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第二十一話・神隠し
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「おはようございます」
「あ、お疲れ様でーす。ちょっと鮎川さん、聞いてくれますー?」
就業時間の開始ギリギリで店に駆け込んだ千咲は、エントランスの床をモップ掛けしていた佐倉に呼び止められる。いつもは下ろしている髪を後ろでひとまとめにして、シャツの袖は肘までまくって、何だか気合いの入った珍しい格好だ。
「あ、待って待って。着替えて、タイムカードを押してから――」
余裕を持って家を出たつもりが、電車の遅延のせいで駅から走らされることになった。肩で息をしながら、千咲は早足でスタッフルームへと向かう。
途中の通路ですれ違った横井はトイレ掃除から戻って来たところらしく、アメニティ補充用の篭を手に持っていた。『INARI』では男女それぞれの洗面台に使い捨て歯ブラシや綿棒、爪楊枝をサービスとして設置している。
二人揃って掃除しているということは、今日の夕勤はかなり暇だったのだろう。確かに駐車場もがらんとしていた。
「もう、今日は最悪だったんですよー。聞いて聞いてー。あ、白井さんはちょっと遅くなるって電話ありました。電車が遅れてるらしいです」
「そう、私も電車の遅延のせいで遅刻しかけたんだけど――で、何があったんですか?」
カウンターの中で連絡ノートに目を通し始めた千咲に、佐倉は手に持つモップの水を絞り切ってから勢いよくまくし立てる。話しながらも力任せにモップを動かしている。相当興奮しているらしく、ベンチや壁にモップがガンガンぶつかっていた。
フロントに戻って来た横井も半笑いで話に加わってくる。ちょっと興奮気味で、二人ともいつもより声が大きい。
「あの、いつも1番を使う人いるじゃないですか」
「ああ、あの金髪の人?」
確か、以前に聞いた井口情報によれば、別のネットカフェにも出入りしているという、かなり胡散臭い人だ。金色の短髪で見た目もなんだか怖そうな人で、週の半分は泊まっていく所謂ネカフェ難民疑惑のある客のこと。いつも夕方から来て、13時間のパック割引ギリギリで出て行く。
常にブースの一番端にあるフラットシート席を指定し、もし空いていなければ切れ気味に「空いたらすぐに替えて」と是が非でも移動したがる。だから『1番の人』で大抵のスタッフには通じるようになっていた。
「あの人、今日ブースで髪の毛ブリーチしてたんですよ! バッシング行ったら、もう壁とかシートとかがドロッドロで最悪!! 私、めっちゃ必死で拭き取りましたよ。ハァ、もう最悪……」
「そうそう、ブリーチ剤の匂いが喫煙席に充満して、ちょっとした異臭騒ぎだったんだよねぇ。あれのせいで他のお客様が一気に退店しちゃったし、完全に営業妨害だよ。もう出禁でいいよ、あんな客」
二人の話に、千咲はうわぁっとドン引きする。全くもって想定外の出来事。そこまでして髪色を変える必要性が理解できない。そういうことは美容院か自宅でやってくれ。てか、セルフブリーチだったんだ、そんなマメな風には見えなかったのにと変な感心すらしてしまった。
「シャワー室は無事だったんだけど、薬剤が付いた頭で店内ウロウロするから、しばらく窓と自動ドア全開で換気したんですよ。もう信じらんない……」
「……それはお疲れ様としか言えないね。――で、そのお客様は?」
千咲の疑問に、二人は顔を見合わせて同時に溜め息をつく。これはよっぽどのことがあったらしい。
「それがシャワー使った後いなくなったんですよ。ブースに荷物も無いし携帯に電話してみたら、全然出なくって。やっと繋がったと思ったら、今は外に出てるって。その後すぐに戻って来て清算してもらったんだけど、あれは絶対に無銭飲食するつもりだった!」
「うわぁ……」
