11 / 22
第11話 日常
しおりを挟む
皇龍国に召喚されて早三カ月。
さっさと討伐して戻る予定だったのに、想定外のことばかりが起こっていた。何より問題なのは──。
「沙羅紗、寂しかったであろう!」
「また来たわね、暇人!」
「何を言う! 余が訪れたことをもっと喜ばぬか!」
両手を広げてくるように促すが華麗にスルーして、侍女にお茶の準備をするように指示を出す。皇帝こと颯懍は今日も派手な衣装に身を包み、昼間から藤の宮に訪れた。
同行している鼬瓏は昼間はやはり女官の服装で、周囲には女性に見えている。そういう類いの呪いだから、認識阻害もかかっているのだろう。
いや漢服でゆったり目だから、女装服でも似合う。眼福だ。
「時に沙羅紗よ。悪しき神の姿が確認できない原因が何かわかるか? 器を乗っ取られたなど」
「可能性は──なくなないけれど、そもそも悪しき神の目的がよくわからないのよね」
「あれらは全てを壊すこと以外に興味があるとは思えないが?」
「だとしたら眷族に任せるだけなんて、まどろっこしいことをするとは思えないわ。それよりも勢いに任せて暴れ回ったほうが悪しき神らしいでしょう」
「ふむ」
皇帝こと颯懍は、暢気にお茶を啜った。この男は最初からこんな感じだったが、寛ぎすぎないか。
この世界に来てから三カ月。豪華絢爛な藤の宮で、私は第四王妃として悠々自適とはいかないが、今までよりもまともな暮らしをしている──とは思う。
(まさか三カ月も足止めをくらうなんて予想外だったわ。眷族の数も減らしてそろそろ動き出す……はずなのに、悪しき神というにはあまりにも消極的なような? そもそも悪しき神の目的はなに?)
最初のほうはアヤカシの被害経過報告をしていたのだが、一刻と持たずに主上が私に絡み出した。
「沙羅紗よ。いい加減諦めて、余に愛されるが良い」
「全力でお断りします。それよりも」
「はははっ、照れるとは愛い奴だな」
「アンタはすでに三人も奥さんがいるんだから、そっちを大事にしなさいよ!」
「何を言う。女がいたら口説く、愛でる、慈しむのは当然だろう。女がいなければ種の存続は不可能なのだ。全ての女たちに敬意を込めて接するのは当然だろう」
素早く私の後ろに回り込み、胸を揉もうとする。
「ぎゃあああああああああ! どこ触ってんのよ!?」
「はははっ! 照れるな。愛い奴め」
「照れてんじゃない! ……ってか、話全然聞いてないし! ちょっ、鼬瓏! この馬鹿皇帝を引き剥がして!」
「主上、何羨ま──じゃない! 胸から手を離してください!」
「ふむ、まったく胸がないと思っていたら、布を巻いて誤魔化していたとは」
「──っ!?」
平手打ちをしようとしたが、颯懍は私の腕首を掴んで止めてぐっと抱き寄せる。ギュッと抱きしめられ、昨晩の鼬瓏とのことを思い出してしまい、反撃に出遅れてしまった。
「!?」
「サラシを取れば、なかなかの抱き心地ではないか」
囁く声音は低いけれど、鼬瓏ではない。
鼬瓏のほうがもっと──。
そう比較している自分がいて、恥ずかしさを誤魔化して裏拳を颯懍に叩き込む。しかし私の手首を掴んだままだ。意外に根性がある。
「ぐっ、……相変わらず血気盛んな娘よ。胸の一つ揉まれても、減りはしないであろうが。大人しく俺に愛でられろ」
「全力でお断りします!」
「余に、そんなことを言ったのは貴様ぐらいだ」
「さらにご機嫌になった! セクハラ、女ったらし、自意識過剰馬鹿!」
「余は仮にも、貴様の夫なのなぞ。このぐらい」
「死んだ第四王妃の一時的な代わりでしょうが!」
「我が妻は本当につれない。一時的なものも本物にして何か問題あるのか?」
「次は脳震盪を起こす一撃にして差し上げましょうか?」
