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第3章 ジェシカ・スミス中佐と佐藤結衣。
第2話 世界に広がる対馬の惨劇。
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ジェシカは御舩と共に、右脇の会議室に入室した。
作業を中断し、インカムを外して立ち上がり長官に敬礼する男女5名。
「失礼します、閣下。」
その御舩の後ろからジェシカは急いで通り、会議テーブルの右先端に座りインカムをつけて3Dコンソールを立ち上げた。
「それではスミス中佐。そして、みんなも。これから対馬の現状進捗と希望を流す。良く聞いてくれ。」
手前のテーブル先端の椅子に座る御舩少将。
( ハッ! )
ジェシカと合わせて6名の男女は軽く敬礼をした。御舩もコンソールを操作し、正面の大型スクリーンを表示させた。
「マザー?先ほどの衛星からの映像と、現地AI(きよし達の言うエイモス)からのアナログ音声を付き合わせてくれ。後は先ほどの指示通り。」
( 了解致しました。加盟国政府、現地機動部隊へ配信致します。準備完了。御舩閣下ご指示を。 )
会議室にあつまった6人を見る御舩少将だった。
渋い顔で押し黙る6人。
「では、始めてくれ。」
席につく6人。
会議室の正面の大型スクリーンには、真上からの衛星映像が出てきた。
日本人女性を並べて降伏勧告を行う場面だ。厳しい顔をして、天井に顔を上げる白髪のアルフレッド・ウィルソン英国RSF少将。そして、腕を組み、睨むローマンマズル大佐。
同じく睨みながら横にいる、椎葉きよしの父の椎葉繁1等宙佐。彼らは無音の画像は見ていたが、音声付きを見るのは初めてだった。
大型スクリーンに映像が動き始めた。薄いブルーの鮮明な衛星からの赤外線映像が映る。数珠つなぎで左から横一直線に並ぶ女性たち。
真上から白い色の箇所が温度の高い所、暗いブルーなのが、温度が低い所だ。
真上からの映像でも温度の低い乳房などが確認出来、数珠つなぎで並んでいるのが裸の女性なのが良く解る。
ゆっくり拡大するモリガン1からの衛星映像。画面の下から男が歩いてきた。
拡声器か何かを肩に下げ、歩いて来ている。
マイクらしい物を口に当てる。同時に、画面の下から棒のような長い物を持って来た男も歩いて来た。
そして、少し雑音が混じった音声と映像を一致させた。
男は、右端の女性の後ろ髪を持って、話を始めた。アナログ音声が入る。
( ザザッ……小日本……日本国陸軍、自ザザッ隊の諸君。ザザッだちに全面降伏し、ザザッっ馬市を明け渡すザッだ。1時間の猶予を与えザザッ時間過ぎたら3分毎に女の首を刎ねる。ザッはっザザ。この様になっ。 )
女性の後ろ髪を離すと、その男は画面右に消えた。
代わりに板が着いた長い棒を持った男が、一番右端の後ろから棒を振りかざした。明らかに女性の首と思われる物体が画面上方に、温度が高い白い液体をまき散らしながら転がった。
体も倒れこみ、肩の上から白い液体が噴出している。
その体に腕を縛られた横の女性たちも一緒に重さでつられて倒れこんでいる。
( ザザッ……キャーザザー!ザザッうわー! )
アナログ音声では大勢の女性や、おそらく自衛隊や日本国軍の兵士達の悲鳴と、敵の兵士たち大勢の笑い声が聞こえてくる。
腕を組み大型モニターを見向きもしないで正面をギッと目を見開いて、瞬きもせず涙を流す女性がいた。椎葉きよしの母、椎葉京子だった。
シーラス情報技術研究所、本部司令長官だった。
倒れた女性の肩の中央から流れ続ける白い液体。
つられて倒れた数珠つなぎの女性達の後ろから、数名の兵士達が画面下から飛び込んできて、銃で殴り、無理矢理裸の女性を立たせていた。
その中の兵士が、倒れた遺体の手首ごと切断して横の女性を立たせていた。
また、切断された腕から流れる白い液体。
そして何人か女性の足元には温度の高い白い液体が広がった。
恐怖で放尿したのだ。
そこで映像が切れた。現場からの連絡を待って、全ての軍事衛星に正確にアナログ通信が受信できるようにキーボードを叩いて司令をしているジェシカ・スミス中佐。
中佐以外、会議室の全員が御舩を見た。皆が怒りに震えて涙をはたはたと流している。
キーボードを叩くジェシカも鼻を赤くし涙を流しながら作業をしている。
日本国首相官邸。
首相は、目を大きく見開いて消えた黒い画面を見続けていた。
その周りでは、頭を押さえて、すすり泣く大臣や事務補佐官たち。
ポーランド大統領官邸。
頭を両腕で抱えて、静かに泣き続ける女性大統領と、それを取り囲み下を向いて目を閉じる補佐官たち。
突然、女性補佐官の一人が、壁の端に走って行って、抑えきれなくなり大声で嗚咽した。
アメリカ大統領ホワイトハウス。
「いい加減にしないか!日本は何をしている!ちくしょー!忌々しいAXISめ……。ちくしょう!」
首脳陣が見守る中、分厚い木の机を叩いて、立ち上がる大統領。
歯ぎしりをしながら外の景色を見ていた。
グレートブリテン及びアイルランド連邦王国、国王陛下執務室。
「なんという事。なぜこういう事に、なる前に。」
上品にハンカチを充てる国王陛下だった。
洋上に浮かぶ各国の機動部隊。
