「ご機嫌よう。」」

「「「「「失礼します。」」」」」

「じゃあね~♪」

 私達はぞろぞろと図書室を後にし、女子寮の私の部屋に皆入る。

「ちょっと待ってね。今開けるから。」

私は、キーを床に挿して開ける。

「開いたから、行くよ」

「「「「「「「「はーい」」」」」」」」

 どんどん、アパートの門を潜りひとまず食堂で、カイルを呼ぶことにした。

「カイル君、おいでませ~♪」

 いや、だからどこからそのネタ仕入れてくるのか……

 お姉ちゃんが手を一振りすると、カイルが降ってきた。

ん?降ってきた?!


ゴンッ

そんな音でカイルは尻もちついていた。

「いって」

「あら~」

「ちょ、大丈夫?」

「あ?あぁ。ここは……?」

カイルはキョロキョロと辺りを見回す。

「ここは、おじいちゃんから貰ったアパートの食堂……まぁ、私達の家かな……?」 

「あ~さっき言っていたやつか……」

「うん、ようこそ。」

 私は尻もちついているカイルに手を差し出して起こしてあげる。

「さ~て、とりあえず皆お風呂入ってご飯食べない?お姉ちゃん、奈々葉ちゃんの手料理食べたいのよ~」

「え?うん、良いけど……その前に……」

私はシンとトリスの方をむく。

「シン、トリス。カイルの着れる変えの洋服ってありそう?」

「大丈夫です。色々なサイズの服がありましたので、その中に着れるものは何着かあるかと。」

「私どもが着てない服の方が多いいので、カイル様に選ばせてもいいかと。」

あ~……まぁ、クローゼットの中がもうひとつの部屋になっているもんね~……

 見た目は普通のクローゼットなのに奥行きが合ってないもん。

「じゃあ、シンはカイルを連れて服や下着を選ばせて。……あ~……今日カイルはどこで寝ようか……」

「また、205号室で皆で寝たらいいんじゃない?」

「あ~……じゃあトリスはネルトと一緒に私達の布団11人分……はギリ入るか……の用意して貰える?」

「「「かしこまりました。」」」

そう言ってシンはカイルを連れて部屋を出ていく。

「ハルミはお姉ちゃんを連れて服用意して……って、お姉ちゃん、いつまで居られるの?」

「そうね~……明日の朝食食べたら帰ろうかしら。」

「あ、じゃあ替えの服必要だね。ハルミ、お姉ちゃん連れて私達の分も用意してきて貰える?私達晩御飯の仕込みしとくから。」

「は~い。かしこまりました。」

そう言って2人も出ていく。

「残った私達は、仕込みをする訳だけど……何がいい?」

「肉汁がぶわぁってなってるハンバーグ!」

「あ、それならチーズも乗っけたいです!」

「ハンバーグか~じゃあ合わせてコンソメスープとサラダでも作ろうかな。お米とパンどっちがいい?」

「「お米!」」

「了解‪w お米好きになったよね~」

私達は手を洗い、エプロンをつけた。

変化も解いた。

「じゃあ、モナはお米をといでスイッチ押しといてくれる?あ、五合分を2つ。」

「かしこまりました。」

 うちの食堂は、食堂って言うだけあって炊飯器が3つある。

「リリーは、玉ねぎひと……2つ分みじん切りにしてくれる?」

「わかりました、姉様。」

「ルルーはキャベツや人参、玉ねぎとかコンソメスープの野菜を切っておいてくれる?」

「は~い!」

私達はいっせいに作り始める。

私はまず、ハンバーグの種作りから……

ーーーーーーーーー
カイルside

「それでも俺は聞く。」

「どうして?」

 うっ、今それ聞くか……?

 と言うか、そろそろ意識して欲しいんだよなぁ……今振られても、意識さえしてもらえれば、また落としに行こうかな……

「あ~……こんな形で言うつもりは、なかったんだが、……めっちゃ恥ずいな……」

「……?」

いや、いざ言うってなったらめっちゃ恥ずい!