冷めた目で颯懍を睨むが、彼は愉快そうに一蹴するばかりだ。腹立たしい。ちゃっかり私を抱き上げようとしてくる。何が楽しいのだろうか。
そんなことを考えていると、鼬瓏はバカ皇帝から引き剥がして、抱き上げてくれた。
ふわりと鼬瓏の匂いに、なんというか彼の匂いとか温もりは──すごく落ち着く。
「!」
事故とはいえこんな風に抱き上げられたのは、ラッキーだった気がする。このままどさくさに紛れてギュッと抱きつくはありだろうか。
「颯懍あ――様、沙羅紗殿を煽らないでください!! 大体彼女は──」
「ふん、こういうのは早いもの勝ちだろう」
「……私もなんだか主上を殴りたくなってきたんですが」
「おい、その顔はやめろ。ガチ切れではないか」
「?」
呪われたまま女装の姿に見える鼬瓏の顔を覗いたが、とても凜々しい顔をしている。このバカ皇帝と顔立ちは似ているが、よく見ると全然違う。
私は鼬瓏の呪いが見えるのだが、どうにも彼はそれを隠したがる。そして夜だけは、皇帝と瓜二つの姿で私の前に現れるのだ。困惑するのは当然だと思う。
(……と言うか、鼬瓏は私が皇帝を好きだとでも思っているのだろうか。まさかね。……でも呪いについて聞いてもはぐらかすか逃げるのよね。それとも条件付きの呪いとか? 蒼月に呪いの精査を頼んでいるけれど、あと数日はかかるかな)
同じ呪いそのものである蒼月なら、呪いの正体も分かるだろう。いざとなれば私が帰る日にでも呪いを解いておけば、置き土産ぐらいにはなるだろうか。
「沙羅紗殿。主上が申し訳ありません」
「(隠したままで貫くなら……)いいですよ。どうせ私が異邦人だから珍しいのでしょう」
「それは……どうなのでしょうね」
そう囁き、私を抱き上げたまま腕の中だ。正直、幸せだ。ちょっとだけこの時間を堪能させてもらおう。
「ふん、なんだ。相思相愛とは面白くもない。やはりここは、余が……」
「主上、何か言いましたか?」
「別に。それよりも、貴様の持つ剣は特殊なのだな」
(…………このまま寝られる)
昼間にこんな嬉しいハプニングが起こるとは思っていなかったので現実逃避をしていたが、現実はそう甘くない。
さっさと討伐して戻る予定だったのに、想定外のことばかりが起こっていた。何より問題なのは──。
「沙羅紗、寂しかったであろう!」
「また来たわね、暇人!」
「何を言う! 余が訪れたことをもっと喜ばぬか!」
両手を広げてくるように促すが華麗にスルーして、侍女にお茶の準備をするように指示を出す。皇帝こと颯懍は今日も派手な衣装に身を包み、昼間から藤の宮に訪れた。
同行している鼬瓏は昼間はやはり女官の服装で、周囲には女性に見えている。そういう類いの呪いだから、認識阻害もかかっているのだろう。
いや漢服でゆったり目だから、女装服でも似合う。眼福だ。
「時に沙羅紗よ。悪しき神の姿が確認できない原因が何かわかるか? 器を乗っ取られたなど」
「可能性は──なくなないけれど、そもそも悪しき神の目的がよくわからないのよね」
「あれらは全てを壊すこと以外に興味があるとは思えないが?」
「だとしたら眷族に任せるだけなんて、まどろっこしいことをするとは思えないわ。それよりも勢いに任せて暴れ回ったほうが悪しき神らしいでしょう」
「ふむ」
皇帝こと颯懍は、暢気にお茶を啜った。この男は最初からこんな感じだったが、寛ぎすぎないか。
この世界に来てから三カ月。豪華絢爛な藤の宮で、私は第四王妃として悠々自適とはいかないが、今までよりもまともな暮らしをしている──とは思う。
(まさか三カ月も足止めをくらうなんて予想外だったわ。眷族の数も減らしてそろそろ動き出す……はずなのに、悪しき神というにはあまりにも消極的なような? そもそも悪しき神の目的はなに?)
