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第7章 第3次世界大戦前夜?
第6話 敵のパイロットへの危険な尋問?
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小さな漁港の荷揚げ場埠頭。
漁港の埠頭先で、横たわる敵のHARMORの残骸。
ところが、その近くから場違いの、楽しい笑い声が聞こえてきた。
(( あははは! ))
(( マジー!あははは! ))
少し離れた木陰の道端で、地面の上に座り込む捕虜となったAXIS南北朝鮮軍のパイロットが1人。
パイロットを取り囲む、きよしと少女たちの6名。
なにやらパイロットが手でOK、OKしがらニコニコしている。
そしてきよしと少女たちは解散した。
その敵、AXISのパイロットがニコニコして、紙コップを片手にもって手を上げた。
「お嬢ちゃんたち~!がんばれ~!ヒックっ!俺はここで大丈夫だ。この赤いボタンを押したらテントになるんだな。3つもありがとう。了解ですよ~。ありがとう。核爆発でも放射能に平気なテントってな。凄いなーオイ。お兄ちゃん。」
「隊長もお気をつけて。」
後ろに手を上げて、さよならをするきよし。
「はい、はい~、みんながんばってな~。ハハハッ。」
普通の日本語で声を上げたAXISの捕虜だった。
タンデムモービルに向かって歩いて行く大男でパイロット姿のきよし。
その後ろで捕虜に振り向いて笑顔で手を振る布村と4人の少女。
歩きながら布村がヘッドギアを被った。
御舩の会議室の大型モニターに表示される衛星戦術モニターを見ながらジェシカ・スミス中佐が布村に話しかける。
「愛ちゃんご苦労様!ふふっ。お友だちとか大丈夫?なにか、問題とかありませんでしたか?」
「ハイ!スミス中佐!敵の南北朝鮮軍のお偉いさんパイロットと思って最初はドキドキしましたけど。実は、普通のオジサンでした。日本語が普通に喋れるからびっくりしましたけど。」
立ち止まって手を上げた布村へ、ハイタッチをしながらタンデムモービルに歩いて行く4人の少女たち。
そのきよし達の現場を真上の衛星戦術モニターを見ているリアルタイムで見ている会議部屋のスタッフ。
そして、腕を組みながら何やらニコニコしている御舩会議室の男性の面々だった。
ヘッドギアの正面ガラスを閉めて再び歩き始める布村。
手前のモニターを、ジェシカが笑いながら話した。
( もう、愛ちゃん。尋問というか、どこかの日本のキャバクラみたい。アハハハッ。知らんけど。あ~面白かった。パイロットもおしゃべりで。はははっ。さぁそれでは最初のシーラスワンからの委託任務。初めてお願いしたお仕事。愛ちゃんたち、ありがとう。 )
真上の空に向かって手をふる布村と4人の少女。
大型モニターにも真上を見て手をふる布村たちが映っている。
横に立つ秘書官のメリッサ・ガー・サイオンと目を合わせてニッコリする御舩。
ジェシカがまた指を耳に当てて、きよしに通信する。
「それでは椎葉少尉?」
少し、真顔になるスミス中佐。
「はい、スミス教官。」
モービルに乗り込もうする手を止めて、インカムに手を添えるきよし。
モービルの手の平(マニュピレーター)から少し離れた。
キャッキャ騒ぎながら、きよしの手や背中、お尻をパシパシ叩きながら先にモービルの手の平(マニュピレーター)に上がり、順番にコクピットへ乗り込む乙女たち。
( ペシッ! )
( ペシッ! )
そんな人気者のきよしに話続けるジェシカ。
「かなりテクニカルで難易度が高い作戦だけど。あと、40分でムーンリバー中隊はE I(大気圏再突入)を終えて対馬上空に来るわ。空爆の前に……、椎葉少尉。一発勝負よ。」
「ハイ!とにかく、なんとかして敵のAXIS、HARMOR部隊、地上部隊を対馬市民の避難所から遠ざけます。」
捕虜から聞き出した情報でシーラスワンのオペレータールームでは各国の情報武官達が忙しく連絡やモニターで情報を分析していた。
御舩長官の会議室では、捕虜のパイロットから聞き出した敵戦力の詳細、作戦目的を元に、きよしたちに最後の指示を与えたジェシカ・スミス中佐だった。
結局は、御舩のビデオ演説が世界を動かしたのだ。
同盟国からの苦情や圧力で日本政府も、とうとう根を上げたのだ。
限定的だが、救出の為の反抗作戦を認めざるを得なかった。
しかし、時は既に遅かった。
1万人以上の対馬市民の犠牲者を出してしまったのだ。
ようやく反抗作戦が始まるのだ。
その為の敵の情報をきよしたちが聞き出したのだ。
まず最初に、沿岸部に設置された敵アクシスの対空レーダー網や情報網が各国の無人機によって破壊された。そして敵モービルや地上部隊の対空システムがダウンしたのだ。
もはや南北朝鮮軍の兵士たちにはインターネットの情報や無線による通話が出来なくなっていた。
それでようやく厳原湾でも、避難民の救助活動が本格的できるようになったのだ。
対艦ミサイルの脅威も排除され、潜水艦によるピストン輸送から水上艦による避難に切り替わった。
救助活動から解放された、潜水艦部隊は引き続き哨戒任務に戻ることが出来たのだ。
制空権と情報網を奪回され、更に動揺するAXISの南北朝鮮軍だった。
