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第6章 白い悪魔。
第4 話 国際緊急チャンネルからの悲鳴。
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対馬、厳原湾の北部。
小さな阿須湾の漁港を40ミリカノン砲を進行方向に向けながら、県道を歩いている敵、AXISの4機のHARMOR小隊。
「ん?」
最後尾の敵AXISのHARMORが止まり左横を向いた。
「はははっ。そんな所で隠れているつもりか!白犬めが。逃げ遅れたのか?あの世に行けば白犬の仲間がいっぱいいるよ。イヒヒヒッ」
前を歩くHARMORも止まり注意をした。
「117 姜(かん)、兵隊?日本兵か?」
「違う、違う~、白犬のご夫婦様だ。」
「構うな!姜四級軍士長!行くぞっ。」
3機目のHARMORは再び歩き始めた。
敵HARMORの赤外線映像には、建物の影に隠れている温かい体温を示す白色の市民2人が表示されている。
その2人に40ミリ速射カノン砲を向ける敵HARMOR。
パイロットはヘッドギアも被らず、何かお菓子を食べながら操縦していた。
周辺の情報を示す小さなウインドーがパッと画面右下に表示された。
自機の後方から近寄る友軍機の情報ウインドーが開かれた。
AIがモニターでアナウンスした。
( 友軍機が後方に到着しました。 )
「え?誰っ?誰が来たって?」
( 第4急襲潜水戦隊・機動部隊所属 402小隊 ID-608 李忠義上尉。)
の文字が、後方カメラの映像の下に表示された。
鼻で笑うパイロット。
カメラ映像では、上官のHARMORはバーニアを吹かして着陸してから、ゆっくり立ち上がってから、こちらに向かって歩いて来ている。
上官が近寄るのに、全くお構いなしのパイロットだった。
「40ミリ砲弾はお2人にはもったいないけど、建物ごと破壊するよね。建物ごとなら、スッキリするよね。ハハッ……。」
射撃姿勢をとった敵HARMORの直ぐ後ろに、李上尉のHARMORが止まった。
「あ~これは、これは、李上尉。海栗島から遠路はるばる、ようこそ。」
40ミリカノン砲をいったん収め、体ごと振り向き敬礼をするHARMOR。
しかし目線には友軍機の李HARMORが居ない。
「あれっ?上尉殿は?」
きよしHARMORが正面の視線から外れるように、思いっきりしゃがんでいたのだ。
このアクシスHARMORの最大の稼働姿勢、ジャンプからの衝撃吸収のランディング姿勢、はた目から見るとカエルのような大股開きの屈伸姿勢(思いっきりしゃがむ姿勢)をして敵HARMORの通常カメラの視界から消えていたのだ。
そして、立ち上がると同時に、滝の様に火花が地面を叩く、真っ赤にヒートアップさせた小型ナイフ(チェーン・ヒート・ナイフ)をコクピットカバーの下方に当てた。
( ドンッ! )
(( うわっ!))
下からの大きな衝突に焦る敵、パイロット。
コクピットの下から上に抜ける物凄い、大きな縦の衝撃だった。
コクピット内の床にあったヘッドギアや散らかるモロモロが一瞬、上にバタバタと飛んだ。
正面のモニター画面が大きな画面ごと下からの衝撃でひずんだ。
同時に、きよしが小型ナイフをコクピット下部に突き刺して、無理矢理、貫通させるために、腕部と背中のランドセルの下部噴射バーニアを思いっきり吹かした。
( キィーン……ジ、ジィ、ドバババババ~ッ!)