最初のほうはアヤカシの被害経過報告をしていたのだが、一刻と持たずに主上が私に絡み出した。
「沙羅紗よ。いい加減諦めて、余に愛されるが良い」
「全力でお断りします。それよりも」
「はははっ、照れるとは愛い奴だな」
「アンタはすでに三人も奥さんがいるんだから、そっちを大事にしなさいよ!」
「何を言う。女がいたら口説く、愛でる、慈しむのは当然だろう。女がいなければ種の存続は不可能なのだ。全ての女たちに敬意を込めて接するのは当然だろう」
素早く私の後ろに回り込み、胸を揉もうとする。
「ぎゃあああああああああ! どこ触ってんのよ!?」
「はははっ! 照れるな。愛い奴め」
「照れてんじゃない! ……ってか、話全然聞いてないし! ちょっ、鼬瓏! この馬鹿皇帝を引き剥がして!」
「主上、何羨ま──じゃない! 胸から手を離してください!」
「ふむ、まったく胸がないと思っていたら、布を巻いて誤魔化していたとは」
「──っ!?」
平手打ちをしようとしたが、颯懍は私の腕首を掴んで止めてぐっと抱き寄せる。ギュッと抱きしめられ、昨晩の鼬瓏とのことを思い出してしまい、反撃に出遅れてしまった。
「!?」
「サラシを取れば、なかなかの抱き心地ではないか」
囁く声音は低いけれど、鼬瓏ではない。
鼬瓏のほうがもっと──。
そう比較している自分がいて、恥ずかしさを誤魔化して裏拳を颯懍に叩き込む。しかし私の手首を掴んだままだ。意外に根性がある。
「ぐっ、……相変わらず血気盛んな娘よ。胸の一つ揉まれても、減りはしないであろうが。大人しく俺に愛でられろ」
「全力でお断りします!」
「余に、そんなことを言ったのは貴様ぐらいだ」
「さらにご機嫌になった! セクハラ、女ったらし、自意識過剰馬鹿!」
「余は仮にも、貴様の夫なのなぞ。このぐらい」
「死んだ第四王妃の一時的な代わりでしょうが!」
「我が妻は本当につれない。一時的なものも本物にして何か問題あるのか?」
「次は脳震盪を起こす一撃にして差し上げましょうか?」
冷めた目で颯懍を睨むが、彼は愉快そうに一蹴するばかりだ。腹立たしい。ちゃっかり私を抱き上げようとしてくる。何が楽しいのだろうか。
そんなことを考えていると、鼬瓏はバカ皇帝から引き剥がして、抱き上げてくれた。
ふわりと鼬瓏の匂いに、なんというか彼の匂いとか温もりは──すごく落ち着く。
「!」
事故とはいえこんな風に抱き上げられたのは、ラッキーだった気がする。このままどさくさに紛れてギュッと抱きつくはありだろうか。
「颯懍あ――様、沙羅紗殿を煽らないでください!! 大体彼女は──」
「ふん、こういうのは早いもの勝ちだろう」
「……私もなんだか主上を殴りたくなってきたんですが」
「おい、その顔はやめろ。ガチ切れではないか」
「?」
呪われたまま女装の姿に見える鼬瓏の顔を覗いたが、とても凜々しい顔をしている。このバカ皇帝と顔立ちは似ているが、よく見ると全然違う。
私は鼬瓏の呪いが見えるのだが、どうにも彼はそれを隠したがる。そして夜だけは、皇帝と瓜二つの姿で私の前に現れるのだ。困惑するのは当然だと思う。
(……と言うか、鼬瓏は私が皇帝を好きだとでも思っているのだろうか。まさかね。……でも呪いについて聞いてもはぐらかすか逃げるのよね。それとも条件付きの呪いとか? 蒼月に呪いの精査を頼んでいるけれど、あと数日はかかるかな)
同じ呪いそのものである蒼月なら、呪いの正体も分かるだろう。いざとなれば私が帰る日にでも呪いを解いておけば、置き土産ぐらいにはなるだろうか。
「沙羅紗殿。主上が申し訳ありません」
「(隠したままで貫くなら……)いいですよ。どうせ私が異邦人だから珍しいのでしょう」
「それは……どうなのでしょうね」
そう囁き、私を抱き上げたまま腕の中だ。正直、幸せだ。ちょっとだけこの時間を堪能させてもらおう。
「ふん、なんだ。相思相愛とは面白くもない。やはりここは、余が……」
「主上、何か言いましたか?」
「別に。それよりも、貴様の持つ剣は特殊なのだな」
(…………このまま寝られる)
昼間にこんな嬉しいハプニングが起こるとは思っていなかったので現実逃避をしていたが、現実はそう甘くない。
11
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
不能と噂される皇帝の後宮に放り込まれた姫は恩返しをする
矢野りと
恋愛
不能と噂される隣国の皇帝の後宮に、牛100頭と交換で送り込まれた貧乏小国の姫。
『なんでですか!せめて牛150頭と交換してほしかったですー』と叫んでいる。
『フンガァッ』と鼻息荒く女達の戦いの場に勢い込んで来てみれば、そこはまったりパラダイスだった…。
『なんか悪いですわね~♪』と三食昼寝付き生活を満喫する姫は自分の特技を活かして皇帝に恩返しすることに。
不能?な皇帝と勘違い姫の恋の行方はどうなるのか。
※設定はゆるいです。
※たくさん笑ってください♪
※お気に入り登録、感想有り難うございます♪執筆の励みにしております!