シラス加盟国軍の友軍各国の機動部隊から発っせられた周波数全域に流される妨害電波。
通信どころかシステム情報のリンクもシャットダウンされ、敵AXISの島嶼上陸部隊は完全に孤島の軍になってしまったのだった。
反抗作戦開始からたった10分も掛からなかった。
漁港の埠頭先で、横たわる敵のHARMORの残骸。
ところが、その近くから場違いの、楽しい笑い声が聞こえてきた。
(( あははは! ))
(( マジー!あははは! ))
少し離れた木陰の道端で、地面の上に座り込む捕虜となったAXIS南北朝鮮軍のパイロットが1人。
パイロットを取り囲む、きよしと少女たちの6名。
なにやらパイロットが手でOK、OKしがらニコニコしている。
そしてきよしと少女たちは解散した。
その敵、AXISのパイロットがニコニコして、紙コップを片手にもって手を上げた。
「お嬢ちゃんたち~!がんばれ~!ヒックっ!俺はここで大丈夫だ。この赤いボタンを押したらテントになるんだな。3つもありがとう。了解ですよ~。ありがとう。核爆発でも放射能に平気なテントってな。凄いなーオイ。お兄ちゃん。」
「隊長もお気をつけて。」
後ろに手を上げて、さよならをするきよし。
「はい、はい~、みんながんばってな~。ハハハッ。」
普通の日本語で声を上げたAXISの捕虜だった。
タンデムモービルに向かって歩いて行く大男でパイロット姿のきよし。
その後ろで捕虜に振り向いて笑顔で手を振る布村と4人の少女。
歩きながら布村がヘッドギアを被った。
御舩の会議室の大型モニターに表示される衛星戦術モニターを見ながらジェシカ・スミス中佐が布村に話しかける。
「愛ちゃんご苦労様!ふふっ。お友だちとか大丈夫?なにか、問題とかありませんでしたか?」
「ハイ!スミス中佐!敵の南北朝鮮軍のお偉いさんパイロットと思って最初はドキドキしましたけど。実は、普通のオジサンでした。日本語が普通に喋れるからびっくりしましたけど。」
立ち止まって手を上げた布村へ、ハイタッチをしながらタンデムモービルに歩いて行く4人の少女たち。
そのきよし達の現場を真上の衛星戦術モニターを見ているリアルタイムで見ている会議部屋のスタッフ。
そして、腕を組みながら何やらニコニコしている御舩会議室の男性の面々だった。
ヘッドギアの正面ガラスを閉めて再び歩き始める布村。
手前のモニターを、ジェシカが笑いながら話した。
( もう、愛ちゃん。尋問というか、どこかの日本のキャバクラみたい。アハハハッ。知らんけど。あ~面白かった。パイロットもおしゃべりで。はははっ。さぁそれでは最初のシーラスワンからの委託任務。初めてお願いしたお仕事。愛ちゃんたち、ありがとう。 )
真上の空に向かって手をふる布村と4人の少女。
大型モニターにも真上を見て手をふる布村たちが映っている。
横に立つ秘書官のメリッサ・ガー・サイオンと目を合わせてニッコリする御舩。
ジェシカがまた指を耳に当てて、きよしに通信する。
「それでは椎葉少尉?」
少し、真顔になるスミス中佐。
「はい、スミス教官。」
モービルに乗り込もうする手を止めて、インカムに手を添えるきよし。
モービルの手の平(マニュピレーター)から少し離れた。
キャッキャ騒ぎながら、きよしの手や背中、お尻をパシパシ叩きながら先にモービルの手の平(マニュピレーター)に上がり、順番にコクピットへ乗り込む乙女たち。
( ペシッ! )
( ペシッ! )
そんな人気者のきよしに話続けるジェシカ。
「かなりテクニカルで難易度が高い作戦だけど。あと、40分でムーンリバー中隊はE I(大気圏再突入)を終えて対馬上空に来るわ。空爆の前に……、椎葉少尉。一発勝負よ。」
「ハイ!とにかく、なんとかして敵のAXIS、HARMOR部隊、地上部隊を対馬市民の避難所から遠ざけます。」
捕虜から聞き出した情報でシーラスワンのオペレータールームでは各国の情報武官達が忙しく連絡やモニターで情報を分析していた。
御舩長官の会議室では、捕虜のパイロットから聞き出した敵戦力の詳細、作戦目的を元に、きよしたちに最後の指示を与えたジェシカ・スミス中佐だった。
結局は、御舩のビデオ演説が世界を動かしたのだ。
同盟国からの苦情や圧力で日本政府も、とうとう根を上げたのだ。
限定的だが、救出の為の反抗作戦を認めざるを得なかった。
しかし、時は既に遅かった。
1万人以上の対馬市民の犠牲者を出してしまったのだ。
ようやく反抗作戦が始まるのだ。
その為の敵の情報をきよしたちが聞き出したのだ。
まず最初に、沿岸部に設置された敵アクシスの対空レーダー網や情報網が各国の無人機によって破壊された。そして敵モービルや地上部隊の対空システムがダウンしたのだ。
もはや南北朝鮮軍の兵士たちにはインターネットの情報や無線による通話が出来なくなっていた。
それでようやく厳原湾でも、避難民の救助活動が本格的できるようになったのだ。
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救助活動から解放された、潜水艦部隊は引き続き哨戒任務に戻ることが出来たのだ。
制空権と情報網を奪回され、更に動揺するAXISの南北朝鮮軍だった。
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