( ギシギシ~、ガガガガッ!ガガガガッ! )
「えっ、えっ!何が起きてるのぉ、えっ、えっ!」
パイロットの膝の上にヘッドギアやゴミが飛び乗った。
わけが分からず、パニくるパイロット。そして、突然のAIからの警告。
高温に耐えきれない、ゴミや服、プラスチック類の計器類などが熱で溶け始めた。
もしくは突然、火が着いて、燃え始めたのだ。
( 警告。警告。コクピット内急激な温度上昇。現在、摂氏780℃、800℃、警告、警告。操縦エリアの機能停止まで後9秒、8秒、な~なびよ~う、ろ~く……び……。 )
あまりの高熱に機能が停止したAI。
全ての電源が落ち、真っ暗になる敵HARMORのコクピット。しかし、物凄い振動だけがコクピットを震わせた。
( ガガガガガッ、ズガガガガッ! )
それは、敵HARMORを鹵獲し、敵の上尉になりすました、椎葉きよしが行っていたのだ。
敵HARMORのコクピットカバーの下部にヒートナイフを突き刺し、しゃがんだ膝を伸ばすと同時にバーニアを吹かして立ち上がるきよしHARMOR。
暗闇の敵HARMORのコクピット下床から高温のナイフの先端が凄まじい火花を散らしながらパイロットの足元から突き上げて来た。
同時にパイロットの脚や太ももから火花と炎に包まれた。
「ウギャー!た、助け……ウギャー!」
声が出る前に、火花と炎に包まれるコクピット内部。敵パイロットが味方に連絡する直前、コクピットごと4,000℃の小型ナイフの熱で燃やされたのだ。
一瞬の出来事だった。
コクピットから炎を噴き出して、仰向けに倒れる敵のHARMOR。
小隊の仲間3人のコンソールに姜四級軍士長のロストを告げる表示が出た。
( 緊急通告、姜四級軍士長の機体をロスト。姜四級軍士長もロスト。確認をして下さい。緊急通告、姜四級……。 )
繰り返されるAIの通告。歩きを止めない3機の小隊HARMOR。
「何?あの野郎!道草しやがって。年寄り夫婦でなく、若い女なんじゃないのか。あの野郎!わざわざサインまで消しやがって。小隊長、様子見てきます。後ろに李上尉もいらっしゃるのに。あっ李上尉がこっちに来た。マッハで走ってきた。なんかやばくないっすか?」
モニターには急にスピードをあげてこちらに向かってくる李上尉の表示アイコン。
「はははっ。あ~あ。あー面倒な奴。頼む。先に俺達は、合流地点へ行く。対馬占領したら次は、九州北部。それで、この対馬は白犬の奴隷女だらけの花園になるんだ!やりまくりの花園だ。なんで今時の若い奴は。どうして、少しの辛抱が出来ないかな。帰ったら袋叩きだ。しっかし、李上尉。わざわざ俺たちを叱りに来るのか?なぜ上官が部下のおかしな行動を現場で止めないんだ?」
「小隊長、とにかく馬鹿を連れ戻してきます。」
「了解。頼む。」
と、3機目、最後尾のHARMORが振り向いた瞬間、国道の暗闇の奥からオレンジ色の眩しいバーニア炎を噴射して、味方のHARMORが横になって向かって来たのだ。
まぎれもなく姜四級軍士長の機体だった。
「姜っ!お前、アホかぁ!……えっ?えっ?なんだなんだ?」
迫ってくる姜四級軍士長の機体、良く見ると胸のコクピット席が開かれて、激しく燃えながら飛んで来ている。パイロットは炭になって、真っ黒だった。
「あ~!小隊長ーっ!小隊長ーっ!」
「あんっ?なんだぁ?」
( キィィーン!ドドドドドドドーッ! )
きよしHARMORが姜四級軍士長のHARMORを抱えて、バーニア全開で敵小隊の残り3機を目掛けて突っ込んで来た。
きよし得意のボーリング攻撃だった。今回は自機の機体ではなく、敵の機体を使ったボーリング攻撃なのだ。
きよしは両足を地表に付けた。
( ズザザザザーッ! )
激しく発生する地煙。地面との摩擦でこすれて、勝手にブレーキされて急減速するきよしHARMORの機体。
コクピットから炎を出している姜の機体が勢いをつけて3機のHARMORの足元に突っ込んでいく。
( シューン!ドシンッドシンッ! )
地面を飛び跳ねて、回転しながら3機のHARMOR小隊の足元に突っ込んで行った。
( ドカドカドカーッ! )
重心が高いHARMORには堪ったものではない。
足元をすくわれて頭部や肩部から地面にたたき落される2機のAXISのHARMOR。パイロットが乗り物に乗ったまま、十数メートルの上から地面に叩きつけられるのだ。
( ドシーン、ドシン!)