その機動部隊、末端兵士までがその映像と音声を視聴していたのだった。
中でも太平洋の海中で臨戦待機中のアメリカ海軍の複数の原子力潜水艦からペンタゴンや大統領直通回線で、中国本土と朝鮮半島へ熱核弾頭攻撃の催促をする部隊もあった程だった。どこで受信したのかSNSでも繰り返しその音声と映像が流れた。世界中の地下鉄、バス、休憩していた人たちがスマハンドや3DTVでそのおぞましい光景を見ていたのだった。
作業を中断し、インカムを外して立ち上がり長官に敬礼する男女5名。
「失礼します、閣下。」
その御舩の後ろからジェシカは急いで通り、会議テーブルの右先端に座りインカムをつけて3Dコンソールを立ち上げた。
「それではスミス中佐。そして、みんなも。これから対馬の現状進捗と希望を流す。良く聞いてくれ。」
手前のテーブル先端の椅子に座る御舩少将。
( ハッ! )
ジェシカと合わせて6名の男女は軽く敬礼をした。御舩もコンソールを操作し、正面の大型スクリーンを表示させた。
「マザー?先ほどの衛星からの映像と、現地AI(きよし達の言うエイモス)からのアナログ音声を付き合わせてくれ。後は先ほどの指示通り。」
( 了解致しました。加盟国政府、現地機動部隊へ配信致します。準備完了。御舩閣下ご指示を。 )
会議室にあつまった6人を見る御舩少将だった。
渋い顔で押し黙る6人。
「では、始めてくれ。」
席につく6人。
会議室の正面の大型スクリーンには、真上からの衛星映像が出てきた。
日本人女性を並べて降伏勧告を行う場面だ。厳しい顔をして、天井に顔を上げる白髪のアルフレッド・ウィルソン英国RSF少将。そして、腕を組み、睨むローマンマズル大佐。
同じく睨みながら横にいる、椎葉きよしの父の椎葉繁1等宙佐。彼らは無音の画像は見ていたが、音声付きを見るのは初めてだった。
大型スクリーンに映像が動き始めた。薄いブルーの鮮明な衛星からの赤外線映像が映る。数珠つなぎで左から横一直線に並ぶ女性たち。
真上から白い色の箇所が温度の高い所、暗いブルーなのが、温度が低い所だ。
真上からの映像でも温度の低い乳房などが確認出来、数珠つなぎで並んでいるのが裸の女性なのが良く解る。
ゆっくり拡大するモリガン1からの衛星映像。画面の下から男が歩いてきた。
拡声器か何かを肩に下げ、歩いて来ている。
マイクらしい物を口に当てる。同時に、画面の下から棒のような長い物を持って来た男も歩いて来た。
そして、少し雑音が混じった音声と映像を一致させた。
男は、右端の女性の後ろ髪を持って、話を始めた。アナログ音声が入る。
( ザザッ……小日本……日本国陸軍、自ザザッ隊の諸君。ザザッだちに全面降伏し、ザザッっ馬市を明け渡すザッだ。1時間の猶予を与えザザッ時間過ぎたら3分毎に女の首を刎ねる。ザッはっザザ。この様になっ。 )
女性の後ろ髪を離すと、その男は画面右に消えた。
代わりに板が着いた長い棒を持った男が、一番右端の後ろから棒を振りかざした。明らかに女性の首と思われる物体が画面上方に、温度が高い白い液体をまき散らしながら転がった。
体も倒れこみ、肩の上から白い液体が噴出している。
その体に腕を縛られた横の女性たちも一緒に重さでつられて倒れこんでいる。
( ザザッ……キャーザザー!ザザッうわー! )
アナログ音声では大勢の女性や、おそらく自衛隊や日本国軍の兵士達の悲鳴と、敵の兵士たち大勢の笑い声が聞こえてくる。
腕を組み大型モニターを見向きもしないで正面をギッと目を見開いて、瞬きもせず涙を流す女性がいた。椎葉きよしの母、椎葉京子だった。
シーラス情報技術研究所、本部司令長官だった。
倒れた女性の肩の中央から流れ続ける白い液体。
つられて倒れた数珠つなぎの女性達の後ろから、数名の兵士達が画面下から飛び込んできて、銃で殴り、無理矢理裸の女性を立たせていた。
その中の兵士が、倒れた遺体の手首ごと切断して横の女性を立たせていた。
また、切断された腕から流れる白い液体。
そして何人か女性の足元には温度の高い白い液体が広がった。
恐怖で放尿したのだ。
そこで映像が切れた。現場からの連絡を待って、全ての軍事衛星に正確にアナログ通信が受信できるようにキーボードを叩いて司令をしているジェシカ・スミス中佐。
中佐以外、会議室の全員が御舩を見た。皆が怒りに震えて涙をはたはたと流している。
キーボードを叩くジェシカも鼻を赤くし涙を流しながら作業をしている。
日本国首相官邸。
首相は、目を大きく見開いて消えた黒い画面を見続けていた。
その周りでは、頭を押さえて、すすり泣く大臣や事務補佐官たち。
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頭を両腕で抱えて、静かに泣き続ける女性大統領と、それを取り囲み下を向いて目を閉じる補佐官たち。
突然、女性補佐官の一人が、壁の端に走って行って、抑えきれなくなり大声で嗚咽した。
アメリカ大統領ホワイトハウス。
「いい加減にしないか!日本は何をしている!ちくしょー!忌々しいAXISめ……。ちくしょう!」
首脳陣が見守る中、分厚い木の机を叩いて、立ち上がる大統領。
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