今日の夕勤は女子大生バイト二人だけだったからなめられたんだろうか、かなりやりたい放題だ。必ず男性スタッフがいる夜勤ではそこまで目立つ行動を取られたことはなかった。せいぜい、オーダーストップ後に料理の注文をしてきて、断るとゴネるくらいだ。
「――そう言えばさ、5番の人もずっとブースに居なくない? まだ退店してないよね?」
「さっき掃除してきたけど、トイレもシャワー室も誰も居なかったよ」
え……、と三人で顔を見合わせる。カウンターの中に居る千咲が慌てて管理端末を確認してみるが、喫煙エリアにある5番のフラットシート席は利用中のままで退店処理はされていない。無銭飲食という単語が、再び頭の中をよぎる。
「私、ちょっと見てきますっ」
中にはフロントを通さずに勝手に席移動してしまう客もいるから、念の為にと今使われているブース番号をメモる。嫌な予感を振り払うよう、千咲はそのメモを握りしめてブースエリアへと向かった。焦りから、心臓が少しバクバクいっているのが分かる。面倒なことはいつも、なぜか立て続けに起こる。
社員としてどう対応するべきかのマニュアルは一応頭に入っているが、実際に遭遇したのは初めてだ。
客の姿がずっと無いと佐倉が言っていた5番ブースは、入り口のアクリル扉はきちんと閉じられていた。ただ、透明の扉越しに中を覗くが、やっぱり誰もいない。電源が入ったままのパソコンに、飲みかけのドリンク――鮮やかな黄色はエナジードリンクだろうか。フラットシートの上にはブランケットが無造作に放置されていて、その横には男性物の黒色のボディバッグが転がっている。薄暗いブースで目を凝らしてみると、マウスの隣にはUSBケーブルで充電中のスマホも見えた。
「あれ? まだ店内に居られるのかな?」
荷物そのままで席の移動は考えられなかったが、空きブースを順に確認していく。もし移動するなら荷物も持っていくはずだ。だが、どの席もバッシング済みの整えられた状態で、誰かが勝手に入り込んだ形跡はなかったし、誰の姿もなかった。
「あ、お疲れ様でーす。ちょっと鮎川さん、聞いてくれますー?」
就業時間の開始ギリギリで店に駆け込んだ千咲は、エントランスの床をモップ掛けしていた佐倉に呼び止められる。いつもは下ろしている髪を後ろでひとまとめにして、シャツの袖は肘までまくって、何だか気合いの入った珍しい格好だ。
「あ、待って待って。着替えて、タイムカードを押してから――」
余裕を持って家を出たつもりが、電車の遅延のせいで駅から走らされることになった。肩で息をしながら、千咲は早足でスタッフルームへと向かう。
途中の通路ですれ違った横井はトイレ掃除から戻って来たところらしく、アメニティ補充用の篭を手に持っていた。『INARI』では男女それぞれの洗面台に使い捨て歯ブラシや綿棒、爪楊枝をサービスとして設置している。
二人揃って掃除しているということは、今日の夕勤はかなり暇だったのだろう。確かに駐車場もがらんとしていた。
「もう、今日は最悪だったんですよー。聞いて聞いてー。あ、白井さんはちょっと遅くなるって電話ありました。電車が遅れてるらしいです」
「そう、私も電車の遅延のせいで遅刻しかけたんだけど――で、何があったんですか?」
カウンターの中で連絡ノートに目を通し始めた千咲に、佐倉は手に持つモップの水を絞り切ってから勢いよくまくし立てる。話しながらも力任せにモップを動かしている。相当興奮しているらしく、ベンチや壁にモップがガンガンぶつかっていた。
フロントに戻って来た横井も半笑いで話に加わってくる。ちょっと興奮気味で、二人ともいつもより声が大きい。
「あの、いつも1番を使う人いるじゃないですか」
「ああ、あの金髪の人?」
確か、以前に聞いた井口情報によれば、別のネットカフェにも出入りしているという、かなり胡散臭い人だ。金色の短髪で見た目もなんだか怖そうな人で、週の半分は泊まっていく所謂ネカフェ難民疑惑のある客のこと。いつも夕方から来て、13時間のパック割引ギリギリで出て行く。