( うぎゃー! )
( ぐわーっ! )
だが、今回は運よく、隊長機が他の2機より先に居たため、姜四級軍士長のボロボロになったHARMORはその隊長機へ到達する前に止まった。
小隊長機の直ぐ脚元で、スクラップになって燃えている姜四級軍士長HARMORの残骸。
その無残な姿をまじまじと見る小隊長。
「な、なんなんだ。なんだ。どうなってる。」
そして、正面を見ると、全速で走ってくるきよしHARMORが迫っていた。どう見ても体当たりしかない。
( ドンドン!ドンドン!ドンドン!ドンドン! )
全力で走ってくるきよしHARMOR。
時すでに遅し。
咄嗟に40ミリカノンを捨て、衝撃に備える為、腕をクロスしてガードする隊長機。
興奮した小隊長。
半分パニック状態でもあり、何故か国際緊急通信ボタンをカバーまで丁寧に上げて押してしまった。
( ポチッ……。 )
異常行動をしてしまったのだ。
「何っー!俺の小隊全滅っー!李ーっ!貴様、狂ったかっ!」
敵にも、味方にも一斉に、国際緊急チャンネルで自機のシグナルとオープン回線で電波を飛ばしたのだ。もちろんきよしHARMORにも、布村タンデムモービルにも、対馬上陸の敵全てのHARMORにも。対馬の地上部隊兵士、そしてシラス加盟国軍の全機動部隊、AXISの北半球広域全部隊すべてに電波が飛んでしまった。
そのリアルな通信内容が発(されてしまったのだった。
( 何っー!俺の小隊全滅っー!李ーっ!貴様、狂ったかっ!本当に第4急襲李上尉なのかっ!狂ったか!うわーっ「バシーンッ!」ウゴッ。「ドン!」ウガッ「ドガッ、ザザッドガ、ザザッドガーッ、カランカランッ。」う~っ。う~っ。誰かぁ。た、たすけ「ギギギギ~、バシーン。ヒューゴオー……ヒュー。……キィーン、ガシャン。ヒュー……、バシンッ!」う~お、おねがい、あ、悪魔だぁ、悪魔だぁ。た、たすけ……「ガガガガッ」ウギャーア~ッ。ゴホッゴホッ……「ドッ」ウギャーガァッ……ザザザッ……、ピィィー……。 )
小さな阿須湾の漁港を40ミリカノン砲を進行方向に向けながら、県道を歩いている敵、AXISの4機のHARMOR小隊。
「ん?」
最後尾の敵AXISのHARMORが止まり左横を向いた。
「はははっ。そんな所で隠れているつもりか!白犬めが。逃げ遅れたのか?あの世に行けば白犬の仲間がいっぱいいるよ。イヒヒヒッ」
前を歩くHARMORも止まり注意をした。
「117 姜(かん)、兵隊?日本兵か?」
「違う、違う~、白犬のご夫婦様だ。」
「構うな!姜四級軍士長!行くぞっ。」
3機目のHARMORは再び歩き始めた。
敵HARMORの赤外線映像には、建物の影に隠れている温かい体温を示す白色の市民2人が表示されている。
その2人に40ミリ速射カノン砲を向ける敵HARMOR。
パイロットはヘッドギアも被らず、何かお菓子を食べながら操縦していた。
周辺の情報を示す小さなウインドーがパッと画面右下に表示された。
自機の後方から近寄る友軍機の情報ウインドーが開かれた。
AIがモニターでアナウンスした。
( 友軍機が後方に到着しました。 )
「え?誰っ?誰が来たって?」
( 第4急襲潜水戦隊・機動部隊所属 402小隊 ID-608 李忠義上尉。)
の文字が、後方カメラの映像の下に表示された。
鼻で笑うパイロット。
カメラ映像では、上官のHARMORはバーニアを吹かして着陸してから、ゆっくり立ち上がってから、こちらに向かって歩いて来ている。
上官が近寄るのに、全くお構いなしのパイロットだった。
「40ミリ砲弾はお2人にはもったいないけど、建物ごと破壊するよね。建物ごとなら、スッキリするよね。ハハッ……。」
射撃姿勢をとった敵HARMORの直ぐ後ろに、李上尉のHARMORが止まった。
「あ~これは、これは、李上尉。海栗島から遠路はるばる、ようこそ。」
40ミリカノン砲をいったん収め、体ごと振り向き敬礼をするHARMOR。
しかし目線には友軍機の李HARMORが居ない。
「あれっ?上尉殿は?」
きよしHARMORが正面の視線から外れるように、思いっきりしゃがんでいたのだ。
このアクシスHARMORの最大の稼働姿勢、ジャンプからの衝撃吸収のランディング姿勢、はた目から見るとカエルのような大股開きの屈伸姿勢(思いっきりしゃがむ姿勢)をして敵HARMORの通常カメラの視界から消えていたのだ。
そして、立ち上がると同時に、滝の様に火花が地面を叩く、真っ赤にヒートアップさせた小型ナイフ(チェーン・ヒート・ナイフ)をコクピットカバーの下方に当てた。
( ドンッ! )
(( うわっ!))
