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第6話「和解にきたはずなのに」
しおりを挟む肩で息をして気持ちを落ち着けようとしてみるが、そんな俺とは反して、レイはもう片方の履物も脱いだ。まるで、レイの行動が分かるみたいにレイに仕えているミケは「レイ様、お座り下さい」と、レイの背後に高級感漂う座り心地がよさそうなイスを持ってきては座らせた。
「ここは能力を無効化させる部屋だぞ。何故反応している?」
レイは奇妙な物を見るように、目を細めた。
「それは、レイがいるからだ」
「……私? ミケではなく、か?」
レイは言葉を詰まらせると、ミケにこの空間から出るように命じた。ミケがいないからといって股間が収まるというわけではなく、レイに見られれば見られるほどドクドクと脈を打ち興奮も高まっていく。
「貴様本当に私に欲情しているのか。ハハッ、これは珍しいものを見たな」
新しい玩具を目にしたような視線にゴクリと息を呑む。横にいたハチミツから「ソウル様、大丈夫ですか? なぜ膨らんでいるのです?」と心配されてしまった。
「……興奮材料が目の前にあると誰だって勃つだろ。俺はレイが好きだから勃つ。ただそれだけだ。そんなにおかしいか?」
ハチミツに質問したはずなのに、「ああ、貴様は希少価値に値する存在だ」と、またレイが口を開いた。
「希少価値?」
「本来なら惹きつける能力があるものを目にしたものだけが発情する。この城でいうならミケがその対象だ。だが、貴様はミケ以外に発情している」
レイは酷く物珍しそうに俺を見ていた。
「貴様は通常の人間とは違うようだな。こういうヤツもいるのかと、新しい発見ができた」
ストーリーを全然進めていなかったため、今初めてこのゲームの本質を知ることができたような気がする。
説明を終えると、レイはもう片方の足も俺の股間に当てた。気持ちよさが段違いになる。羞恥心を捨てて身を任せていると、レイが不満気に口を開いた。
「…………これをすると全員すぐ果てるのだが……貴様はまだか?」
「全員果てるって……? さっき俺のようなヤツは珍しいって言ってたじゃねぇか。矛盾してんだろ」
俺が初めてのような言い方をしていたのに、それが凄く嬉しかったのに、俺以外の話を出されてつい、ムキになってしまった。
「私はミケを側近として側に置いている。何故だか分かるか? ミケに発情する者達が面白いからだ。そいつらの膨らんだモノをこういう風に扱いて果てさせる。面白くて仕方がない。なのに、何故貴様は果てぬ」
この説明でなるほどな、と、腑に落ちた。
前世の俺だったらこんな事をされれば足の指だけで達していただろう。けれど、ソウルの体はどうやらまだ耐えることができるらしく、ふわふわとした気持ちよさだけが身体を蝕む。
俺の股間に触れていた足をそっと離したレイは、
「…………仕方ない。貴様は特別だからな、ズボンを脱げ」
俺に服を脱げと命令した。その声を、顔を、全部をずっと見ていたくて、腰を浮かせ、膝で地に立ち身体を支える。
股間に当てていた厚めの布を取ると、立派すぎるモノが勢いよく反りたった。
「でっ、でけぇ……」
そう呟いてしまうほど、見たことのない立派すぎる大きさが俺の視野に入る。
「なんだ、その初めて見たような感想は。日に変わるとでも言うのか?」
「い、いや……それは、その、なんというか」
「まあ、いい。にしても立派だな」
直接レイの足が俺のモノに触れた。
「…………くっ」
この足で何人の股間を扱いてきたのだろう。上手すぎる。けど、これだけじゃまだ足りない。
「なあ、レイ。口でシたことあるか?」
事実確認で聞いただけなのに、レイに仕えているもの達が「キ、キサマ! レイ様をなんだと思っている」と俺の首元に剣を向けた。少しでも動いたら切り殺されそうだ。俺がこんな状況なのにも関わらず、レイは動じる気配がない。
「口で……俺のを蓄えるんだよ。口を使って扱いてくれたらイけそうだと思ったんだけどな」
「口で、扱く……だと?」
「口で扱いたらレイも俺と同じように興奮するんじゃねぇ? 俺だったら足で扱くことよりもっと気持ちいいことを教えてやれるけどな」
男の身体なんて触ったことがないくせに、いっぱしのとを言っていると、喉元に剣の刃を当てていた仕いが力を込めた。そのことをレイも分かっていたのだろう、「やめろ、剣を置け」と指示してくれた。よって、俺の喉元から刃が遠ざかる。
「く、ふうっ」
緊張の糸が切れたように息を吐くと、レイは椅子から立ち上がり唇が触れそうなほどの距離に迫り、俺に顔を近づけた。ああ、くそ、キスしてしまいたい。優しく触れて、おもいっきり舌を絡ませて、唾液を吸って、俺と同じように余裕がなくなればいい。
「気持ちよくとは、どうするんだ」
――でも、キスはし慣れているかもしれないと、ぐっと唇を噛み一呼吸置いた。
レイは性的なことに興味がある変態王子だということがこの世界にきて分かった。もっと興味をそそりそうな、インパクトがある言葉をぶつけるんだ。
「俺のコイツをレイの尻の穴にぶち込むんだよ。まあ、こんなでけぇの入りそうにもないから、まずは指で少しずつ解さなきゃだけどな」
そう言い終えると、剣を突きつけていたヤツが目の色を変え俺に拳を振りかざした。そして、ゴキッと音がなると同時に、頬になんとも表現し難い激痛が襲った。
口の中が血の味でいっぱいになる。
くそ、意識が遠のいていく……
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