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第8章 核の恐怖。

第6話 急襲突撃!タンデムモービル。

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( ビビッ!敵HARMOR、対空ミサイル発射!警告、ビビッ!敵HARMOR、対空ミサイル発射。近距離~接近します。着弾まで2秒。 )
 
 慌てず、冷静に対処するきよしだった。同じく全く同様しない少女たち。
 
「ふっ。……エイモス、フレアー。」

( シュシュシュ!パラパラパラ~! )

 無数の対ミサイルフレアーが放出され、そのフレアーに翻弄される敵ミサイル。
 きよし・布村タンデムモービルの至近距離で爆発するミサイル。
 破片や拡散弾が機体へ無数に当たる音がする。

 
(( ドン!ドン!ドン!ドンッ! ))
 
( バインバイン、バインッ!ガサガサッ、キュインキュイ~ン。キュイ~ン!ガサガサッ。 )


 ミサイル攻撃に構わず急襲攻撃を続けるきよし・布村タンデムモービル。覚悟をしたパンダ・ガールズは誰一人、悲鳴や泣き言を言わなかった。

 既に彼女達の目は戦士の目に変わっていたのだ。
 
「布村さん!」
 
「ハイ~ッ!エネミー全機、ロックオン完了っ!」
 
「ヨッシャー!当ったれーっ!」

( ボンッボンッボンッ!ボンッ! )
 
( ボンッボンッボンッボンッ! )
 
 きよし・布村タンデムモービルの両腕の40ミリカノン砲2門が、降下しながら火を噴いた。
 その上方や下方、後方では、フレアーに翻弄された敵ミサイルが誤爆している。
 その煙の中をきよし・布村タンデムモービルは降下したのだ。

( カンッカンッカンッ!カンッ! )
 
( カンッカンッカンッカンッ! )
 
 40ミリカノン砲の劣化ウラン徹甲弾8発が、4機の敵HARMORの真上から襲った。
 狙った頸部の接点に吸い込まれる40ミリ砲弾。
 HARMORの装甲の弱点をぶち抜いて地面まで抜けたのだ。
 4機の敵HARMORの足元へ、貫通し地面で着弾した砲弾が土煙を上げる。


(( ドカドカドカ、ドカッ! ))
 
(( ドカドカドカドカッ! ))
 
 足元に居た敵のAXIS兵士たちが吹き飛んだ。
 
( うわー! )
 
( ぎゃーっ! )
 
( おわーっ! )
 
 膝から倒れ込む4機の敵HARMOR。
 その中で、一度倒れたが立ち上がろうとする1機の敵HARMORがいた。
 そのHARMORの背中にきよし・布村タンデムモービルが狙うように背中にランディングした。

(( スッ!ドシンッ!ガシャン! ))

 立ち上がろうとした敵HARMORの背中に、カエルの様に思いっきり膝を曲げて着地するきよし・布村タンデムモービルだった。
 弾き飛ぶ、HARMORの破片。

(( ガシャガシャーン! ))
 
 きよし・布村モービルがカエルしゃがみから、ゆっくり立ち上がる。

( ガラガラガラガラ。 )

 いつもの巻き上げチェーンの音が、静かになった大地で鳴る。
 それも束の間、下敷きになった敵HARMORから、光がパッパッと連続して発光を始めた。
 きよし・布村タンデムモービルの重さに耐えきれず核燃料炉ごと潰れたのだ。
 
 その内、その光の場所から稲妻が走り始めた。

(( バシンバシン。バリバリ、バシンッ! ))
 
 だんだん稲妻が大きくなり、とうとう踏んづけた脚元から大きな稲妻放電が始まったのだ。
 異常に成長するプラズマの火柱。
 
( ビリビリ、ビリビリーッ!バシン!バリバリバリッ! )
 
 どんどん大きく輪を描いて飛び上がる無数の稲妻放電。
 臨界点を迎えた核燃料炉はHARMORの背中を超高温で溶かし始めた。
 きよし・布村タンデムモービルの脚部アウターアーマーも、端から高温による融解が始まった。
 しかし、全く気にも留めないきよしたち。
 コクピットに警報音が鳴り響いた。

( ビー、キュインキュイン!ビー、キュインキュイン! )
 
( 危険、危険!危険、危険!許容値を遥かにこえる放射能値を感知。核物質崩壊によるセシウム235を感知。危険、危険!敵、小型核融合炉の完全崩壊が始まりました。 )
 
( ビー、キュインキュイン!ビー、キュインキュイン! )
 
( 直ちに退避してください。直ちに退避してください。核物質不安定値、許容量オーバー。核物質の崩壊を確認。臨界論理値まで約2分。 )
 
( ビー、キュインキュイン!ビー、キュインキュイン! )
 
 全く微動だにしないきよしと少女たち。
 タンデムシートの前に座る布村がヘッドギアーのなかで白い歯を出した。
 ハンドルのアクセルをバイクのように吹かす布村。
 バーニア噴射孔がリアルタイムで、布村のアクセルさばきと同じく開いたり閉じたりする。

( ギュギュギュ……。 )
 
( ボワン、ボワン、ボワンッ! )
 
 アクセルを吹かす布村。
 同じように噴射をするバーニア。

( ギュギュギュー! )
 
( ボワーンボワーンボワーンッ! )

 地面で、頭を手で押さえうつ伏せなっていたAXIS地上支援部隊の兵士たちが立ち上がった。
 その中の上官らしい男の指示で、対HARMOR携行ミサイルを兵士たちがゾロゾロ近寄って来て構えた。
 
 その後ろにはさらに続々とAXISの4つの中隊、約1000名に上る敵地上兵が集まって来た。
 大型兵員トラックから続々降りる地上兵たち。
 その大勢の兵士も大きな稲妻の音や光で照らされて、ビビりながら装備品をセット始めた。
 
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