下からの大きな衝突に焦る敵、パイロット。
コクピットの下から上に抜ける物凄い、大きな縦の衝撃だった。
コクピット内の床にあったヘッドギアや散らかるモロモロが一瞬、上にバタバタと飛んだ。
正面のモニター画面が大きな画面ごと下からの衝撃でひずんだ。
同時に、きよしが小型ナイフをコクピット下部に突き刺して、無理矢理、貫通させるために、腕部と背中のランドセルの下部噴射バーニアを思いっきり吹かした。
( キィーン……ジ、ジィ、ドバババババ~ッ!)
( ギシギシ~、ガガガガッ!ガガガガッ! )
「えっ、えっ!何が起きてるのぉ、えっ、えっ!」
パイロットの膝の上にヘッドギアやゴミが飛び乗った。
わけが分からず、パニくるパイロット。そして、突然のAIからの警告。
高温に耐えきれない、ゴミや服、プラスチック類の計器類などが熱で溶け始めた。
もしくは突然、火が着いて、燃え始めたのだ。
( 警告。警告。コクピット内急激な温度上昇。現在、摂氏780℃、800℃、警告、警告。操縦エリアの機能停止まで後9秒、8秒、な~なびよ~う、ろ~く……び……。 )
あまりの高熱に機能が停止したAI。
全ての電源が落ち、真っ暗になる敵HARMORのコクピット。しかし、物凄い振動だけがコクピットを震わせた。
( ガガガガガッ、ズガガガガッ! )
それは、敵HARMORを鹵獲し、敵の上尉になりすました、椎葉きよしが行っていたのだ。
敵HARMORのコクピットカバーの下部にヒートナイフを突き刺し、しゃがんだ膝を伸ばすと同時にバーニアを吹かして立ち上がるきよしHARMOR。
暗闇の敵HARMORのコクピット下床から高温のナイフの先端が凄まじい火花を散らしながらパイロットの足元から突き上げて来た。
同時にパイロットの脚や太ももから火花と炎に包まれた。
「ウギャー!た、助け……ウギャー!」
声が出る前に、火花と炎に包まれるコクピット内部。敵パイロットが味方に連絡する直前、コクピットごと4,000℃の小型ナイフの熱で燃やされたのだ。
一瞬の出来事だった。
コクピットから炎を噴き出して、仰向けに倒れる敵のHARMOR。
小隊の仲間3人のコンソールに姜四級軍士長のロストを告げる表示が出た。
( 緊急通告、姜四級軍士長の機体をロスト。姜四級軍士長もロスト。確認をして下さい。緊急通告、姜四級……。 )
繰り返されるAIの通告。歩きを止めない3機の小隊HARMOR。
「何?あの野郎!道草しやがって。年寄り夫婦でなく、若い女なんじゃないのか。あの野郎!わざわざサインまで消しやがって。小隊長、様子見てきます。後ろに李上尉もいらっしゃるのに。あっ李上尉がこっちに来た。マッハで走ってきた。なんかやばくないっすか?」
モニターには急にスピードをあげてこちらに向かってくる李上尉の表示アイコン。
「はははっ。あ~あ。あー面倒な奴。頼む。先に俺達は、合流地点へ行く。対馬占領したら次は、九州北部。それで、この対馬は白犬の奴隷女だらけの花園になるんだ!やりまくりの花園だ。なんで今時の若い奴は。どうして、少しの辛抱が出来ないかな。帰ったら袋叩きだ。しっかし、李上尉。わざわざ俺たちを叱りに来るのか?なぜ上官が部下のおかしな行動を現場で止めないんだ?」
「小隊長、とにかく馬鹿を連れ戻してきます。」
「了解。頼む。」
と、3機目、最後尾のHARMORが振り向いた瞬間、国道の暗闇の奥からオレンジ色の眩しいバーニア炎を噴射して、味方のHARMORが横になって向かって来たのだ。
まぎれもなく姜四級軍士長の機体だった。