常にブースの一番端にあるフラットシート席を指定し、もし空いていなければ切れ気味に「空いたらすぐに替えて」と是が非でも移動したがる。だから『1番の人』で大抵のスタッフには通じるようになっていた。
「あの人、今日ブースで髪の毛ブリーチしてたんですよ! バッシング行ったら、もう壁とかシートとかがドロッドロで最悪!! 私、めっちゃ必死で拭き取りましたよ。ハァ、もう最悪……」
「そうそう、ブリーチ剤の匂いが喫煙席に充満して、ちょっとした異臭騒ぎだったんだよねぇ。あれのせいで他のお客様が一気に退店しちゃったし、完全に営業妨害だよ。もう出禁でいいよ、あんな客」
二人の話に、千咲はうわぁっとドン引きする。全くもって想定外の出来事。そこまでして髪色を変える必要性が理解できない。そういうことは美容院か自宅でやってくれ。てか、セルフブリーチだったんだ、そんなマメな風には見えなかったのにと変な感心すらしてしまった。
「シャワー室は無事だったんだけど、薬剤が付いた頭で店内ウロウロするから、しばらく窓と自動ドア全開で換気したんですよ。もう信じらんない……」
「……それはお疲れ様としか言えないね。――で、そのお客様は?」
千咲の疑問に、二人は顔を見合わせて同時に溜め息をつく。これはよっぽどのことがあったらしい。
「それがシャワー使った後いなくなったんですよ。ブースに荷物も無いし携帯に電話してみたら、全然出なくって。やっと繋がったと思ったら、今は外に出てるって。その後すぐに戻って来て清算してもらったんだけど、あれは絶対に無銭飲食するつもりだった!」
「うわぁ……」
今日の夕勤は女子大生バイト二人だけだったからなめられたんだろうか、かなりやりたい放題だ。必ず男性スタッフがいる夜勤ではそこまで目立つ行動を取られたことはなかった。せいぜい、オーダーストップ後に料理の注文をしてきて、断るとゴネるくらいだ。
「――そう言えばさ、5番の人もずっとブースに居なくない? まだ退店してないよね?」
「さっき掃除してきたけど、トイレもシャワー室も誰も居なかったよ」
え……、と三人で顔を見合わせる。カウンターの中に居る千咲が慌てて管理端末を確認してみるが、喫煙エリアにある5番のフラットシート席は利用中のままで退店処理はされていない。無銭飲食という単語が、再び頭の中をよぎる。
「私、ちょっと見てきますっ」
中にはフロントを通さずに勝手に席移動してしまう客もいるから、念の為にと今使われているブース番号をメモる。嫌な予感を振り払うよう、千咲はそのメモを握りしめてブースエリアへと向かった。焦りから、心臓が少しバクバクいっているのが分かる。面倒なことはいつも、なぜか立て続けに起こる。
社員としてどう対応するべきかのマニュアルは一応頭に入っているが、実際に遭遇したのは初めてだ。
客の姿がずっと無いと佐倉が言っていた5番ブースは、入り口のアクリル扉はきちんと閉じられていた。ただ、透明の扉越しに中を覗くが、やっぱり誰もいない。電源が入ったままのパソコンに、飲みかけのドリンク――鮮やかな黄色はエナジードリンクだろうか。フラットシートの上にはブランケットが無造作に放置されていて、その横には男性物の黒色のボディバッグが転がっている。薄暗いブースで目を凝らしてみると、マウスの隣にはUSBケーブルで充電中のスマホも見えた。
「あれ? まだ店内に居られるのかな?」
荷物そのままで席の移動は考えられなかったが、空きブースを順に確認していく。もし移動するなら荷物も持っていくはずだ。だが、どの席もバッシング済みの整えられた状態で、誰かが勝手に入り込んだ形跡はなかったし、誰の姿もなかった。
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