「……ナナはさ、俺と一生一緒に居てくれたりしないか?」

なんて言おうか悩んだ末、こう言うしかなかった。

 少しの間が空いたあと、ナナがぶわぁぁと顔を赤くした。

お?まさか行けるか……?

「あ、……え?それって、そういう事で良いの?私の思い違い?勘違い?自意識過剰?妄想?」

「……フッ……なんだ、そう悩まなくても、もうナナは俺の事……答えは貰えそうか?」

「へ?!……えっと……その……ね?私とその、一生を過ごすという事は、人間やめちゃうよ?良いの?」

「人間やめる?……ナナといられるならいいか……」

 人間辞める……か……人間やめたことでこの気持ちは変わらなければそれでいい。

俺に残ってるものなんてないしな。


「ナナ、俺と一生一緒に居てくれないか?」

「カイル……ナナとしてその返事は、返せない。」

「……そうか。」

やっぱり早すぎたか……

「ナナは、卒業後にこの世から居なくなる。だから、私の本名を言うからもう一度言ってくれる?」

いなくなる……?
いや、偽名って事か。

「……やっぱり偽名か……」

「うん。」

 ナナは、シュレイプ侯爵の娘と言う姿から、暗殺者の時に見た姿に戻る。

「私は、如月 奈々葉。」

如月……奈々葉……

「奈々葉……奈々葉、俺と一生一緒に居てくれないか?」

「はいぃぃぃぃ……!」
「おめでとぉぉぉー!!!」

おいっ?!

 今はいって言葉貰えたよな?

 なんか被せて邪魔が入ったけど言って貰ったよな?!

「「え?」」

 って言うか、誰だよ!?


 俺は、サッと奈々葉の腕を引っ張り後ろに守る状態になる。

「いや~……見ていてとても初々しいくて、深い告白だったわよ~」

「……あら~私の事を知らない?よく神殿とかで見ないかしら?」

「神殿?」

何言ってるんだ?

「どうして、お姉ちゃんがここに居るの!」

お姉ちゃん……?

姉!? 

奈々葉の?!

「そんなの、恋愛を司っているのだから、恋愛がある所に私ありっよ。」

「……お姉ちゃん?(にこぉ)」

「ひっ!だって~……奈々葉ちゃんがやっと人間をやめて私達に近ずいた~って思ったら好きな男の子出来てるじゃない?だから、私が見守っていたのよ~」

「……あのさ……」

「「あ!」」
 
どういう事か、説明してくれるか?

「まず……奈々葉、お前この前姉さんにスキル貰ったとか言っていたけど、その姉さんか?」

「いや?姉さんは、今の所3人居るよ。」

「神殿っというのは?」

「そこは……」

「奈々葉ちゃん、カイル君は大丈夫だわ~。だって、ガイア母さんが見てたもの♪」

……ガイア母さん?

「……そうだね。カイルもちゃんと言ってくれたわけだし、私もちゃんと説明しなくちゃね。」

「うんうん♪たーだ……」

突然姉と名乗る人の顔が真顔になる。

「盗み聞きは、行けないわぁ~」

奈々葉の姉が一瞬消えて直ぐに現れる。

「!!  ……何をするんだ。」

「「殿下!?」」

「奈々葉ちゃんもカイル君も自分の気持ちでいっぱいいっぱいのときなのにこんな邪魔は、どうしようかしら……?」

殿下は首根っこを掴まれている。

いつの間に?と言うか、今のどうやったんだ!?

「いつからお聞きに?!」

「……ナナ嬢がカイルに忠告をしていた時辺りだ。」

「「だいぶ最初!!」」

最初じゃねーか!!

「どういう事か、説明してもらえるね?」

いや、お前に説明しなくても……

「盗み聞きをしているただの人間に別に説明しなくてもいいんじゃないかしら~?」

俺は、とても同意した。

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