「姜っ!お前、アホかぁ!……えっ?えっ?なんだなんだ?」
迫ってくる姜四級軍士長の機体、良く見ると胸のコクピット席が開かれて、激しく燃えながら飛んで来ている。パイロットは炭になって、真っ黒だった。
「あ~!小隊長ーっ!小隊長ーっ!」
「あんっ?なんだぁ?」
( キィィーン!ドドドドドドドーッ! )
きよしHARMORが姜四級軍士長のHARMORを抱えて、バーニア全開で敵小隊の残り3機を目掛けて突っ込んで来た。
きよし得意のボーリング攻撃だった。今回は自機の機体ではなく、敵の機体を使ったボーリング攻撃なのだ。
きよしは両足を地表に付けた。
( ズザザザザーッ! )
激しく発生する地煙。地面との摩擦でこすれて、勝手にブレーキされて急減速するきよしHARMORの機体。
コクピットから炎を出している姜の機体が勢いをつけて3機のHARMORの足元に突っ込んでいく。
( シューン!ドシンッドシンッ! )
地面を飛び跳ねて、回転しながら3機のHARMOR小隊の足元に突っ込んで行った。
( ドカドカドカーッ! )
重心が高いHARMORには堪ったものではない。
足元をすくわれて頭部や肩部から地面にたたき落される2機のAXISのHARMOR。パイロットが乗り物に乗ったまま、十数メートルの上から地面に叩きつけられるのだ。
( ドシーン、ドシン!)
( うぎゃー! )
( ぐわーっ! )
だが、今回は運よく、隊長機が他の2機より先に居たため、姜四級軍士長のボロボロになったHARMORはその隊長機へ到達する前に止まった。
小隊長機の直ぐ脚元で、スクラップになって燃えている姜四級軍士長HARMORの残骸。
その無残な姿をまじまじと見る小隊長。
「な、なんなんだ。なんだ。どうなってる。」
そして、正面を見ると、全速で走ってくるきよしHARMORが迫っていた。どう見ても体当たりしかない。
( ドンドン!ドンドン!ドンドン!ドンドン! )
全力で走ってくるきよしHARMOR。
時すでに遅し。
咄嗟に40ミリカノンを捨て、衝撃に備える為、腕をクロスしてガードする隊長機。
興奮した小隊長。
半分パニック状態でもあり、何故か国際緊急通信ボタンをカバーまで丁寧に上げて押してしまった。
( ポチッ……。 )
異常行動をしてしまったのだ。
「何っー!俺の小隊全滅っー!李ーっ!貴様、狂ったかっ!」
敵にも、味方にも一斉に、国際緊急チャンネルで自機のシグナルとオープン回線で電波を飛ばしたのだ。もちろんきよしHARMORにも、布村タンデムモービルにも、対馬上陸の敵全てのHARMORにも。対馬の地上部隊兵士、そしてシラス加盟国軍の全機動部隊、AXISの北半球広域全部隊すべてに電波が飛んでしまった。
そのリアルな通信内容が発(されてしまったのだった。
( 何っー!俺の小隊全滅っー!李ーっ!貴様、狂ったかっ!本当に第4急襲李上尉なのかっ!狂ったか!うわーっ「バシーンッ!」ウゴッ。「ドン!」ウガッ「ドガッ、ザザッドガ、ザザッドガーッ、カランカランッ。」う~っ。う~っ。誰かぁ。た、たすけ「ギギギギ~、バシーン。ヒューゴオー……ヒュー。……キィーン、ガシャン。ヒュー……、バシンッ!」う~お、おねがい、あ、悪魔だぁ、悪魔だぁ。た、たすけ……「ガガガガッ」ウギャーア~ッ。ゴホッゴホッ……「ドッ」ウギャーガァッ……ザザザッ……、ピィィー……。 )
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