天才と呼ばれた彼女は無理矢理入れられた後宮で、怠惰な生活を極めようとする
カエデネコ
恋愛
※カクヨムの方にも載せてあります。サブストーリーなども書いていますので、よかったら、お越しくださいm(_ _)m
リアンは有名私塾に通い、天才と名高い少女であった。しかしある日突然、陛下の花嫁探しに白羽の矢が立ち、有無を言わさず後宮へ入れられてしまう。
王妃候補なんてなりたくない。やる気ゼロの彼女は後宮の部屋へ引きこもり、怠惰に暮らすためにその能力を使うことにした。
【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと
暁
恋愛
陽も沈み始めた森の中。
獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。
それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。
何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。
※
・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。
・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。
運命の番なのに、炎帝陛下に全力で避けられています
四馬㋟
恋愛
美麗(みれい)は疲れていた。貧乏子沢山、六人姉弟の長女として生まれた美麗は、飲んだくれの父親に代わって必死に働き、五人の弟達を立派に育て上げたものの、気づけば29歳。結婚適齢期を過ぎたおばさんになっていた。長年片思いをしていた幼馴染の結婚を機に、田舎に引っ込もうとしたところ、宮城から迎えが来る。貴女は桃源国を治める朱雀―ー炎帝陛下の番(つがい)だと言われ、のこのこ使者について行った美麗だったが、炎帝陛下本人は「番なんて必要ない」と全力で拒否。その上、「痩せっぽっちで色気がない」「チビで子どもみたい」と美麗の外見を酷評する始末。それでも長女気質で頑張り屋の美麗は、彼の理想の女――番になるため、懸命に努力するのだが、「化粧濃すぎ」「太り過ぎ」と尽く失敗してしまい……
あなたに忘れられない人がいても――公爵家のご令息と契約結婚する運びとなりました!――
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
※1/1アメリアとシャーロックの長女ルイーズの恋物語「【R18】犬猿の仲の幼馴染は嘘の婚約者」が完結しましたので、ルイーズ誕生のエピソードを追加しています。
※R18版はムーンライトノベルス様にございます。本作品は、同名作品からR18箇所をR15表現に抑え、加筆修正したものになります。R15に※、ムーンライト様にはR18後日談2話あり。
元は令嬢だったが、現在はお針子として働くアメリア。彼女はある日突然、公爵家の三男シャーロックに求婚される。ナイトの称号を持つ元軍人の彼は、社交界で浮名を流す有名な人物だ。
破産寸前だった父は、彼の申し出を二つ返事で受け入れてしまい、アメリアはシャーロックと婚約することに。
だが、シャーロック本人からは、愛があって求婚したわけではないと言われてしまう。とは言え、なんだかんだで優しくて溺愛してくる彼に、だんだんと心惹かれていくアメリア。
初夜以外では手をつけられずに悩んでいたある時、自分とよく似た女性マーガレットとシャーロックが仲睦まじく映る写真を見つけてしまい――?
「私は彼女の代わりなの――? それとも――」
昔失くした恋人を忘れられない青年と、元気と健康が取り柄の元令嬢が、契約結婚を通して愛を育んでいく物語。
※全13話(1話を2〜4分割して投稿)
【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる